俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい

めんたま

中川眞二

俺はその日、中川先輩の家の前に身を潜めていた。家族には学校に行くと言って家を出てから、スマホで学校に欠席連絡をしておいた。まあ、ズル休みだな。なんで俺がそんなことをしているのかというと、例のクズ、中川眞二を見つけ、ある作戦・・・・を実行するためだ。後は真偽の確認だな。姉さんの気になる人は本当に先輩の兄の中川眞二なのか、それと本当にクズなのか、ということの確認だ。

中川先輩には事前に中川眞二の写真を貰っている。これで万が一の人違いをする心配もない。何をするつもりなのかあまり先輩は深く聞いてこなかった。兄のことはなんとも思っていないのかもしれない。

家の前で待つこと数分、ガチャッとドアが開き、ダルそうにアクビをしながら大柄の男が出てきた。
....間違いない。あれが中川眞二だ。
顔は普通、だが服装が乱れていてダラシない。あと筋肉がすごくついており、かなり鍛えていることが伺える。

俺は中川眞二を尾行する。こいつの悪事の真偽を確かめるのだ。

そこで俺はチラッと後ろを確認する。
よしよし、ついてきているな・・・・・・・・

そんなことをしていると、中川眞二がスマホを取り出し誰かに電話をし始めた。よく聞こえないが、「ーーーーに来い」「はやくーーー」などと聞こえる。どうやら人を呼び出しているようだ。

数分で、ヒョロヒョロした弱そうな男が来た。....来るの早いな。

中川眞二はそいつの肩をガシッと掴み歩き出した。
なんだ?なんで呼び出した?ただの待ち合わせだったのか?

思考を繰り広げていると、段々と人気のないところに来た。....におうな。

ここは、シャッター通りか?人が全然いないな。注意深く中川眞二を観察していると、奴がキョロキョロと辺りを見渡し始めた。なんだ?  人がいないことを確認しているのか?

そして、スッとヒョロヒョロした男と細い路地へと入っていった。
これは、当たりかもしれない。

俺はニヤッと黒い笑みを浮かべながら、小走りで細い路地へと向かい曲がり角から顔だけを出し、中川眞二たちの様子を伺う。

すると、

「ほら、いつも通り金を出せよ。どうせ男ってだけで小遣い貰いまくってんだろ?なあ?」

「そ、そんなことないよ」

中川眞二がヒョロ男の胸ぐらを掴み、壁に押し付けながらそんなことを言っていた。

ビンゴっ!!
俺は小さくガッツポーズする。悪事の真偽は確認できた。

中川先輩に、中川眞二が最近金が足りずイライラしてると聞いていたから、近々カツアゲするかもとは思っていたが、初日からしてくれるとは。

さて、そろそろヒョロ男くんが気の毒だ。

作戦開始するか。


「お、おいっ!」

俺はわざと気弱そうな男の子を演じながら中川眞二のすぐ横に飛び出す。

「っ!!チッ、人がいたのか」

中川眞二が舌打ちをしながらこちらに振り向く。

「....なんだぁ?クソガキじゃねえか」

人に見つかったことにより少し焦っていた様子だったが、俺が気弱そうな男の子だと知りニヤニヤとした顔に変わった。幸い俺は童顔だからな。中学生くらいだと思われても不思議ではない。

「おいおい、ガキが来ていい場所じゃねえよ。今なら許してやるからさっさとどっか行け」

いや、そういうわけには行かないんだなこれが。

「お、お前が中川眞二だな」

俺は勇気を振り絞った感を出しながらそう言う。我ながら中々の演技力だ。

「....そうだが。お前は?」

中川眞二は俺を少し警戒したようだ。あ、ヒョロ男が隙を見て逃げ出した。中川眞二はそれを見て、チッと舌打ちをし、こちらに向き直る。

「で?お前は誰だよ」

ヒョロ男に逃げられたことが気にくわないのか苛立たしげに中川眞二はそう問う。

「ぼ、僕の名前は、前原仁。前原茄林の弟だ!」

「前原だあ?...あぁ、いつだったかイラついてたから怒鳴り散らしたかった時に、女共に囲まれてた奴がいたから、気まぐれに怒鳴って助けてやった女の名前が確かそんな感じだったな。最近妙に懐いてきたな」

「そ、そうだ。姉さんはお前のことを気に入ってた。だから、そんなカツアゲみたいなことはやめろ!姉さんが悲しむだろ!」

刮目せよ、姉のために健気に頑張る弟の演技を。涙が出るだろう!?

「く、くははっ!いいねぇ、その正義感。だが、残念。俺は近々あの女を犯すつもりだ。さんざん苛め抜いた後に、あっさりと捨ててやるよ。俺は男だからなぁ、女に不自由はしないんだよ。お前の姉貴を捨てた後はまた違う女で遊ぶだけだ」

....やばいキレそう。落ち着け、キレると演技ができなくなる。まだ時期じゃない。

「ね、姉さんにお前の本性をばらす!そしたら、もう悪さできないぞ!」

「どうせ、俺に嫉妬した弟の下らないでまかせだと一蹴されて終わりだよ」

「...くっ!お、お前なんかに!姉さんはあげない!うあああ!」

俺は悔しげに顔を歪ませながら、中川眞二に突っ込む。

「泣かせるねぇ」

中川眞二はそう言いながら俺の胸ぐらを掴み、宙にぶら下げる。

「は、離せ!」

「あぁ....話してやるよ。おら、よぉ!!」

バキッ!!

と鈍い音をしながら俺は殴られた。
2メートルほど吹っ飛ぶ。

「うぅ...」

...やっぱ痛えな。

「二度と口ごたえできねぇようにしてやるよ。今からお前をボコるけどよぉ、周りの奴らに何があったか聞かれても、絶対俺の名前出すんじゃねぇぞ?もし言ったら、殺すぞ?」

パキパキと拳を鳴らしながら俺を見下す中川眞二。....ちょ、ちょっと怖いかな。

「おらぁ!まだまだいくぞ!」

ドゴッ!バキッ!

肉と肉がぶつかり合う不快な音が路地に響く。服もボロボロだよ。

......そろそろ来てくれ、さすがにきつい。

と思った瞬間。



「じ、仁っ!!!!」


姉さんが叫びながら飛び出してきた。

ははっ、作戦通り。
俺はニヤリと笑った。

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コメント

  • べりあすた

    びゅーてぃふぉー

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