時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

満天の星々が広がる綺麗な夜空から日の出へと。


颯爽と藤吉郎は鎧を着すと、馬に乗った信長の後ろを追いかけて向かう。
手勢は10人も居ない。
風の如く清州城を後にすると、そのまま南へ疾走していった。

ー丸根砦
退くも進むも繰り返した後、俺達は丸根砦の平原辺りまでに戻ってきていた。
滝川軍はほぼ無傷の状態で進軍を進めている。
一益は先頭を突っ走りながら指揮を取り、また俺も一益の後ろを追いかけて敵をなぎ倒していく。
丸根砦付近には、今川軍が陣取っていたはずのであったが、雪斎の姿も無く、兵士も居なくなっている。
ただ、平原に兵士達の屍が転がっているだけであった。

「何妙法蓮華経。天に転することとなりに等しく道の迫目。」

一益がお経を唱えたと共に、兵士達の天命を祈った。

「・・・。やっぱり、殺っちまったんだな・・・。」

一言、屍に向けて俺は呟いた。
一益は此方に向かうと、鉄砲を肩で支えて鉢巻を取ると、畳んで服の裾へしまう。

「兄やん。一つ誤解しているようだけど。これは戦に。人が死ぬという事は何があっても避けられない事や。私が大事だと思うのは、その事をちゃんと分かっていて、どうしたら味方が笑顔で笑っていられるか、考える事だに。今はまだ仕方が無いこと。こんな争いが無くなる様に、わっち達は信長様の道を作ってあげるって事だと。誤解するのは仕方がないに。でも、結局そういう事になるんだに。」

心の中で発生していた台風警報。それが一瞬にして消えていく、晴れていく感覚を覚えた。
一益は俺を励ましてくれた。一益のやり方は一番正しいのだと思う。だからこうして、一益の部下達は全く傷を負っていないのだから。

「あぁ・・・。ありがとうな。一益。」

励ましてくれた一益にお礼を言うと、焼け落ちた丸根砦の方を見る。
今川軍と戦っている間に、丸根砦は落とされていた。500近くの織田兵達が守っていたらしいが、その姿は、ここからじゃ伺えなかった。

「さて、丸根は落ちてしまったか・・・。でも、雪斎の兵も相当痛手を負っている。撤退したと仮定しても悪くないのではないか?」

秀唱が腕を組んで、前と同じようにタバコを吸いながら俺に話した。
確かに、考えて見れた雪斎の兵はあれだけやられているのだから相当の痛手は追っているだろう。しかし、一体どうやってこの場から消えたのだろうか。

「でも、撤退したとしたら行き違うはず・・・。それでも鉢合わせずに退いていったと考えていいのか?それに、俺と智慶はさっき松平兵にも会っているんだ。あの兵と雪斎の兵が合流している可能性もあるんじゃないか?」

俺がそう述べると、一益がその場に加入して今の現状を話した。

「兄さんの言ってる事も一理あるに。でも、情報が入ったで。確かに松平と雪斎軍は合流したらしいんやけど、そのまま大高城に向かったらしいに。と考えると、わっちらはこのまま前に進めるって事になるんやよね。」

「それじゃあ、これから那古野城に向かうのか?」

元々一益が那古野城の兵士と合流すると言っていたので、そうなのだろうと俺が話を回すと、それについても訂正された。

「それも変更になったに。ここから熱田神宮に向かうで。そこで那古野の森と佐々隊に合流する事になったんよ。」

いつの間にそんな事が決まったんだよ!?と思いながらも、一益が言った通り、熱田神宮の方へと向かう事になるのだろうが、本当にどのようにして話を纏めたのか聞いてみた。

「なぁ一益。いつの間にそんな話を決めたんだ?」

「浅野長吉が各部隊を回って情報やら偵察あらを集めたり、行ってるんやよ。そこで、那古野に熱田で待ち合わせの話をして貰えるように頼んだわけや。向こうも城を出て南下してるらしいから、わっちらが早く行って遅いって文句を言ってやるに!って事で、いくだに~!」

一益曰く、浅野殿の行動らしい。やはり、自前の忍者なのだろうか。
どちらかと言うと、忍者と言うよりニンジャよね。いや、忍者よりニンジャ。ニンジャよりくのいちと言ったところだろうか。
少し忍術とか習ってみたい。

「まぁ、わっちも伊賀出身やから浅野もどちらかと言うと家臣って駒になるんやけどね~。」

ん・・・?今なんて言った?伊賀って言わなかった?

「今、伊賀って言わなかった?」

俺は一益に尋ねる。
彼女は頷くと、何かと首を傾げた。

「言った・・・で?」

伊賀と言えば結構有名だ。伊賀国という国が今の佐賀南部辺りに存在していたのだが、その国は伊賀流忍者が多く集まっており、一つの忍法の発祥地として名を上げていた。
そこの出身ならば、一益も忍法使えるんじゃないの!?

「それじゃあ、一益も忍法とか使えるの!?」

俺が目をキラキラさせながらして欲しいと、オーラを出した。
流石に嫌がらせに近い気がするが、一益は「そのうちやってあげるに。・・・に。」と話していた。
これはやってくれるね。うん。

「はぁ。それじゃあ、ここから移動するに~!目的地は熱田神宮!駆けっこやで!一番になったら、今回の俸禄は倍を払う事を約束するで!それじゃ、早速始めるで~!!」

と、大声で一益は兵士達に言うと、勝手に自分だけ走り出した。

「ちょ、彼奴ズルいだろ!?」

俺が一益を追いかけるように走っていくと、秀唱も後からついてきていて、智慶は俺と同じくらいの速さで走っている。
一益はと言うと、勝手に一人だけで丸根砦正面から左の方へ向かって進軍中だった。
そして空は、満天の星々が広がる綺麗な夜空から日の出へと変わっていく。



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