鏡の向こうで

白峰 ミコ

3話

本の部屋

木の扉を開けると中は書斎になっていた。
本棚が2つに机とイスがひとつずつ、机の上にはラテン語の辞書がおかれており、ラテン語の辞書には良く使われた形跡がある。
前に居た住人はラテン語の辞書を何かに使っていたのか?

一つ目の本棚

いろいろな生物についての本がたくさんある本棚。特にめぼしい本は無い。

二つ目の本棚

古めかしい本がたくさん並んでいる本棚。
本を手当り次第に確認していくと、ラテン語で書かれた古めかしい本が見つかった。
辞書はこの本を解読するために使ったのだろう。

古めかしい本、タイトル【魔術書<妖蛆の秘密>】

俺は怪しいと思いつつも本を開く。
ラテン語で書かれているため、内容など理解することはできないはずだが、ページをめくるごとに頭の奥底でおぞましい何かか話しかけてくる。

《神格との接触/バイアティス》
《神格との接触/イグ》
《冥王星の薬》
《水晶占いの窓の創造》
《ゾンビの創造》
《魔物の覚醒》
《山羊の子の覚醒》
《不可視の下僕の覚醒》
《プリンのアンサタ十字》
《精神転移》
《亡霊に命令する》
《ヴールの印》

なぜか俺は、この本に書かれていることの内容を理解できてしまっている。
いやホント、無理矢理頭の中に知識を詰め込まれてくる様で。
気持ち悪い実に実に、不愉快な情報が注がれてくる。
いやはや、頭痛が痛い。

ヤバイ本だと思いつつも、パラパラとページをめくっていく。すると、挟まっていたメモが一枚床に落ちる。
拾い上げたメモは日本語で書かれていて、その字はどこか自分の字によく似ている。というより、自分の書いた文字だ。

日本語のメモ

この呪文は、対象と半永久的に精神を交換する呪文である。
この呪文は本来多くの魔力と精神力を消費するが、以下の二つの条件を整えれば少しのコストで発動することができる。

1、対象と三等親以内の血族であること

2、対象と目を合わせること

2つの条件が揃えば対象との精神の対抗を行わず呪文をかけることができる。
ただし、もう一度入れ替わることはできない。
しかし、呪文をかけた者が死んだ場合のみ、対象の精神は元の体へと戻る。

そのメモを読んだ瞬間、この呪文を理解した。
まあ要するに、やり方を覚えた。

それだけで、他に見つかるものは無かった。

とりあえずこのヤバイ本は、本棚にしまって見なかったことにしよう。
アレを読み続けたら、正気じゃいられなくなる。うん、そんな気がする。

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