非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
私の泥棒と俺の予想
百六十四話
【新転勇人】
「勇人くんおいしい?」
「はい!美味しいです!」
「ふふふっ♪かわいいわねぇ〜」
「お母さん!」
「あ、ホントだおいしぃー」
片肘をついて俺を見る優香さん。
そしてどす黒いオーラを醸し出す円香。
ご飯をつついて我関せずを貫く結花。
「どう勇人くん?」
「どうって?」
「私もいいと思わない?」
「ちょお母さん!」
ご飯吹き出しそうになる円香を見て、コロコロと笑う優香さん。
「勇人くんは私の夫ですからね!」
「円香、冗談にそんな怒んないで!実の親に威嚇しないで!」
フンフンと鼻息荒くして食卓に手をつく円香の頭を軽く撫でる。
…………未だに我関せずな結花が怖いがまずは愛する彼女を落ちつける。
「ほら!結花さん!美味しいのはわかりますが一旦お箸止めて私と共闘ですよ!」
あら珍しい。
円香の方から共闘とか言いだすなんて。
それを聞いた結花はピタリと箸を置き、口に入っているものを飲み込んで、言った。
きっとあれだろう。一旦手を組んで最終的に裏切って円香をおちょくる的な。
そんな流れを作るために「当たり前です!円香さんに言われなくてもにぃを守ります!」とかいうんだろうな。
うんうん、きっと――
「いや、それよりなんですけど、私夕食頂いたら帰りますね」
「「・・・・・・え?」」
円香と声が重なる。
てっきり結花も泊まらせてもらうもんだと……てかさっき寝る場所で言い合いになってたよな?
「なんで帰っちゃうんですか!お泊まりしましょ!お泊まり!」
思いのほか円香が引き止めているのがまた面白い。
嫌よ嫌よも好きのうち的なね。
「元々円香さんからかいに来ただけなので。それに、うちに来てるならまだしも、さすがに人の家まで押しかけて二人の時間を邪魔するのは……ねぇ?」
まずい泣きそう。
結花成長してる……っ!
「うぅ……結花ちゃん……っ……」
円香もうっすらと涙している。
成長が嬉しくてなのか、二人になれるのが嬉しくてなのかははっきりしないが。
「あ、でも家に来たら容赦しないから。」
そう言って再び箸を動かし始めた。
そんな結花は野菜にはあまり手をつけず、お肉ばかり食べていて子供っぽいが、その姿はなんだか前よりも大人びて見えた。
このまま俺のベッドに入り込んで寝てこなくなれば良いんだけどなぁ。
□
「ごちそうさまでした。おじゃましました。」
ぺこりと頭を下げ、玄関を出ていく結花を見送る。
本当は家まで送っていきたかったが何故か結花本人にかなり拒絶されたのでさすがに身を引いた。
「勇人くん先にお風呂入っちゃいな」
隣で枕を持ってニコニコしている彼女は放っておいて、優香さんの声に従って風呂へと向かう。
…………っと、パンツ取って来ないとだな。
一度円香の部屋に戻ってから風呂に向かおう。
【新転結花】
「…………我慢我慢。」
円香さんの家を出て、ゆいはコンビニに向かう。
最初はゆいも泊まる予定だったけど、寝るとこ決める時にホントに必死な円香さんとそれを微笑ましそうに眺めるにぃをみたらなんか少し身を引こうと思った。
昨日も一昨日も一人だったしそれが一日延びるだけだもん。
大丈夫。
「……あ、プリンも買ってこ!」
元々はアイスの予定だったけどせっかくの一人最終日だし少し贅沢しよう。
あ、そうだ。
どうせなら今日もにぃのベッドで寝よ!
ゆいはコンビニへと足を急いだ。
【新転勇人】
結花が帰った今、円香を止めるものは優香さんしか居なくなった。
……優香さんは優香さんで怖いよなぁ……。
あの人がまた円香に変な知識植え付けなければいいんだけど……。
てかなんでなの?なんで今まで箱入りというか、今まで優香さんは何もおちょくったりしなかったの?
彼氏がいなかったのは聞いてるけど、優香さんなら「彼氏作らないの?」とかガツガツ聞いてきそうだけど。
――その時。
浴室の外で何かが蠢いた。
衣擦れの音が微かに聞こえる。
これは円香だな……。
泥棒が入るわけがないし、浴室で、派手に動けない時に仕掛けてくるなんて絶対円香だ。しかもこれは優香さんもグルだとみた!
まず、円香一人ならこんな早く動けないはずだ。
行動に起こすくせにオドオドするところがあるから、多分優香さんが的確な指示を下したんだろうな。
耳を澄ましてみる。
徐々に衣擦れの音が遠ざかっていって、初めには聞こえなかったドアの閉まる音が微かに聞こえた。
さて。
大予想タイムと洒落こみますか。
確率の高い順から――
俺のパンツを取った。
俺の寝間着を取った。
タオルを用意してくれた。
ってとこか。
で、大穴で、実は何も取ってない。
かな。
まぁ出てみればわかることだしもう少しゆっくりお湯に浸かっていようかな。
【新天円香】
「パンツ〜パンツ〜」
私はスキップで浴室へと向かいます。
いつもは私をおちょくってくるお母さんですが今回はとってもいいことを教えてくれました!
どうやらお母さんが言うには、想い人、恋人の下着を枕の下に忍ばせておくと夢の中で会えるらしいんですよ!
しかもお母さんしては良い気遣いで勇人くんのパンツの置いてある場所を教えてくれたのです!
「おっと。ここからは静かに行かないとですね……」
浴室の目の前に立ち、息を潜めてドアを開けます。
右から二つ目〜右から二つ目〜。
今のところあまり音立ててないからきっとバレてないはず!
っと!これですね!
青と白の縦ストライプのパンツ!
バレる前に早く戻りましょう!
【新転勇人】
「……っと……これはどういうことだ……?」
浴室を出て、用意してくれていたタオルで体を拭く。
その時目に入ったのは、洗濯機の前に置いてある“俺の”下着と、その隣に明らかになにか置いてあったかのような不自然に空いたスペース。
それこそ畳んだ下着一枚分くらいの……。
…………うん。
あけましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願い致します。
つきましては更新の度に読んでくださる皆様、そして大切なお正月休みを私の小説に費やしてくださった方々(何名がいらっしゃいますよね?全部見てますよ。全部。隅々まで。そう。隅々まで。)ありがとうございます。
同時に、更新遅せぇよバカタレ!と思っている方、井戸のくせに一端の人間みたいに新年の挨拶してんじゃねぇよと思っている方。
愛してる
【新転勇人】
「勇人くんおいしい?」
「はい!美味しいです!」
「ふふふっ♪かわいいわねぇ〜」
「お母さん!」
「あ、ホントだおいしぃー」
片肘をついて俺を見る優香さん。
そしてどす黒いオーラを醸し出す円香。
ご飯をつついて我関せずを貫く結花。
「どう勇人くん?」
「どうって?」
「私もいいと思わない?」
「ちょお母さん!」
ご飯吹き出しそうになる円香を見て、コロコロと笑う優香さん。
「勇人くんは私の夫ですからね!」
「円香、冗談にそんな怒んないで!実の親に威嚇しないで!」
フンフンと鼻息荒くして食卓に手をつく円香の頭を軽く撫でる。
…………未だに我関せずな結花が怖いがまずは愛する彼女を落ちつける。
「ほら!結花さん!美味しいのはわかりますが一旦お箸止めて私と共闘ですよ!」
あら珍しい。
円香の方から共闘とか言いだすなんて。
それを聞いた結花はピタリと箸を置き、口に入っているものを飲み込んで、言った。
きっとあれだろう。一旦手を組んで最終的に裏切って円香をおちょくる的な。
そんな流れを作るために「当たり前です!円香さんに言われなくてもにぃを守ります!」とかいうんだろうな。
うんうん、きっと――
「いや、それよりなんですけど、私夕食頂いたら帰りますね」
「「・・・・・・え?」」
円香と声が重なる。
てっきり結花も泊まらせてもらうもんだと……てかさっき寝る場所で言い合いになってたよな?
「なんで帰っちゃうんですか!お泊まりしましょ!お泊まり!」
思いのほか円香が引き止めているのがまた面白い。
嫌よ嫌よも好きのうち的なね。
「元々円香さんからかいに来ただけなので。それに、うちに来てるならまだしも、さすがに人の家まで押しかけて二人の時間を邪魔するのは……ねぇ?」
まずい泣きそう。
結花成長してる……っ!
「うぅ……結花ちゃん……っ……」
円香もうっすらと涙している。
成長が嬉しくてなのか、二人になれるのが嬉しくてなのかははっきりしないが。
「あ、でも家に来たら容赦しないから。」
そう言って再び箸を動かし始めた。
そんな結花は野菜にはあまり手をつけず、お肉ばかり食べていて子供っぽいが、その姿はなんだか前よりも大人びて見えた。
このまま俺のベッドに入り込んで寝てこなくなれば良いんだけどなぁ。
□
「ごちそうさまでした。おじゃましました。」
ぺこりと頭を下げ、玄関を出ていく結花を見送る。
本当は家まで送っていきたかったが何故か結花本人にかなり拒絶されたのでさすがに身を引いた。
「勇人くん先にお風呂入っちゃいな」
隣で枕を持ってニコニコしている彼女は放っておいて、優香さんの声に従って風呂へと向かう。
…………っと、パンツ取って来ないとだな。
一度円香の部屋に戻ってから風呂に向かおう。
【新転結花】
「…………我慢我慢。」
円香さんの家を出て、ゆいはコンビニに向かう。
最初はゆいも泊まる予定だったけど、寝るとこ決める時にホントに必死な円香さんとそれを微笑ましそうに眺めるにぃをみたらなんか少し身を引こうと思った。
昨日も一昨日も一人だったしそれが一日延びるだけだもん。
大丈夫。
「……あ、プリンも買ってこ!」
元々はアイスの予定だったけどせっかくの一人最終日だし少し贅沢しよう。
あ、そうだ。
どうせなら今日もにぃのベッドで寝よ!
ゆいはコンビニへと足を急いだ。
【新転勇人】
結花が帰った今、円香を止めるものは優香さんしか居なくなった。
……優香さんは優香さんで怖いよなぁ……。
あの人がまた円香に変な知識植え付けなければいいんだけど……。
てかなんでなの?なんで今まで箱入りというか、今まで優香さんは何もおちょくったりしなかったの?
彼氏がいなかったのは聞いてるけど、優香さんなら「彼氏作らないの?」とかガツガツ聞いてきそうだけど。
――その時。
浴室の外で何かが蠢いた。
衣擦れの音が微かに聞こえる。
これは円香だな……。
泥棒が入るわけがないし、浴室で、派手に動けない時に仕掛けてくるなんて絶対円香だ。しかもこれは優香さんもグルだとみた!
まず、円香一人ならこんな早く動けないはずだ。
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耳を澄ましてみる。
徐々に衣擦れの音が遠ざかっていって、初めには聞こえなかったドアの閉まる音が微かに聞こえた。
さて。
大予想タイムと洒落こみますか。
確率の高い順から――
俺のパンツを取った。
俺の寝間着を取った。
タオルを用意してくれた。
ってとこか。
で、大穴で、実は何も取ってない。
かな。
まぁ出てみればわかることだしもう少しゆっくりお湯に浸かっていようかな。
【新天円香】
「パンツ〜パンツ〜」
私はスキップで浴室へと向かいます。
いつもは私をおちょくってくるお母さんですが今回はとってもいいことを教えてくれました!
どうやらお母さんが言うには、想い人、恋人の下着を枕の下に忍ばせておくと夢の中で会えるらしいんですよ!
しかもお母さんしては良い気遣いで勇人くんのパンツの置いてある場所を教えてくれたのです!
「おっと。ここからは静かに行かないとですね……」
浴室の目の前に立ち、息を潜めてドアを開けます。
右から二つ目〜右から二つ目〜。
今のところあまり音立ててないからきっとバレてないはず!
っと!これですね!
青と白の縦ストライプのパンツ!
バレる前に早く戻りましょう!
【新転勇人】
「……っと……これはどういうことだ……?」
浴室を出て、用意してくれていたタオルで体を拭く。
その時目に入ったのは、洗濯機の前に置いてある“俺の”下着と、その隣に明らかになにか置いてあったかのような不自然に空いたスペース。
それこそ畳んだ下着一枚分くらいの……。
…………うん。
あけましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願い致します。
つきましては更新の度に読んでくださる皆様、そして大切なお正月休みを私の小説に費やしてくださった方々(何名がいらっしゃいますよね?全部見てますよ。全部。隅々まで。そう。隅々まで。)ありがとうございます。
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コメント
yuuking
久しぶり
しーずぴ
更新お願いします!
神崎律
井戸氏これからも頑張れ!あとあけおめです
ノベルバユーザー170248
頑張って。
SUDOU1211
待ってました。更新頑張ってください。