クラス転移キターっと思ったらクラス転生だったし転生を繰り返していたのでステータスがチートだった

名無しシャン

第48話「第8回戦と準備」

 先生の開始の合図と共に互いに剣を抜く。
 剣を抜き、互いに構え、向き合ったままでどちらも攻めに行かずにその場で様子を伺う。
 互いにスキを伺いあっているのではなく、アスラが攻めて来ないだけだ。
 数秒してもかかってくる気配が無い。相手が来ないのであれば仕方がない。

「かかってこないなら、こっちから行くぞ」

 アスラは体が一瞬強張ったが、すぐに余計な力を抜いて集中する。
 鍛えている時に気づいたのだが、アスラは集中するのがかなり早い。スイッチの切り替えが上手い。
 しかし、どうやらその集中は長くは続かない。というかかなり短い。1度の集中で続くのは精々1、2分ぐらいだろう。その代わり集中が切れてもまたすぐに集中出来る、

 身体強化は使わず、ある程度の力で地面を蹴ってアスラへと近づく。そして、その勢いを殺さないようにして、剣を切り上げる。狙いはアスラの剣。
 アスラは、咄嗟になのか見切ってなのかはわからないが剣で防ごうとせず、瞬間的に身体強化を使い避け、そのまま距離を取る。

「今のをよく避けたな」
「訓練の時にルルに教えられた、武器を飛ばすやり方に似てたからな。それと、受け流すにしても間に合わないしな」
「だいぶ速さを出したのに見えたんだ」
「見えてないから。ただルルが言ってた、相手に武器を手放させるタイミングとして1番いい状況に似てたから」
「覚えていたんだ」
「まぁ、そりゃ剣を使う上で相手の武器を飛ばせるなら、飛ばせる時に飛ばしたいだろ。それをするのに必要な知識だからな。体に覚えさせた」
「そうか、ならもう少し速度を上げるからな」
「訓練である程度の速度は見慣れたぜ」

 次は、身体強化を使わないのは同じだが、さっきの倍ぐらいの速さで近づくき、剣で切りかかる。訓練の時より少し早いぐらいだろう。
 アスラはスレスレだが回避し、距離を取ろうとする。しかし距離をとらせるつもりはないので、開きかけた距離を縮め、追撃をする。
 回避するのはほぼ不可能なので、アスラは剣で防ぐ。その時、一瞬だけ身体強化をしているのがわかった。
 そして数分打ち合うとアスラは大きく回避し距離をとった。

「上げる速度は少しだけって言ってなかったか?」
「訓練である程度見慣れたって言ったからな、訓練の時より少し速くしたが」
「ギリギリ見えていても体が追いつかないからな、ただでさえ少ない魔力が、さっきの打ち合いの時に身体強化を使って、ほぼゼロだぜ」
「自分の魔力量とかを相手に喋らない。まぁ、身体強化をずっと使い続けてたら、ほぼからだろな。使い続けてたらだけど」
「なんの事かな」
「打ち合う瞬間にだけ身体強化使ってたら、まだ半分くらいあるだろ」
「なんで分かるんだよ」
「なんとなくだな」
「流石レビュート家。ところで、魔法は使わないのか?かなりの魔力があるって話だろ」
「一日中魔法を使ってても無くならないぐらいあるけど、明日は少し忙しいからな。万が一に備えて置いておきたいからな」
「って事は身体強化も使わないって事か」
「安心しなよ。アスラが予想以上に強かったからね、固有スキルは使わないけど、身体強化は使わしてもらうから」

 最初にあった時は確かにある程度剣は使えたようだが、弱かった。8組自体の実力は分からないが見たところ7組の真ん中ぐらいの実力程度だった。
 しかし、鍛えている内に才能はある事に気づいた。そしてその才能を開花させ、剣術だけなら1組に引けを取らないぐらいに、強くなった。
 ならば今1組と戦って勝てるかと言われると、不可能だと言うだろう。剣術の才能があっても、ステータスや固有スキルといった要素で、勝つのは不可能に近い。それだけ、固有スキルやステータスは勝敗に関わってくる。

「身体強化」

 そう言い、俺は身体強化を使う。別に言わなくてもいいのだが。

「さて、発動中は徐々に魔力を使用するからな。早めにに終わらさせてもらうよ」
「そう簡単に終わる訳ないだろ。せめて一撃はいれてやるよ」
「期待してるよ」

 地面を蹴りアスラへと近づく。
 蹴られたり地面は軽く抉れ、移動速度は普通の人の知覚速度を超える。
 狙いはアスラの剣の持ち手である、グリップ。刀で言うところの柄の部分だ。
 切り上げ、当たる瞬間に俺を認識して、剣を流そうとするが、もう遅い。

 アスラの手元から剣が離れ、宙を舞い、そして音を立て、少し離れたところに落下する。
 俺の剣から離れるようにしながら剣を取りに行こうとするが、見逃すわけはなく軽く首に当て、審判の先生の方を向く。

『だ、第8回戦目、終了。勝者、ルルシア・レビュート』

 最初の方はあった歓声は今や静まり返っていた。
 そして、俺は会場を後にする。

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