クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった

名無しシャン

第51話「説明と帰宅と戦争準備」

 
「とりあえず、全員終わった事だし、帰るとしようか」
「そうだね、明日には本気で戦わないといけなそうだし」
「ライの、相手、1組。明日、来るかも」

 俺、リア、姉さんが話していると、戻ってきたライが話しに入ってくる。

「ヘイレッドには、招待状は出されてないと思うよ」
「なんでだ?」
「ルルに渡した紙には、ルル以外の39人の名前が書いてあったはずだよ。これは、元クラスメイトで時雨以外を書いておいたんだ」
「前世の元クラスメイトの数を頼りに、全員分の固有スキルとかを集めたのか」
「その通り」

 1組に存在がない生徒が何人いるのか、最早わからない以上、影響のない前世で調べてくれたのは良かった。

「じゃあ、1組って何人いるのか分かる?」
「35人だったはずだけど」
「その人数は正確か?」
「どうだろ、姉さんや先生に聞いたら確実だと思うけど、恐らく合ってると思うよ」
「で、元クラスメイトは40人。転生人は39人。1人足りないんだよ。そして、招待状は1組と俺とシア、ディルの38人にいっているんだ」
「待て、その足りない1人はどうしたんだ?」
「その1人が、ヘイレッドだよ。どうやら存在感を操る事が出来るらしい」
「それだったら1組は36人になるんじゃ」
「陰が薄くしたりするのも含まれるんだけど、他にもこの世界に自分が居たという証明になるものまで操るのだとか」
「ちょっと待って、私には意味がわからないんだけど」

 帰る用意をしながら、俺たちの話を聞いていた姉さんが話しに入ってくる。

「説明してほしいんだけど、その前に学院を出ましょう」
「確かにそうだな」

 ライの試合が午後からだったのもあり、時間的には3時頃になっている。
 各自数少ない荷物を纏めて学院の出入り用の門に向かう。筆記の方の人達は帰っているからか、門の周りや近くには人はいないが、出きってしまうと馬車待ちの生徒が数人ちらほら見える。

「とりあえず、説明してもらっていいかしら?」
「そうだね、セリアさんはどこまで知ってる?」
「ルルとライ君とシアちゃんとディルが、前世は学生ってやつでそこで同じクラスだった、って事はルルから聞いたわ」
「その学生ってやつは、この学院に通ってる生徒みたいな感じ。で、僕たちのクラスメイトは40人居て、全員がこの世界に転生してきたんだ」
「なるほど。で、さっきの39人がどうたらって話しになるのね」
「その通り。それじゃあ、セリアさんも理解した事だし話しに戻ろうか」

 姉さんは理解したようだけど、リアは首を傾げている。姉さんがそれを見てリアに説明をしている。

「最初に、ヘイレッドに招待状が出されてないって言ったけど、本人が学院に入ってからずっと存在を消していた、って言ってたからいない人には招待状は行くはずがない。試合前に、1組にヘイレッドなんて名前が無かった気がしたから聞いたんだ」

 いまいち聞き取れなかった、あの会話はそんな内容だったのか。
 その会話の中には疑問になる事が混ざっていた。

「調べてる時に、1人足りない事に気がついて気になってたんだよな。でも、ルルへの報告が優先だったから招待状が送られた人だけ調べたよ。まぁ、ヘイレッドには、招待状が送られてないから関係ないけどね」

 ライは軽く笑っているが、聞いておかなければいけない事がある。試合の内容について、ではなくだ。

「ライ、固有スキルとかを調べたのっていつぐらいだ?」
「えっと、確か1〜2ヶ月前だと思うけど、なんで?」
「質問には後で答えるけど、それまでに答えが出ると思う」
「わかった」
「ヘイレッドは学院に入学してから、ずっと存在を消していたんだな?」
「本人はそう言ってたけど」
「俺が決闘を申し込まれて、俺が勝ったのは覚えているか?」
「入学してから数日で起こしてたから、覚えているよ」
「......じゃあ、俺の相手は?」
「ルルの相手っていったら.....あれっ、誰だっけ」
「どうやら、存在が消えている奴はヘイレッド以外に居るみたいなんだ」
「そうみたいだね。でも、今回のに関係ないだろ」
「そうだったらいいんだが。まぁ、ついでに話しとこうかな」
「まぁ、一応聞いておくよ」

 ライにはある程度消えている生徒についての周りの様子や、話しに食い違い、クラス内の生徒数などに間違いがないという事を伝えた。
 決闘内容やその前後の会話は消えていなかった。そして、その会話からライもその消えた生徒と戦ったのではという流れになり、そして1組である可能性が高いという事になった。

「しかし、1組はヘイレッドを入れて36人。これに間違いはないはずだが」
「そうだな。でも、他のクラスも在学中生徒の数と、実際に数えた生徒の数は一致している。人数はあてにはならない」
「そういえば、ヘイレッドが存在感を消してない時は1組は36人でいいんだよな?」

 ただただ、素直に疑問に思ってライに聞いてみた。

「ルル、1組は35人だぜ。ヘイレッドとかいう奴は誰だ?」
「.....そういえばそうだな。ヘイレッドって誰だ」
「いや、お前が言ったんだろ」
「そうだったな。なんで言ったんだろうかな」
「まぁいいや、消えた生徒についてはその内分かるだろ。話す事話したし帰るとしますか」
「そうだな、また明日には会うかな」
「そうだな、正常な自由意思があるかはわからんが」
「大丈夫だろ。意識が戻ったら、早めに離れてくれよ。巻き添えくらうからな」
「そうするよ。それじゃ、シア、帰ろうか」
「はい、兄さん」

 ライとシアは腕を組みながら門を出て左に行く。
 俺はリア、姉さんと一緒に森の中を通って家まで帰った。


 家について扉を開けると母さんとレナさんが迎えてくれる。

「「「ただいま」」」
「おかえり」
「よく帰ってきたな、とりあえず入れよ」

 家に入り、リアはレナさんとキッチンの方へ、姉さんはセラさんの部屋に入っていった。

「さて、明日の準備でしとく事ってなんだと思う?」
「町の人の避難とか?」
「それなら、少しずつやってるわよ。あまり大げさにはできなかった少しずつ、子供や老人なんかを優先にね」
「じゃあ、ないかな。そういえば父さんは?」
「多分、もうすぐしたら帰ってくると思うよ」
「じゃあ、明日の流れだけ纏めて今日は寝るよ」
「そう、わかった。それじゃあ、ハゾメさんが帰ってくるまで待ってましょうか」

 しばらく待っていると扉が開く音がした。
 帰ってきたのだろうから出迎えにいく。
 出迎えにいくと、血塗れの親父が立っていた。親父自体には傷がなかったので返り血だと分かる。

「いや〜、まさか自爆するとは思わなかった」
「父さん、おかえり」
「ただいま」

 俺が親父とリビングに入ると、いつのまにか全員が揃っていた。
 そこから、明日の流れを確認した後、明日に備えて各自行動することになった。
 親父は明日、朝から帝国に行って出来るだけ早く帰ってくる。そして、その間は時間稼ぎか倒してしまうかという単純な流れだった。
 そして、俺は寝るため自分の部屋のベッドに入る。いつもの如く布団を捲るとリアと姉さんがいるが、もう慣れた。

コメント

  • 小説書いてみたいけど内容が浮かばない人

    ライが『ヘイレッドって誰だ?』的な事を言った時にはヘイレッドは存在感を消したんですかね?

    0
  • ペンギン

    慣れって怖いですね...w

    0
  • ノベルバユーザー69968

    学生は今もだし「ってやつ」という知らないのは不自然だと思います。この異世界で知らない単語は、高校生じゃないですか?

    0
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