俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい

めんたま

大会の反響とその負の一面

ふぉお眠い....。
おはようございます、仁です。

俺は今昨日の大会の疲れも抜けぬまま登校している。
しかし昨日は自分で言うのもあれだが上手くいったと思う。アスリートにとって実力以上の力を発揮できたというのはとても誇らしいことだ。これからもこの調子で日々精進していこう。

俺は視線に晒されつつアクビをしながらいつも通り一般車両に乗り込む。

....なんか最近この車両だけ人が多い気がする。他の車両は比較的空いているのに。
まさか、いやまさかなのだが、俺がいるからとか?俺はいつも決まってこの位置の車両に乗るのだ。それが広まっている?いくらなんでも自意識過剰すぎるだろうか...?

「仁、おはようっ!」

おっと、そんなことを考えていると誰かに挨拶された。
俺はくるりと振り返り、笑顔を作る。

「おはようございます、すみれ先輩。それと、中川先輩に、田島先輩も」

今日は2年生3人組勢揃いだな。

「おはようございます〜前原さん」

「おっ!?おはよ!」

相変わらず中川先輩はフワフワしてるな。あと、田島先輩は...この前すみれ先輩にむっつりスケベだとカミングアウトされたからどう接すればいいのか...。

「聞きましたよ〜前原さん。昨日の大会は大活躍だったとか。すごいです」

「あはは。ありがとうございます、調子が良かったんですよ。でもすみれ先輩の活躍がなければ優勝はできなかったので、すみれ先輩もすごいと思います!」

中川先輩に昨日のことを言われたので礼を言ってから、すみれ先輩の方に話を向ける。

「私なんて全然だよー!でも、仁にそう言われたらちょっと調子に乗っちゃうかなっ。えへへ、ありがと!」

朝から元気ハツラツだなあこの人は。俺には少々眩しすぎるよ。

「お、おめでとう前原!すごいな!」

おっ?珍しく田島先輩から話しかけてくれた。なんか嬉しい。

「ありがとうございます、田島先輩っ」

「〜〜っ!あ、ああ!」

顔を赤く染め上げ恥ずかしそうに返事を返す田島先輩。

うーん?この人は本当にむっつりスケベなのか?俺にはただの男と喋るのが恥ずかしい純粋無垢な子にしか見えないぞ。

「(すみれ先輩、本当に田島先輩はむっつりスケベなんですか?全然そうは思えないんですけど)」

俺は田島先輩に聞こえないように小声ですみれ先輩に言う。

「(本当だよ?じゃあ今から証明するからちょっと見てて!)」

「(え?)」

なんだ?一体何をするつもりなのだろうか。

すみれ先輩はカバンをごそごそと漁り、中からスマホを取り出した。

「2人とも!昨日の大会の仁の勇姿見たい?友達に撮ってもらってたんだ!」

すみれ先輩は中川先輩と田島先輩にスマホを指差しながら自慢げに言う。

「見たいっ!!!」

「...見たいです〜」

田島先輩がかなり食い気味に返答し、中川先輩はそれに少し引きつつ返答しているようだ。

それにしても田島先輩息荒すぎせんかね?

「ほら、はかま姿の仁だよ?カッコいいでしょ?あ、ほらここの少し屈んだところ胸チラしてる!」

....本人の前でやめてくれませんか?俺だから良かったけど普通の男にやったらブチ切れられてますよ。まあ俺だからやってるんだろうけども。

「む、胸...。ぶ、ぶふっ...」

田島先輩は顔を赤い絵の具をブチまけたくらい赤くして、鼻血をぶっと出した。

あぁ...この人はむっつりだな。うん。
中川先輩は「あらあら」と少し頬を赤らめているものの余裕がある感じだ。

すみれ先輩が「ほらねっ?」って感じでサムズアップをしてくる。
疑ってすみませんでした。


そんな楽しい登校を経て、俺は学校に着いた。

下駄箱を開けると、例に漏れずラブレターが数枚入っている。
そうなのだ、俺は最近ラブレターをかなりの数貰っている。まあ、この世界の現状と俺の容姿を考えればそれも当たり前なのだと思う。しかし、しかしだ。俺はきちんと俺を愛してくれ、尚且つ俺もきちんと相手を愛すことができなければ恋仲にはなりたくないのだ。ハーレムは作りたいが見境なしは嫌だ。
そのため、告白に対しては丁寧に断り、まずは友達から始めようと全員に言っている。お互いを知ることから始めるのだ。しかし、みんな振られたというのに嬉しそうに帰っていくのは何故なのだろうか?よくわからん。

こうして1年1組の教室に着き、いつも通り笑顔で朝の挨拶をクラスメートたちにしていく。

見渡してみるが聖也はまだ来ていないみたいだな。...クラスのもう1人の男子、細田くんは相も変わらず席で読書だ。そろそろお喋りしたいな。


「ま、前原くんおはよう」

俺が細田くんをどう攻略しようか策略を巡らせていると、クラスの女子の森山さんが挨拶しにきてくれた。

「おはよう」

もはや十八番となりつつある笑顔をかましながら俺は挨拶を返す。

「ね、ねえ前原くんちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」

「ん?どうしたの?」

普段はクラスメートが向こうからあまり話しかけてくれることはないので少し嬉しかったりするのは内緒だ。

「こ、これ前原くん、だよね?」

そう言ってスマホを見せてくる。

ん?俺?

俺はずいっと顔を寄せ注視する。
スマホの画面に映っていたのは....

『キィイイン!
ズパァンッ!』

.....昨日の大会の俺が競技してる最中の動画であった。

な、なぜこんなものを弓道部でもない森山さんが?

「こ、これどうしたの?弓道部の誰かから貰ったとか?あ、美沙かな?」

「ううん、違うの。昨日の夜スイッターを見てたら『超絶美少年の弓道動画!是非見て欲しい!  #よだれもの』っていうスイートとこの動画が回ってきたの...それで見てみたら前原くんにすっごく似てたからもしかしたらと思って...」

なん...だと?大会は昨日だぞ!?その日のうちに回ってたのか?
まさか学校みんなにもう回ってる?なんか!なんか恥ずかしい!

「そ、それでこれ前原くんなのかな?」

「...うん、それは確かに僕だよ。昨日の大会の時の動画だね」

「っ!!やっぱり!前原くん!」

「はいっ!?」

ギュイン!っと顔を弾丸みたいに打ち出してきたのでビックリしてしまった。

「ものっっっすごくカッコいいよ!なんていうか凛々しい感じ?前原くんって普段はポワポワ優しい王子様って感じじゃない?いつも笑顔でニコニコ挨拶してくれて喋りかけても嫌な顔一つしないし!でもこの弓道動画の時はキリッとした俺様系王子様みたいな?ああ、罵って欲しい!みたいな?普段のゆるふわ系前原くんも好きだけど、この動画の俺様系前原くんも好きだよ!それにしても前原くんって綺麗な顔してるよね?髪もサラサラだし。女の子よりもキレイでカッコいいって一体どういうことなの?なんか羨ましい超えて理不尽な存在みたいな?でもでも私はそんな前原くんがいいし、これからもそのままの前原くんでいてほしいと思ってるんだよ。えへへ恥ずかしいな。ついに本心を打ち明けちゃった。でも前原くんはモテるから私なんか眼中にないよね?それでも私は構わないと思ってるよ。前原くんの頭の隅っこに存在を許されるだけで十分だよ。それだけで私はこれからも生きていけるんだから。そんな無欲な私でもこの動画を見ちゃったらちょっと欲が出てきちゃったよ。ねえ前原くん?あ、あとね.....」


...なに?こ、怖い。何これマシンガントークって域じゃないぞ!
目もハイライトが消えて黒いし、これ、ヤンデレってやつか!?そうなのか!?
森山さんってそうだったの?挨拶くらいしか話したことなかったのに....。
な、なぜここまで状況が悪化するまで気付かなかったんだ!俺はまだまだ力不足だ...!


.....未だにトークを続けてる森山さんを一体どうしよう......。

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コメント

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