非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
私の伝えたい事と俺のふらつく足
三十四話
【新天円香】
「真結!!」
「どしたの、そんなに息切らして」
部室へ戻った私は、開口一番真結へ勇人くん呼んでしまったの容態を伝えました。
「なっ―あと30分もないんだよ!?」
「私ひとりで上がります。」
予定では勇人くんと壇上に上がって記事が嘘ではないと証明するはずでした。
それは、私ひとりで説明するよりそちらの方が“事実”を突きつけるため楽だからです。
「いや、でもそしたらまた―」
「大丈夫です!!」
「大丈夫って……前に嘘記事書いた私が言えることじゃないけど、また“大掛かりな嘘”って思われるだけかもよ?」
真結は「それに―」と続けます。
「“部費目当てでの嘘”って取られたら終わりなのよ?」
「それは……分かってます」
分かってます……。
分かってるけど……ッ!
「勇人くんとお付き合いしたいんです!」
「いや、でも付き合って…あ……」
「そうです!ごっこじゃなくて正式な恋人に!―」
昨日勇人くんの家に行って確信しました。
私は彼と恋人になって“ごっこ”では出来ないような事をしたい。と。
真結へとその旨を伝えました。
私は、壇上で勇人くんに告白します。
「ごっこでは出来ないことって…円香大胆…」
「いやっ、そういう訳じゃ!呼び捨てで呼びあったりとかです!!」
やっぱり“ごっこ”という垣根を越えないと恥ずか死んじゃうんです!!
「……だからそのためには周りの誤解を解いてからじゃないといけないんです。じゃないとまた勇人くんに迷惑をかけてしまうんです。」
「……新聞を貼らない選択肢もあるんだよ?」
 
「それでは人が集まりません」
人が集まらないといけません。
「新聞部の部長である私が壇上に上がることも出来るよ?」
「それでは“嘘”だと認識される可能性が高いです」
私の気持ちを知ってもらわないといけません。
「はぁ…分かりました。勇人くんにはなんて言うんですか?」
私を説得することを諦め、観念した様子の真結。
「私がなんとかするって伝えます」
「……分かりました。では掲示してきますね。集める時間は十二時です。」
「はい」
掲示を始めた時間は、オープンスクール開始の10分前だった。
【?????】
そういえば“あいつ”が通ってる学校って戸内高校だったよね。
「あはっ♪面白くなりあっ―」
「おっとぉごめんごめん。怪我はない?」
前から目をそらした時、タイミング悪く人とぶつかってしまった。
「悪いね。お詫びにホシバでも奢らせて?」
「ホシバ!?」
「うん」
タイミング悪すぎだよ〜。
「大丈夫ですよ。お金はあるんで、お詫びとかも大丈夫です」
まぁ奢られるほどお金無い訳じゃないし、しかも知らない人から奢られるなんて後で請求されても困るからね。
でもホシバの新作飲みたかったなあ。
あとでアレに―
「そっか。でも見たところ高校生なのにお金あるんだ。この辺の高校はバイト禁止だったはずだけど?あ、もしかして男から搾取してたり?」
「な、なにを…」
な、なにこの人……。
何でこんなに。
「嘘♡ごめんね。じゃあお姉さん急いでるから!従兄弟のオープンスクールがあるんだよね〜」
不思議なお姉さんは手をひらひらさせ、私と反対方向へと歩いていく。
―オープンスクール!?
「お姉さん!戸内高校のオープンスクールならこっちですけど」
私は進もうとしていた方の道を指さして言った。
「えぇっ!?本当!?町並み変わってて気づかなかったー」
さっきのお金の件からこの人ちょっとおかしい?
「もし良かったらさ、お姉さんと一緒にオープンスクール言ってくれないかな?」
お姉さんは手を合わせ、申し訳なさそうな笑顔で言った。
ま、まぁさっきのも嘘って言ってたし多分冗談で“当たってた”んだろうな。
お詫びをしようとしたり、根はいい人っぽいし一緒に行ってもバチは当たらないよね。
「大丈夫ですよ。一緒に行きましょ」
私はお姉さんと共に、戸内高校へ向かい始めた。
【新転勇人】
……どれ位の時間が経っただろうか。
三十分?
一時間?
もしくはそれ以上だろうか。
そんなことを考えながら、意識が覚醒し始めた身体を起こす。
とりあえず周りを見渡すと、隣においてある机の上にスマホと一枚の紙が置かれていた。
まだ頭痛もする、吐き気もある。
万全な状態ではなかったがスマホを開く。
目をつんざくような強い光を発するスマホの画面。
何回か瞬きをし、時間の表示されているところを見る。
そこには―
11:50
と表示されていた。
「なっ―」
俺は必死にベットから立ち上がり、ふらつく足を他所に気力のみで体育館へと向かった。
紙を見るのを忘れていたことに気づくのは、保健室を出て少し行ったころだった。
【????】遡ること勇人が目を覚ます前
作戦成功♪
この子が例の……ふふ。
お金の事を言ったときの顔の引き攣り方と声の震え方からして間違いなさそうね。
そこまで顔が変わってなくてよかったわ。
「“私の”勇人に嫌がらせしたあんたは許さないんだから…」
「ん?何か言いました?」
「えっ―あぁ。何も言ってないよ。大丈夫。」
危ない…声に出てたのね……。
まぁいいわ。
待っててね勇人…♡
私が慰めてあげるから♡
【新天円香】
「真結!!」
「どしたの、そんなに息切らして」
部室へ戻った私は、開口一番真結へ勇人くん呼んでしまったの容態を伝えました。
「なっ―あと30分もないんだよ!?」
「私ひとりで上がります。」
予定では勇人くんと壇上に上がって記事が嘘ではないと証明するはずでした。
それは、私ひとりで説明するよりそちらの方が“事実”を突きつけるため楽だからです。
「いや、でもそしたらまた―」
「大丈夫です!!」
「大丈夫って……前に嘘記事書いた私が言えることじゃないけど、また“大掛かりな嘘”って思われるだけかもよ?」
真結は「それに―」と続けます。
「“部費目当てでの嘘”って取られたら終わりなのよ?」
「それは……分かってます」
分かってます……。
分かってるけど……ッ!
「勇人くんとお付き合いしたいんです!」
「いや、でも付き合って…あ……」
「そうです!ごっこじゃなくて正式な恋人に!―」
昨日勇人くんの家に行って確信しました。
私は彼と恋人になって“ごっこ”では出来ないような事をしたい。と。
真結へとその旨を伝えました。
私は、壇上で勇人くんに告白します。
「ごっこでは出来ないことって…円香大胆…」
「いやっ、そういう訳じゃ!呼び捨てで呼びあったりとかです!!」
やっぱり“ごっこ”という垣根を越えないと恥ずか死んじゃうんです!!
「……だからそのためには周りの誤解を解いてからじゃないといけないんです。じゃないとまた勇人くんに迷惑をかけてしまうんです。」
「……新聞を貼らない選択肢もあるんだよ?」
 
「それでは人が集まりません」
人が集まらないといけません。
「新聞部の部長である私が壇上に上がることも出来るよ?」
「それでは“嘘”だと認識される可能性が高いです」
私の気持ちを知ってもらわないといけません。
「はぁ…分かりました。勇人くんにはなんて言うんですか?」
私を説得することを諦め、観念した様子の真結。
「私がなんとかするって伝えます」
「……分かりました。では掲示してきますね。集める時間は十二時です。」
「はい」
掲示を始めた時間は、オープンスクール開始の10分前だった。
【?????】
そういえば“あいつ”が通ってる学校って戸内高校だったよね。
「あはっ♪面白くなりあっ―」
「おっとぉごめんごめん。怪我はない?」
前から目をそらした時、タイミング悪く人とぶつかってしまった。
「悪いね。お詫びにホシバでも奢らせて?」
「ホシバ!?」
「うん」
タイミング悪すぎだよ〜。
「大丈夫ですよ。お金はあるんで、お詫びとかも大丈夫です」
まぁ奢られるほどお金無い訳じゃないし、しかも知らない人から奢られるなんて後で請求されても困るからね。
でもホシバの新作飲みたかったなあ。
あとでアレに―
「そっか。でも見たところ高校生なのにお金あるんだ。この辺の高校はバイト禁止だったはずだけど?あ、もしかして男から搾取してたり?」
「な、なにを…」
な、なにこの人……。
何でこんなに。
「嘘♡ごめんね。じゃあお姉さん急いでるから!従兄弟のオープンスクールがあるんだよね〜」
不思議なお姉さんは手をひらひらさせ、私と反対方向へと歩いていく。
―オープンスクール!?
「お姉さん!戸内高校のオープンスクールならこっちですけど」
私は進もうとしていた方の道を指さして言った。
「えぇっ!?本当!?町並み変わってて気づかなかったー」
さっきのお金の件からこの人ちょっとおかしい?
「もし良かったらさ、お姉さんと一緒にオープンスクール言ってくれないかな?」
お姉さんは手を合わせ、申し訳なさそうな笑顔で言った。
ま、まぁさっきのも嘘って言ってたし多分冗談で“当たってた”んだろうな。
お詫びをしようとしたり、根はいい人っぽいし一緒に行ってもバチは当たらないよね。
「大丈夫ですよ。一緒に行きましょ」
私はお姉さんと共に、戸内高校へ向かい始めた。
【新転勇人】
……どれ位の時間が経っただろうか。
三十分?
一時間?
もしくはそれ以上だろうか。
そんなことを考えながら、意識が覚醒し始めた身体を起こす。
とりあえず周りを見渡すと、隣においてある机の上にスマホと一枚の紙が置かれていた。
まだ頭痛もする、吐き気もある。
万全な状態ではなかったがスマホを開く。
目をつんざくような強い光を発するスマホの画面。
何回か瞬きをし、時間の表示されているところを見る。
そこには―
11:50
と表示されていた。
「なっ―」
俺は必死にベットから立ち上がり、ふらつく足を他所に気力のみで体育館へと向かった。
紙を見るのを忘れていたことに気づくのは、保健室を出て少し行ったころだった。
【????】遡ること勇人が目を覚ます前
作戦成功♪
この子が例の……ふふ。
お金の事を言ったときの顔の引き攣り方と声の震え方からして間違いなさそうね。
そこまで顔が変わってなくてよかったわ。
「“私の”勇人に嫌がらせしたあんたは許さないんだから…」
「ん?何か言いました?」
「えっ―あぁ。何も言ってないよ。大丈夫。」
危ない…声に出てたのね……。
まぁいいわ。
待っててね勇人…♡
私が慰めてあげるから♡
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コメント
クロエル
書籍化あったら挿絵はどんな人が描くのだろうか…
楽しみです!