時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

「攻めの三左とは私のことだぜ!」


「攻めの三左とは私のことだぜ!」

「うわー。早速男苦しそうなキャラが来た・・・」

「ふむ。可成よ、今回の桶狭間での合戦において、佐々と共に鳴海の防衛での功績、大儀であった。四宮左近であったな。良く討ち取ったな」

信長は、可成の持っていた武功改めを見つめると、四宮左近と言う名を読み上げると、彼女を褒め称えた。

「しかし、大将さん。まさか本当にそこの小童の策が通用するとは思わなかったねぇ~!流石我らの大将、信長様。人の才覚を良く分かってるぜ」

あ~、そうか。思い出した。確か、熱田神宮での軍議の時にずっと腕を組んでジーっと地図を見つめてた人だよな。凄く長い十字の槍を持っていたのがとても印象的だった。
一益が援軍で、佐々と森に那古野から来てもらうって言ってたけど、その森って人がこの人。

「・・・まさか覚えておいてくれたとは・・・ありがとう」

「ひひ、気にするなって事よ。私のことは可成って呼んでくれて構わないぜ。軍師さんよ!」

ひひっと口を開いて笑うと、彼女はそう言って話し、拳を俺の方に向ける。
やっぱり、少し男混じりな性格っぽい。でも、馴染みやすくてやりやすいな。

森三左衛門可成。通称、攻めの三左。
織田家数々の戦いで毎度先陣を務め、立派な功績を挙げている。
攻めの三左とも言われ、一益の様に攻める時には調略等を軽々熟し、戦でも決して負けず、手柄を挙げる。十文字槍を使いこなし、織田家の槍の名手とも言われた。
後の森蘭丸、森長可の親父でもある。
余談になるが、この小説において槍の名手と記載している人物は柴田勝家、前田犬千代、森可成という事になる。
そしてもう一つ。この森可成だが、今後の相良裕太の運命を大きく変えることになる。
しかし、今はまだ語られない事。裕太はまだ知る由も無かった・・・。(それまで続きますように!)

「分かった。なら、俺の事は裕太って呼んでくれ。宜しくな、可成!」

「・・・」

俺はそう話したころにはもう遅いと気付く。忘れたか、ここは武功改めの場。
例え必要事でも、そのような会話は厳禁。ルールを知らなかった俺だったが、ようやく気が付いた。

「・・・まぁそう言う事じゃ。これからも織田家の為に励むのだぞ、可成。そして裕太。」

可成は信勝達と同じく、頭を深く下げると「はっ!」と言い、立ち上がると大広間を後にする。
少しの間、一益と勝家が此方を向くと睨むと言う状況が続いた。

「・・・裕太よ」

「は、はいッ!?」

緊迫した状況下の中で、信長に突然名前を呼ばれた俺は声を裏返しながら返事をする。
彼女が半分鬼に見えた俺はやはりまだ未熟者なのだろう。

「・・・武功改めは、分かったな?」

彼女は俺を見ず、正面の襖、では無く、その上に掲げられている織田家の家紋をを見つめたまま、俺にそう問いた。

「・・・はい。私語厳禁ですね。申し訳ございませんでしたッ!」

彼女は溜め息を吐くと、その場から立ち上がる。
そのまま中央にまで赴くと、その場で家紋を見上げながら座った。

「・・・裕太よ。この織田家の家紋の意味、分かるか?」

「え・・・?いや、それは・・・?」

信長の唐突の質問に不意を突かれる裕太。いや、でも此処で分からないって言ったら本当に殺される・・・。でも、なんて言えば・・・。でも・・・。

「すいません。分かりません」

「そうか・・・」

信長は溜め息を吐くと、家紋から目を放し、下を向く。

「えっと、どういう意味なんですか?」

数秒経った頃、信長が俺に向けて刀を抜く気配が無かったので、いっそ問いてみる事にした。

「それは、わしにも分からぬ」

「(分からないのかーい!)」

口を大きく開けて放心状態に陥る俺。しかし、一益と勝家も不意を突かれたようで、体の力が抜けたようにどてっとその場で体を崩して床に付ける。

「・・・と言うのも、織田家は当主が変わる事にこの家紋を改める事になっているのだ」

と、ぶち壊した雰囲気を戻すかのように、信長は淡々と話した。

「じゃあ、分からないじゃなくて決めてないって事か・・・?」

一瞬また死にそうになったけど、なんとか踏みとどまって信長の言葉の裏を突くかの如く、俺は思った事を口にする。
信長は座った状態で体を回すと、俺の方を向いてきた。

「良く分かったのぅ。その通りじゃ。じゃからまずはわしが美濃を取る。稲葉山に登った時こそ、わしの野望の始まりよ・・・。彼奴との・・・な」

彼奴の?ってか、桶狭間が終わって次は美濃ですか!?信長さん次から次へと戦し過ぎでしょ!?
と、考えていた次の瞬間だったー
バンッ!と閉められていた大広間の襖が一瞬にして開いた。やべぇ、また死にそう・・・。
そこに立っていたのは、何処かで見た事のある・・・?

「信長様!一大事です!!」

この話は、後の織田家を大きく変える出来事となるのであった。

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