時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

第一回清州評定[後編]


いや、終わりでもないなら始まりでもない。え?なんか矛盾していないだろうか。
まず、何が終わって始まるんだ?人生か?
良く、過去を振り返る事は成功の道だと言われる事が多々あるが、振り返ってどうする?過去を見つめてどうする?一番重要なのは、今何をするべきかであり、過去を振り返る必要性も無いと思う。
しかし、人類はそうやって過去を振り返らなければならない時は必ず来る。
日本は戦争に負けた事により、このように奇跡的に成長し、今の経済まで上り詰めたそうだ。
俺が今居る世界もそうなんだ。過去があって、その過去から皆知恵を得ている。
そう思うと、人々の努力というものは計り知れないものなのだ。
何かを示している。何かを導いている。きっと、その先に俺の帰る場所があると、元居た世界があると。
なんで今までそう考えることが出来なかったのか、不思議の思うが結局のところそういうことだ。
俺はここに飛ばされてきた人間だとする。あの理不尽な天使によってだ。
その俺が、斉藤義龍を殺してしまって、もし歴史が変わってしまったとしたら。
今、この時代が本当に未来へと反映される時代だとしたら。
あれ?・・・?何が言いたいんだっけ・・・?

「・・・。」

「え・・・?」

何か、声が聞こえる。左側から。

「・・・ですか?」

再び声が聞こえた。今度は少しハッキリとしている。

「大丈夫ですか?」

「え?あれ?」

目を開くと、その場は話し合いの場だった。俺、なんでここにいるんだっけ?
呼ばれている方を向くと、幼い少女が俺に声を掛けていた。

「大丈夫ですか?相良殿。調子が悪いように思えますが」

相良・・・?あ、そうだ。俺は相良裕太だ。隣から声を掛けていたのは藤吉郎。

「無理は禁物。」

俺のもう片方隣に座っているのは利家。そうだ、俺は戦国世界に居たんだったな。
なんでこう、ウトウトしていると色々忘れてしまうんだろうか。

「しかし、これでは補給路は独立してしまいますな。」

前の方から、会議をしている声が聞こえた。
真ん中にデカい地図を出して、それぞれの人が、周りを取り囲むように話をしていた。

「ただ、あまり慎重に行き過ぎる事も欠点かと。ただでさえ、尾張統一にここまで時間が掛かってしまった分は慎重にやり過ぎたという事でしたからな。ここは、あえて長島城を攻め落としに行くのが上策かと。」

と、佐久間信盛が言った。状況はこれからの織田軍がどう進行していくかという軍議だそうだ。
話は二つに割れている。長島城をどう攻めるか。慎重に攻めるか、あえて乱暴に攻めてかかるか。

「長島城は、仏教徒達が治めている地域ですからね。」

「結構、難所なのか?」

「そうですね…。今の織田軍には難しいところもありますね。何といっても、他の仏教徒の勢力とは全く強さが違いますからね。今や、僧兵でも大名と同じレベルの強さを持つ人も少なからずいますから。」

「となると、どうなるんだ?」

「その話を今してる最中。」

利家はじっと地図を眺めながら言った。
地図を見る限り、長島には二本の川が通っているようだった。橋を渡れと言うなら相当難所だな。

「でも、翌々考えれば攻めなくても良くないか?」

あ、ヤバい。どうやら余計なことを言ったようだった。全員が俺の言った言葉に反応したようで、此方を向いている。

「素人が何を言っている。」

「あ、すいませんでした!」

信盛が怒鳴って俺を怒った。俺は発言したことに対して即座に謝罪をする。

「いや、良いじゃないに。兄さん、その理由を説明してもらえるかい?」

と言うように、一益が俺に理由を説いた。
言われたままに、俺の発言の理由を皆の前で説明していく。

「分かりました。結論的に言わせていただきます。」

深呼吸。心を落ち着かせた。一瞬、藤吉郎の方を見てみると「言っちゃいなさい~。」と言うのがテレパシーで感じられる。利家の方も向いてみると「言ってみろ。」と声を殺して口真似をしていた。

「第一、織田には影響力がない!」

全員が「えっ。」と言う顔をしていた。無理もない。それだけ放たれてもわかるはずがない。

「織田には隣国に怖れられる功績を揚げていない。人間、影響力が無ければ甘く見られる。」

この時代なんかは特にそうだった。影響力がなければ、家を守ることが出来ない。


「それがお主の言い分か?」

「いや。今一番大事なのは防衛力だ。昨日だって、斎藤軍と戦ったが何れにせよ被害が少なかったわけじゃない。防衛するための槍や弓、種子島だって足りてるのか?」

俺がそう問うと、少し離れている辺りに座ってた政秀がそれについて答える。

「そうですなぁ.....。確かに、武器が不十分だというのは事実。十分に配備出来るようにするにはまだ時間が掛かるかと。特に、種子島もそうですな。配備できてまだ250丁。」

「おぉ。もうそこまでできていたのか!政秀、でかしたぞ。」

「ありがたきこと。商業区は問題なく運営出来ております。利益も上がってる上、信長様に是非お越しいただきたいと、町人共が。」

「であるか。是非もなし。町人共の顔を立ててやろうぞ。」

と、いつの間にか商人区の評定内容の方が終わったらしい。
信長も嬉しそうにニコニコしているぞ。機嫌が良くていいことですね。

「確かに、武器が不十分なことには行動を取るのは不可能ね。軍勢を率いてる間に、今川から攻め込まれると言うのは最悪の事態。」

「そうです。ここは兄さんの言っていることに耳を傾けるのが得策ね!」

長秀に続き、一益がそう言った。重臣の二人がそう言っていると、ある程度話が纏まりそうで良かった。

「うむ、そうじゃな。佐久間よ、ここは百歩譲ってやれ。お主の負けじゃ。」

「はは」

信盛さんは退いてくれました。皆様の指示のおかげです。
俺は感謝と同時に、自分の座っていた場所に全員戻っていたので俺も戻る。

「では、そろそろ商談とするかの。」

「お、待っておりました!」

藤吉郎は大声で話した。

「猿、お主も手伝え。」

「はい~。尾張のお猿は何処までも信長様に助太刀致します~。」

「くかか、利口な猿じゃな!」

そう言われると、藤吉郎は信長様の座禅のすぐ近くまで行く。
そのまま少し右の方へ移り、座った。

「さて、商業区より話は聞いた。舎区の方はどうじゃ?」

舎区の人が信長に呼ばれる。立ち上がったのは一益だった。

「そうじゃね・・・。色々聞いて周ったんやが、どうも種子島の量が足りひんらしいのよ。信姉さん、用意出来る?」

「うむ。手配できるようにはしておくが、お主もその種子島を手配できるようにせい。」

「はいは~い。」

一益の喋り方に全く違和感がないのだが、何弁なの?色々混ざってる気がするけど。
一益は自分の下にひいてある座布団の上に座った。

「次は居住区のほうじゃが・・・。」

家臣達は周りを見渡した。「あれ?」という声を出す家臣も居る。

「浅野はどうした?」

そうだった。居住区担当は浅野長吉だったんだ。確かに、家臣達を見てみれば長吉の姿は無い。というと、最初から居なかったという事か?
でも、この時から気付いておくべきだった。とにかく風が吹き、外を見れば花が咲き乱れるこの状況を。
不覚にも、不運にも、それは次の瞬間訪れた。

「時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「歴史」の人気作品

コメント

コメントを書く