非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私のむふふ妄想と俺の彼女は8億倍

九十三話






【新転勇人】






待ち合わせ場所に着いて理解した。

なぜ円香が電車の時間をずらしたのか。
それは――

「お待たせー」
「ううん、全然待ってないよ!」

お決まりのセリフを言いたかったんだ!!
全然待ってないわけないのに、知ってるのに一個前で来てること。
かわいいかよ。
「ん?どうかしました?」

「いや……」
なに今日の円香。
いつもの8億倍は可愛いんだけど。
清楚を具現化したような服装で、多分Go○gleで【清楚系  ファッション】で検索したらこれが出てくるってレベルに清楚。
「あー!まさか勇人くんってば私に見蕩れてます?」
「大正解」
「あうっ」
俺をおちょくってきたつもりだろう。
だが俺だっておちょくり返すことが出来るのだ。
「勇人くん今日変です!」
それはこっちのセリフなんだけどなぁ。
「円香こそデートが楽しみでテンション上がってるんじゃない?」
「うぅ……心を見透かされてるみたいで恥ずかしいです……」
円香はモジモジと恥ずかしさで体をくねらすしている。
「も、もう早く行きましょ!」
円香の手が俺の手を引っ張って夢の国へ向かって歩き出した。


何気なく握りあってるこの手も、いつもの8億倍ぷにぷにむにむにしていて一生握れそうだ。







【新天円香】






勇人くんにバレバレでした……。
そりゃあテンション高くなっちゃいますよ!だってネズミですよ!?勇人くんと!!
宇宙山とか大きな雷山とか乗ったりするんです!
ジャングル船旅とかでまったり過ごすんです!船頭さんに「かっこいい彼氏さんですね、お似合いです」なんて言われちゃって!
「むふふ」
「ん?どうかした?」
「いえ!全然!全く!これっぽっちも!!」
「そ、そっか」
勇人くんに観ずかれてしまうところでした……。
お母さんに教えてもらった必勝法で魅了してみせるのです!!
「あ、そろそろじゃない?ほら」


ついに到着した夢と魔法の国。


楽しいと思われていたこのデート。
パークの中でまさかあんなことがあるなんて。
私たちはまだ知るよしもなかっ――
「円香どうしたの?」
「あ、いえ何でもないです♪」
ま、そんなことあるわけもないですし、「あんなこと」というのはもしかしたらショーを見ながらキスとか…………んふ。

サスペンス的な妄想をしてみましたけどあるわけもないですし、あった場合は円香ものすごく怒っちゃいます!
私たちの幸せな時間を壊すものはなんびとたりとも許さないのですっ!








まぁ正解発表とかしないんですけどね?

あ、ひとつお願いがあります。
私がまた更新してなかった時があったら、
「え?更新しない?なめてんの?」とかコメントしてください。

基本的に水曜金曜日曜の更新です。

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