俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい

めんたま

莉央ちゃんとのデート 前編

こんにちは俺だ。別に俺俺詐欺ではない、前原仁だ。弓道部に入部してから数日、今日は日曜日。約束していた莉央ちゃんとのデートの日だ。

   「じゃあ母さん、遊びに行ってくるよ」

  姉さんはお出かけ、心愛は部活でいないので母さんに声をかける。ちなみに俺は部活は休みだ。

「.....」

母さんはというと、昨日の夜俺が女の子と遊びに行くと伝えた時から拗ねてしまいずっと口を尖らせている。可愛い。

「か、母さん。何度も謝ったじゃん」

「....じゃあ行かないでよ」

「それはできないって言ったでしょ?」

「.....」

全く世話の焼けるお母さんだ。

「じゃあ、今度母さんも僕とデートしよう?ねっ?」

「ッ!?ほ、本当?」

「本当だよ。母さんと僕が休みの日に、1日中たっぷりデートしようね」

「ふわ、ふわぁああ!わ、わかった、楽しみにしてるね!」

ふう、なんとか機嫌を持ち直すことができたようだ。

「うん!じゃあ行ってくるよ母さん」

「気をつけてね〜?」

そうして俺は家を出た。

待ち合わせ場所である駅に向かいながらここ数日にあった出来事を思い返してみる。

まず、桐生会長に生徒会には加入できない旨を伝えた。会長はかなり残念そうな顔をしていたが、入りたくなればいつでも言ってくれと言ってくれた。あの人は本当にいい人だよ。

次に部活。最初は新入生と同じ練習をしていたが、右京部長は俺を経験者だと思っているみたいで、一昨日から先輩達に混ざって弓と矢を使った本格的な練習に移行した。この体では弓道をしたことはないとはいえ、前世でのインターハイ三位の実力とこの体のスペックも相まっていきなりレギュラー陣と同等の的中率を出すことができた。もう少し練習を重ねれば、自分のイメージと体の動きの差が徐々に縮まり的中率はもっと上がるだろう。そんな俺の様子を見て先輩たちは顎が外れるほど驚いていたな。あれは壮観だった。


うんうんと頷いていると待ち合わせ場所である駅前の広場が見えてきた。
時計塔の下で落ち合う予定だ。

一応女子を待たせるのもなんなので、待ち合わせ時間の1時間前に来た。ふっ、この心遣いはこの世界の男子では真似できまい。

ドヤ顔をかましながら時計塔の下へ赴くと、そわそわしている黒髪ロングの女の子が1人。

なん...だと?
1時間前だぞ?さすがに早すぎないか?いやお前が言うなって感じだけども。

「り、莉央ちゃん!ごめん、待った!?」

名前を呼びながら小走りで近づくと、莉央ちゃんはこちらを見て嬉しそうに目を細めた。

「いえ、今来たとこです」

うむ。テンプレで返してくるな。

「それにしても莉央ちゃん来るの早いね!」

「男の子を待たせるわけにはいきませんから!」

えっへんと胸を叩く莉央ちゃん。
....なるほど、この世界ではそういう発想になるわけね。

「そっか、ありがとね。とりあえず移動しよっか。ご飯まだでしょ?どっか食べに行こうよ」

「は、はい!それなら私が考えていた店があるのでそこに行きませんか?」

「わかった、じゃあそこに行こっか」

「はいっ」

ちなみに今の服装は、俺がスキニーパンツに灰色のシャツを着て、その上から白いリネンシャツを羽織っている感じ。アイテムとしてリングネックレスも首にかけている。莉央ちゃんは、シンプルな青いシャツにフレアスカート。後最近流行っているウエストマークと呼ばれる、軽く腰にベルトを巻くようなファッションをしている。お洒落さんだな。

「そういえば、この間クラスの女子達に連行されてたけど大丈夫だったの?」

いつものように周りから視線を浴びせられながら、そのことはあまり気にせず、莉央ちゃんの横に並び歩きながら尋ねる。

「あぁ、奴らですか。ふふん、デートの日にちと場所をしつこく聞いてくるので1週間ずらした予定を教えてあげました!ざまあみやがれですぅ!」

実に楽しそうにそんなことを語る莉央ちゃん。うむ、腹黒い。でもそんな姿も可愛いよ。

「あっ、すみません私ったら。殿方を前に汚い言葉を使ってしまいました」

「全然大丈夫だよ」

「ありがとうございます。あっ、着きましたここです」

着いたのは、Blenという名前のカフェだった。読み方はブレンかな?

「ここのパスタが美味しいらしいんですよ」

なるほど。確かに店内はお客さんが結構入っている。

「では入りましょう仁くん」

俺と莉央ちゃんはドアを開け入店する。

カランカラン
「いらっしゃいま...せぇええええ!?」

レジにいた店員さんは俺を見た瞬間奇妙な雄叫び、いや雌叫びをあげた。
お客さんもみんなこちらを見て固まっており、店内は物音1つしない不思議な空間に成り代わった。

気まずいよ、とても。店員が再起してくれないとどうしていいか分からないじゃないか。そして、なんで莉央ちゃんは「うんうんその気持ちわかります」みたいな感じで頷いているんだ。

「あ、あの」

この雰囲気に耐え切れずレジの店員さんに声をかけた。

「は、はい!?ご、ごめんなさい、決して男性器を凝視していたわけではありませんごめんなさい!」

oh....。

「そ、そうですか。席に案内してもらってもいいですか?」

「は、はい畏まりました。野郎共ぉ!天使様の入場だ!心して仕事にかかれぇ!」

「「は、はいっ!」」

なんだこの店員さん。店長だったのか。

「で、では私がご案内します」

そうして奥から別の店員さんが出てきた。レジにいた店員さんはニコニコしながらこちらを見ている。案内してくれるのはあなたではないのか。そうしてふとレジの店員さんの名札を見ると、「矢沢:アルバイト研修中」と書いてあった。


....お前新人かよ!!だから席案内を他の店員さんに任せたのか!ってか新人なのにさっき、「野郎共ぉ!」とか言ってたのこの人!?しかも、席案内すらまだできないって下手したら今日がバイト初日とかそういうレベルの新人でしょ!矢沢さん無茶苦茶おもろいやん!


こうして食事を終えた俺たちは、その後カラオケやボーリングやゲームセンターなどに行き、今はゲームセンターの横にあるベンチに腰掛けていた。

Blenの料理は美味しかったし、莉央ちゃんは歌が上手かったです。ついでに俺も何故か前世よりかなり歌が上手くなっていた。莉央ちゃんがすごく興奮していたな。

「あ、この仁くんとても可愛いです!」

今はゲームセンターで撮ったプリクラを見ながら盛り上がっている。
莉央ちゃんが楽しそうで本当に良かった。そう思っていると、


「ねぇそこの君、こんにちは。無茶苦茶イケメンだね。私達と遊ばない?」

そう言って俺の前に立つ3人の美少女たち。



....ナンパかな?

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コメント

  • みかん

    逆ナンww

    0
  • ノベルバユーザー302703

    素晴らしい…ただただ素晴らしい。

    1
  • ノベルバユーザー186807

    才能の塊かな?

    4
  • コスモ

    更新が早く素晴らしい。

    6
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