時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

平凡な一時 弐


「しっかし、一体何処で味噌配りしてんだよ・・・。」

「味噌も味噌。味噌ならぬ味噌ならばそれは味噌とは言えぬ。ならばどのようにして味噌にするのかが大切なところなのだ。」

別に味噌の定理の話なんて聞いてないんですけど。てかなんだよ味噌の定理って。
味噌の計算式ですか?旨さですか?作り方ですか?それとも料理に入れるタイミングですか?
全く分からない味噌の定理についてのお話し合いだったのでしょう。

「あら、いらっしゃいです。」

と、一歩進みかけたタイミングでどうやら目的の場所まで行きつくことが出来たらしい。
てか、結局秀唱も素通りしそうだったじゃないか。味噌の定理の話してるからだぞ。
女の子は、俺達に気付くと営業スマイルで挨拶をしてきた。

「良くやってるな、竹。さて、今回も頼めるか?」

秀唱は優しく褒め称えながら味噌の配給書二枚を竹に見せる。
というか、秀唱はいつの間に俺からうちの配給書奪い取ったんだよ・・・。
やっぱりあれか。忍者(飽くまでメイビー)に仕えてるから忍術(飽くまでメイビー)を使いこなすことが出来るのか?
やっぱり忍者メイビー、恐るべし。

「秀唱、お前いつの間に俺から配給書奪い取ったんだ?全く気付かなかった。」

「いや、それはただ相良が配給書を片手、無防備に外出するのがいけないのだ。分かったか?私のような者であったら簡単に取られてしまうのだぞ。これからは気を付けろ。」

もしかして、取られた場合の模擬体験?だから忠告してくれたのかな?
しかし、それにしても配給書を取られたって感覚がする注意の仕方では無かった。
とりあえず、忠告は忠告なので、秀唱に会釈をして礼儀を示す。
彼女も右手の親指を突き立てて、顔は無表情ながらもグッジョブした。

「しかし、流石一益の家臣だよな・・・。皆忍術が使えるんだろ?」

「いや、そう言う訳では無い。一益様が忍者であるという設定すら危ぶまれているのだぞ。」

俺は驚いた顔をして、秀唱の一言に反応する。

「えっそうなのか?」

秀唱は一度頷くと再び話を再開していく。
俺はじっと構えて秀唱の話を聞いていくスタイルだった。

「ほら、どう考えてもあの性格じゃお忍びは難しいと。」

「でも、一益みたいな人って情報収集能力が半端じゃなさそうだけどな。ほら、聞き込みとか。」

思ってみた事を思い切っていってみた。本当にその通りだと俺は思うのだが。

「確かにそうだ。そうなのだが・・・」

「と言うか、ハッキリしようぜ。秀唱が一益は忍者なのか忍者じゃないのか公言すれば良いだけなんだぞ。」

「では言わせてもらおう。正解は・・・。正解は・・・。本編で!」

秀唱は溜めに溜めてタバコを右手の人差し指と中指で持つと共にウインクする秀唱。
なんとなくウインクから星マークが生まれた気がするのだがやっぱり気のせいだろうか。
とそんな話をしている中、竹は話を聞きながら戸惑っていた。

「あの、少々メタい話は止めませんかそれとここでタバコを吸うのは止めてください迷惑ですから。」

あー、言われちゃったよ秀唱恥ずかしー!
と言う感情を醸し出す様に俺は、ニヤケながら目を細めて秀唱を見つめた。
彼女から殺意が込み上げてきているのは言うまでもない。

「あーそうだな。すまなかった。とりあえず、早く配給を。」

さっきまでの事がまるで無かったかのように話す秀唱だが・・・殺意、半端じゃないです。

ー 竹は注文されると、颯爽に味噌を入れるタップを用意すると昔ながらの測定器で量を確かめながら作業を開始した。
量を量り終えると、袋を取り出してタップを中に入れて袋詰めを行う。
そのまま袋詰めを終えると完成。一月分の味噌があっという間に配給されちゃいます。
これが清州に一軒、いや織田家に一軒しかない(のでしょう多分)味噌専門店の定員さんの実力なのだろう。掛かった時間はおよそ20秒弱。もう量る必要性も無いくらいに正確でスムーズなのだ。

「流石竹。仕事は速いね。」

「す・・・凄すぎる・・・。」

なんて速さだ・・・!もしこの世界にこれよりも速い人が居るのならば俺はその対決シーンを絵にしたい。
って、速すぎて絵にすら出来なさそう。喋っている暇すら無さそうだけど。
と言うか、この店で他に誰か働いてる人は居るのだろうか?

「凄すぎるのはさておき、竹さん。ここで他に働いている人って?」

「えっと・・・私だけですね。そう言えば。」

そう言えばってなんだよ!?

「確か、信長の直属の命を受けた者しか労することは出来なかったはず。基本的にここは竹が決まった期間に現れる。その決まった期間に来なければ、味噌は確保できない。戦場なんだ、織田家は。」

さっきまで大名が平然と味噌を片手に出歩けるのは織田家だけとか言ってたのは何処のどいつだよ!?
結局どっちなの!?平和な場所なの!?戦場なのここは!?

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