時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

死んだら天使が虐めてきました。


「ん……」

 視界が突然真っ暗になり、辺りが見えなくなった。
 と思ったら真っ白になり、反射して目を開けていられなくなる。

「うぅ……? なんだ?」

 最終的には真っ黒になっていった。
 それと共に、足が地面から離れる。何故か足が浮いていてという状況だった。

「ぐはぁ……!!」

 声も出せなくなり、次第には体全体に激痛が走った。体全身の為、どこを押さえて我慢すれば良いのかが分からず声が出てしまう。
……バン!
 と、カバンを誤って落としてしまったくらいの音と共に、何事もなかったかのように激痛が止む。目を開くと、周りに鏡のようなものが無数に浮いていた。
 「どうやら俺は不思議な空間にいるんだな」と自覚することができた。
 その空間では足を付ける事もでき、発声することも出来るのだ。

「ん…… あれ?」

 そうだ、俺は交差点の前に立っていたんだ。信号が青になるまで、その場所に立ち尽くしていた。交差点から一転して、なぜ俺はここに?

「目を、覚ましましたか」

 顔を少し上にあげ、見上げてみる。離れた所に一人、俺よりもずっと高い位置に立ち、微笑みを見せている女の子がいた。

「ここは一体……何処だ?」

「そうですわね… ここは貴方の裁判所とでも言っておきましょうか」

 よく見ると、遠くに居る女の子に羽根らしき物が生えていた。彼女は浮いているようだった。
 少しずつ、降下してきているのが分かる。

―俺の裁判所、と彼女は言っていた。

「一体どういうことだ……?」

 俺がそう言い終えていた頃には、数メートルの距離にまで彼女は迫ってきていた。

「そのままの意味ですわ。ここで貴方に判決を下すのです」

 顔を近づけて微笑んだ彼女は言った。
 積極的な女の子が苦手な俺は、唾を飲んで少し後ろへ身を引かせた。

「……な、何故!? 俺は別に捕まるようなこと……」

……すると突然、彼女の顔色が変わった。機嫌悪そうに一度舌打ちをする。

「ええ…。 捕まるような事はしていないわ。貴方は死んだのよ」

 え?なんだって……?
 俺が……?俺が死んだだと??
 彼女の言葉に一瞬戸惑いが生じた。

「俺が、死んだ……?え?」

「ええ、そうよ。貴方は交差点の前に立っていた。その時、赤信号だったにも関わらず、何故か軽く一歩を踏み出してしまったのよ、貴方。」

 もう一度聞き返すと詳しく説明して返してくる。

「それはどういう……?」

 彼女は腕を組み、難しい顔をする。
 さっきまでは気乗りしていない感じだったが、今度は一件変わって俺の話題に食いついてくる。

「さあ?そんなこと私にだって分からないわよ。ただ貴方は軽トラに轢かれて死んだしか私は知らないわ」

 なんて悲しい人生なんだ!まだやりたいことだって終わってないのに・・・。というか、軽トラってどういうこと!?トラックに惹かれてだったら異世界のテンプレとしては成り立つにしても、軽トラは無いでしょ!?
 なんて理不尽なんだ・・・。
 しかし、彼女の言っていることの大半がまだ理解できていない状況にあった。
 何が狙いだか全く分からん。少し俺を小馬鹿にしている態度も見られるし……。面白がって馬鹿にしているのか?

「ででで、でもっ!! ほ、本当なのか? 本当に俺、死んでるの!? …嘘は止めてほしい。第一、俺が死んでたらお前と会話だって出来ていないだろ」

 俺が冷静にそう言い終わると、さっきまで何も映っていなかった鏡に、俺が映し出された。
 冷静そうな男に見えるが、心拍数は馬鹿にならないくらい跳ねあがっていた。

「いえ。 それは下界での教え。本当はそうではないわ。
人は死ぬと死神によって魂になる。その魂は閻魔大王様によって判決が下され、即ち天国か地獄へ送られる。基本的にどれだけ人生を楽しんだか、を評価される事が多いわ。それによって送り先が決まるのよ。ここまでが通常。でも、貴方のような稀に、死んだ人間の魂に変換する死神の能力が限界に達すると魂に変えられず、此処に放り投げられる人が居るのよ」

「その一人が俺……?」

 彼女は右手を前に出して、光の弾を作る。その弾は次第に小さな鏡となり、光り出した。
 彼女は俺の言葉に頷く。

「発生条件も不明、閻魔の方からは裁けと通達が来る。」

「え?」

 俺は周りに反射する、物凄い光に耐えながら話を聞く。

「このまま裁こうと思ったけれど、気が変わったわ」

「平然とした顔で怖い事言うなあああああ!!」

 彼女はふふふ。と口を手で押さえて笑う。
 この時初めて彼女にもそういうところがあるのだなと見直したが……。
 俺の下の地面?らしき方に突然円形の陣と文字が映し出された。

「これは魔法陣。貴方、私と契約してもらえるかしら。 というか、しなさい。絶対」

「発言が強制的ですね!!」

 さっきまで一見優しいのかと勘違いしたのが馬鹿だった……
 完璧に前言撤回。強制的で怖いいいいい……。

「貴方にもう一度だけ、人生を捧げる。代償として貴方は私に魂を捧げなさい。その魂、預かるわ。その代わり、壊したりしないし、いじったりもしない。とにかく、新しい人生を楽しむこと。それが私が貴方に送る魂の対価よ」

 俺はそう質問されるが、数十秒の間動くことが出来ず、話せなかった。
 いや、動揺していたのだ。

――――自分の名前が分からない。

「そうよねぇ?普通、此処にくれば誰でも忘れてるものよ、自分の名前なんて!
 貴方は今日から相良裕太さがらゆうたと名乗りなさい。」

 平然と怖いこと言ったよね!!
 名前って大切なんだぞ!!自分たちの親が、時間を掛けて、入念に練った候補の中から選ばれるくらいの、宝くじよりもずーっと価値の高いモノなんだぞ!!!

―俺は深呼吸して言った。

「相良……裕太…… 分かりましたあ!」

「そして、サービス。貴方の名前と魂を頂いたから、武器と魔法のバックもあげるわあああ!!!」

 そういうと、彼女はバックを渡して刀を差し出す。
 刀?あれ?刀を基本的に装備している所って……

「一体俺は何処n」

「それじゃ、いってらっしゃーい」

 こうして…… 死んだことから、俺の新たな人生が始まった。

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