俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい

めんたま

莉央ちゃんとのデート 後編

俺の前に並び立ついかにも遊んでそうな風貌の女子達。普通の男ならこんな女の子たち相手にしないが、莉央ちゃんと親しげにいる俺を見ていけると踏んだか?

「すみません。ありがたい誘いなのですが、今は別の子と遊んでますので。また、次の機会にでも」

不安そうにこちらを見ていた莉央ちゃんを肩に抱き寄せてそう言った。莉央ちゃんはとても嬉しそうに微笑んでいる。

「えっ?遊んでるってそこの地味な女と?君みたいな子とこの女は釣り合わないよ〜。私たちと遊んだ方が絶対楽しいって!」

「うんうん!その通りだって!」

そんなことを言う女の子達。なんだこいつら莉央ちゃんのこと馬鹿にしてんのか?

「いえ、この子はとても素敵な子です。では失礼します。いこ、莉央ちゃん」

そう言って莉央ちゃんの手を取りその場を離れようとするが、

「おい待てよ!」

そう言って莉央ちゃんの肩を掴む女の子。...しつこいな。

「お前みたいな芋くせえ女がこんな男と仲良くできるわけねぇだろ?どうやって脅して遊んでもらってるんだ?それとも金か?」

女の子達の口調が変わった。本性を出したということか。ってか、何言ってんだこいつら。いい加減キレそう。

怯えたような目をする莉央ちゃん。

「おい、いい加減に....」

俺が女の子達を止めようとした瞬間、

「なんか言えよおい!このブス!」

1人の女の子がそう言って、莉央ちゃんを突き飛ばし莉央ちゃんは尻餅をついた。





.....あ?

その瞬間、俺の中の感情を抑える何かが切れた気がした。


「おい、お前何してんの?」

俺はそう言って、莉央ちゃんを突き飛ばした女の子の前に立つ。この時俺はどんな目をしていたのだろうか。女の子がたじろいだのが分かった。

「なにって、そこのブスを....」

「は?お前目腐ってんのか?どう考えてもお前らより莉央の方が可愛いに決まってんだろ。加えてお前らより性格もいいんだよ。わかったら消えろ。不愉快なんだよ。ぶっ飛ばすぞ」

「うっ....」

女の子たちはその場を慌てて去っていった。
....はぁ。キレるのなんか何年ぶりだろうか。ましてや女の子にキレたことなんて初めてかもしれない。....まぁ後悔はしてないが。勢い余って莉央ちゃんも呼び捨てにしちゃった。

俺は莉央ちゃんの元へ向かう。

「大丈夫?怪我はない?」

そう言って手を差し出す。

「は、はい。私は大丈夫です....」

莉央ちゃんは少し呆然としながらも俺の手を掴んで立ち上がる。

「ありがとうございます....」

「ううん。俺のせいだから、ごめんね」

「い、いえそんなことは....」

「その気遣いが嬉しいよありがと。デートとかって気分じゃなくなっちゃったね。残念だけど今日はもう帰ろうか」

「は、はい....」

俺たちはその後会話もなく無言で駅まで歩いた。莉央ちゃんは俺の少し後について歩いていた。
うーん、怖がらせちゃったかな?しょうがないけど、落ち込んでしまうな。

「じゃあ莉央ちゃん。また明日ね?」

「.....」

「莉央ちゃん?」

「....あ、あの!」

「うん?どしたの?」

莉央ちゃんは何かを言いかけるもモジモジとして不安そうにこちらを上目遣いで見つめるだけだ。

.....本当にこの子は。しょうがない子だ。

俺はこの子が、出会って間もないこの子が、どうしようもなく愛しく思えて、自然と抱き締めた。

「あっ....」

「何も遠慮することないんだよ?言いたいことがあるなら言っていいよ」

莉央ちゃんの頭を撫でながら、できるだけ優しい声音を心掛けてそう言う。

「...ッ!わ、わたし....さっき仁くんが私のために怒ってくれたことが、う、嬉しくて....」

「うん」

「最初、あの女の子たちが来た時、わたしもうダメだって、仁くんはきっとこの可愛い女の子たちについていくんだって、そう思いました....」

「うん」

「でもっ!仁くんは、わ、わだしを素敵なごだって!お前らよりがわいいっで!性格もお前らよりいいっで!ぞう、言っでくれまじだ!」

莉央ちゃんは泣きながら顔を俺の胸に埋めてそう叫ぶ。

「うん」

「わだじ!不安だったんでず!!仁ぐんにひどいこと、痴姦しだのに!笑って許してくれたげど、ぞれは演技で!心の中では、わだじのこと、気持ち悪いって!そう思っでるんじゃないかって!」

そんなことを思わせてしまっていたとは....情けない。

「うん」

「ぞれでも!仁ぐんと一緒にいれて、たのじくて!仁ぐんの優しさに甘えでるだけだど分かってても、だのしくで!でもそれが辛くて!今日のデートが終わったら、もう仁ぐんに話じかけるのはやめようって、そう思ってまじだ!」

「....うん」

「でも!!仁ぐんは、さっぎわだしのために怒ってくれまじだ!それがうれじくてうれじくで!もうどうじていいかわからなくなりまじた....」

そう言って俺を見上げる莉央ちゃん。

「教えて下さい仁くん....。わだしは、一体どうしたら....ふむぅ!?」

莉央ちゃんの言葉を全部待たずに、
俺は、

自分の唇を莉央ちゃんの唇に押し付けた。


莉央ちゃんの体が強張ったのが分かる。

10秒ほどたっただろうか。俺はゆっくりと唇を離した。莉央ちゃんの顔はもう惚けきっていて、涙で顔が濡れているのもあって、凄く間抜けに見えてしまった。

「こうすればいいんじゃない?」

俺はそう言って、わざわざ笑顔を作ろうとしなくても、自然と顔が笑顔になった。

「.........ふぇ?」

「あ、あははっ変な声でてるよ。莉央ちゃん」

「ふぇ?ふぇえええええ!?い、今のって、キ、キキキキス!?どうして!?」

 どうやら随分混乱しているようだ。無理もない、俺も何気にこの世界ファーストキスだ。

「........。な、なんでですか?わ私は、仁くんに痴姦したんですよ?それなのに....」

「俺が莉央ちゃんのことが愛しく思えて、辛そうな莉央ちゃんをほっとけなかった。つまりそういうことだよ」

「......そう、ですか」

顔を真っ赤にして俯く莉央ちゃん。

「ごめんね?莉央ちゃんが辛い思いしてることに気づかなくて」

「っ!そんなこと!私は.....」

「うん、分かってる。優しい莉央ちゃんなら僕の謝罪は受け取らないだろうね。ま、莉央ちゃんが痴姦のことを気にする必要はないんだよ。わかった?」

「....はい」

「うん、いい子。じゃあまたね?明日からはまた笑顔の莉央ちゃんが見たいな」

「.....ふふ、本当に優しい人です...。はいっ、また明日ですっ」

莉央ちゃんは笑顔を見せてくれた。
うん、やっぱりその表情が1番素敵だよ。


こうして、莉央ちゃんとのデートを終えた。



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コメント

  • みかん

    波乱の予感

    0
  • べりあすた

    ええこや

    1
  • もっちり

    ヤゾラさん多分それは男性だというだけで推薦貰えるからじゃん?

    3
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