クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった

名無しシャン

第54話「夏休み突入」

 あれからしばらく経ち、特にすることもなく夏休みを過ごしていた。
 前世では、夏休みといえば学生には必ずついてくるものがあった。真面目に毎日少しずつやれば、最終日には必ず終わっているという伝説を聞いた事がある。
 小中高と最終日に地獄を味わっていた自分には、その伝説の真偽は知らない。
 しかし、中学校時代に第3の人が居たのは覚えている。自分がいた中学校は夏休みの宿題の範囲と問題集的なものが、1に配られる。
 おそらく察しがついただろう。夏休みが始まると同時に宿題は終わっているという奴だ。
 そいつは、最終日やその前日になると地獄の真っ最中な奴の元に宿題を持ってきて、写す作業を手伝いにくる。
 ここまでなら普通に良い奴っぽく聞こえるが、世の中はタダでは回らない事を教えてくる。一種類幾らという話しになる。

 まぁ、そいつの事はさておき、いきなりこの話をした事には意味が、、

「ルル、さっきから一人で何言ってるの」
「宿題についてだよ。というか、姉さん、聞いてたんだ」
「そういえば、夏休みの宿題を最初に聞いた時、転生人の全員が喜んでたって聞いたけど、なんで?」
「前世が学生って呼ばれていて、制度はほぼ同じって言ったよね」
「確かに言ってたね」
「夏休みもあったんだが、数少ない違いの中の一つである、宿題のせいだよ」

 31日の地獄を思い出すように言う。

「そんなに難しかったの?」
「難しかしさは普通だけど、量がね」
「多かったんだ。でも、それなら毎日少しずつやればいいんじゃ」
「それはそうだけど、やる気が起きなくて。最終日には殆ど白紙なんだよ」
「まぁ、量が多かったのが普通だったけど、宿題が少なくて喜んでたって事なんだね」

 学院から夏休みにあたって宿題が出された。
 しかし、その内容はほぼ全て自由課題。提出の自由なものばかりだ。
 と言っても、提出したらその分クラス替えの時に少し加点されたりするが、ほんとに僅かだから毎年やる人は片手で足りるらしい。
 片手で足りる中で、全部をやってくる人はいないのだとか。

「でも、学院から唯一の必須の宿題が出てるでしょ。それはどうするの?」
「それなんだよな、どうしようかな」

 提出が自由な宿題の中で、一つだけ提出の宿題がある。
 それは、『何らかしらの手柄や功績を挙げ、証明すること』っというものだった。
 これの内容としては、人助けや討伐、研究成果などが当てはまる。そして、俺とリアを除くレビュート家との対決で1分半保てば、それで課題クリアとなるというものがあるが、毎年やる人はいないのだとか。

「レビュート家に挑むってやつは、レビュート家の者は対象外なんだろ」
「そうだね。まぁでも、この課題1年生だけだし。2年生からはなくなるからね」
「そうなんだ。姉さんが前に学院に居た時は何やったの」
「闘技場の出入り口にある、外見を戻す膜みたいなやつだね」
「あれって偶然の産物なんじゃ」
「運も実力のうちっていうじゃん」

 恐らく、姉さんはこの宿題はでていないだろう。1度やっているのと、戻す膜っぽいものの利便性は、今回の分を入れてもお釣りがでるぐらいなのだろう。

「で、ルルは宿題何にするの?」
「本当にどうしようかな?」

 夏休みの自由研究を考えているみたいだ。内容はだいぶ違うが。
 リアは何をするのか聞いていないが、恐らくまだ決まってないだろう。後で一緒に考えるか。

「リアちゃんならやる事決めて、昨日から準備してるよ」
「えっ、何するの⁉︎」
「お父さんやお母さん達がやった特訓を書き出して、解説して一般的に可能なものにする、っていうのらしいよ」
「まじか。リアは決まってるし、姉さんは宿題無いしで、後は俺だけじゃねーか」

 どうしようかと思っていると、出掛けていた親父が帰ってきた。
 何かいい案がないか聞いてみよう。

「ただいま」
「おかえり。帰って来てすぐであれなんだけど」
「宿題の事だろ。さっき、帰ってくる途中に新しいダンジョンを見つけた。で、王国のギルドに報告して来た」
「そうだけど。で、そのダンジョンって難しそうなの?それとも、最下層までが長そうなの?」
「どっちもだな。上の方の階層なら弱いがかなり深くまでありそうだし、徐々に強くなって行くだろうな」
「中は見たんだ」
「ざっくりと50階層ぐらいまでな。まだ下に階層がありそうだったな」

 この世界にはダンジョンと呼ばれるものがある。
 ダンジョンは一定の条件で発生するようになっているのだが、ダンジョンによって発生条件が違うのでランダムと言っていい。
 新しく発生したダンジョンは、見つけ次第ギルドに報告するのが決まりなのだとか。しかし、第一発見者は1番初めに入る事が許されている。
 この時の第一発見者というのは、ギルドに報告した人の事を指す。
 形式としては、前世のゲームみたいな上がっていくパターンではなく、どんどんと下の階層へと向かっていくパターンだ。
 この世界のダンジョンは階段から下に降りるのだが、階段を降り切ってしまうと、階段を登ると一階まで戻される仕組みになっている。

「で、だ。レベル上げが全然出来てないからレベル上げついでに、ダンジョン攻略してこい」
「えっ、ダンジョン攻略ってついでなの」
「ああ、ついでだな。で、パーティは組まずにソロでやってくる事」
「は?トラップとか索敵とかは?」
「自分一人で出来るようになっておけ」
「確か、ダンジョン攻略ってギルドにで冒険者登録してないと出来ないって」
「登録すればいいだろ」
「学院生は学院の許可が無いと出来なかった気が」
「レビュート家には対象外の校則だ」

 どうやら行くしか無いようだ。
 まぁでも、クリア出来れば宿題も終わるし行く事にするか。

「わかったよ。登録して行ってくる」
「王国のギルドからの方がダンジョンは近いから、そっちで登録すればいいぞ」
「わかった。王国のギルドからだね」

 決まったからには早速行動に移そう。
 30分後に出て王国に向かうようにしようか。

 そしてルルは準備に向かった。


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コメント

  • 小説書いてみたいけど内容が浮かばない人

    冒険者(*・ω・*)wkwk

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