俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい

めんたま

弓道部

俺はなんとか右京部長に入部を許してもらい、今福岡先生と右京部長について歩いている。そんな俺の胸中とは、

恥ずかしい!!!何をヒステリックに叫んでるんだ俺は!!ラノベ主人公かお前は!

あの時、俺は前世のこと、車に轢かれ死んだ瞬間のこと、こっちに来てから自重しないと誓ったことを思い出していた。するとなぜか気分が昂ぶってあんなことを口走っていたのだ。

俺が顔を真っ赤にしてチラッと前を伺ってみると、福岡先生と目が合った。福岡先生はニヤニヤしている。....どうやら細かい事情は分からないにせよ、俺が圧倒的な羞恥を感じているという大まかな心情は察しているようだ。

先生が俺の隣に並び小声で話しかけてくる。

「(いやぁ、素晴らしい演説だったわよ前原くん。まるで物語の主人公みたいだったわ)」

からかうようにそう言ってくる。本当に!この人は!

「(ほっといてください!僕だって言いたくて言ったわけじゃないです!)」

先生と言い合いしていると、右京部長がこちらに振り返った。

「そろそろ弓道場につくぞ....ってなに話してるんだ?」

どうやら弓道場につきそうなことを報告してくれたらしいが、俺と先生が小声で話してるのを見て訝しんでしまったようだ。

「い、いえ何でもありません!」

「そうか?じゃあついてきてくれ。部員達の元へ案内しよう」

なんとか誤魔化せたようだ。

弓道場の入り口から中に入る。おっと、一礼と。ペコッと上座に向かって頭を下げる。弓道場に入る時は一礼する必要があるのだ。

「....へぇ、やっぱり前原は経験者のようだな」

「あ、あはは」

右京部長にそんなことを言われたので曖昧に笑い返しておく。

部長とそんなやり取りをしていると、弓道部の部員たちがこちらを見てザワザワしているのが分かる。

「みんなすまん!少し練習を止めて、整列してくれ!」

右京部長がそうみんなに声を掛ける。

「「はい!」」

元気の良い部員たちの返事。
うん、懐かしい。

部員たちが4人ずつ5列の体系に整列した。

俺と部長、福岡先生はその前に並ぶ。部員たちが俺をガン見しているのがよく分かる。今までもガン見されたことはあったが、こう一斉にやられると少し怖いな....。

「みんなに紹介したい。新たな新入部員だ」

「は、初めまして1年の前原仁と申します。この度弓道部に入部することになりました。よろしくお願いします」

俺は自己紹介をした。

「ええっ!?」「ちょ、あれって噂の天使だよね?」「なぜ弓道部に....むちゃくちゃ嬉しいんだが」「マジか!わたしテンション上がってきたっ!」「神のご降臨だ!控えよ!」

どうやら概ね俺の入部には好意的なようで一安心だ。っていうか俺を神と呼ぶ人、弓道部だったんだね。

「静かに!」

部長の一声で、その場が静まる。

「前原が入部するにあたって、いくつかいっておくことがある。まず1つ目、部員制限をすることにした。前原が入部した今、これからどんどん入部希望者が増えるだろう。そのほとんどは前原目当てだ。これは私がきちんと面接を行い、本当に弓道がしたいのか、ただの前原目当てなのか見極める。2つ目、部員以外の弓道場の立ち入りの禁止をする。恐らく部員外の生徒が練習中に前原を一目見ようとこぞってやってくるだろう。そうなれば練習に集中できなくなる。そのための措置だ。3つ目、男が入って来たからといって浮かれるな。むしろこれまでより気を引き締めて練習するように。以上だ!」

「「はい!」」

むむ、やはりかなりの迷惑をかけてしまうようだ。

「ご、ご迷惑をおかけしますが!これからお世話になります!」

「全然いいよぉ」「ふ、ふへへ」「練習頑張ったら前原きゅんからご褒美とかあるのかな?」「「!?」」「私、練習倍に増やそうかな」「弓道は精神の安定が何より重要。前原きゅんを私の精神的支柱にしよう」

なるほど....。俺のせいで興奮してパフォーマンスが乱れるとも思っていたが、俺を精神的支柱に、か。そんな考えもあるんだな。これを思いついた人物は一体.....



ってか片岡先輩じゃねぇか!


こうして俺は弓道部に無事入部したのだった。

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