異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

変態紳士と高熱の子猫

「久しぶり~元気してたかしら?」
一週間余りが過ぎたのでユート達は約束していた集合場所に行くと既にパサル達はティーセットを取り出して優雅に茶会を行っていた

「お前等は首尾良く出来てたみたいだな…羨ましいな」
ユートは空いていた席に座り注がれた紅茶を飲む

「それじゃあお互いに今日までで稼いだ金貨を出しましょっか」
パサルはそう言って隅に積んでおいた大量のジュラルミンケースからテーブルに出せるだけ取り出した

「『金貨296000枚』…まぁこの位ね」
パサルはそう言ってドヤ顔をユートに見せつける

そんなパサルに対してユートは同様に無限収納アイテムボックスから一つのジュラルミンケースを取り出した
中を見ると『金貨10000枚』が入っていた

「え~?まさかこの程度しか集められなかったの~?」
「あのユートちゃんが?キャハハハハハ」
パサルはそう言いながら立ち上がりユートの背中をバシバシと叩く

「因みに…俺はこのいっぱいになっているケースを後『560個』持っているが?」
ユートはそう言ってニヤニヤとパサルにドヤ顔を決め込む
ユートとパサルはバチバチと睨み合って動かなくなった

するとゼロとアルカがそれぞれのパートナーの頭を小突く
因みに、アルカはオウミに持ち上げられながらやった為届いていた

「無駄なケンカは辞めるヨ」
「そうですよ!仲間同士で争うなんて不毛という物です!」
静止されたパサルとユートは渋々大人しく席に座る

「それで?明日からはどうするのじゃ?妾としては別行動はなるべく控えたい所じゃ」
「それに…どうやら妾達の周りをぷんぷんて飛びまわるコバエがいるみたいじゃからのぅ…いつ襲われるか悩み物じゃ」
クロウディアはそう言って何も無い空間に向けて指を指すが、何も起こらないし何も感じない

ユートは試しに『気配察知サーチ』のスキルを発動させるが…何も反応がない…クロウディアは酔っているのでないかとユート達が疑い始めた時
空間が歪み、そこから黒のローブを羽織った男と少女が現れた

「…一体いつから僕等の存在に気付いていたんだい?」
黒のローブの男がクロウディアに尋ねるがクロウディアはクククと笑って答える素振りを見せようとしない

「まぁいいさ…それと僕等は別に何もしないよ…」
「強いて言うなら敵情調査ってヤツかな…君達に限った話ではなくて他のゲームの参加者には同じ様に尾行とかをしているしね」
黒のローブの男はそう言って後ろを向き、またどこかへ消えようとするがユートに止められる

「なんだい?まだ僕等に何か用でもあるのかな?」
黒のローブは振り返るとユートは手に袋を持っていた

「この間の『金貨1000枚』だ、こんなにあまり余ってるんだ…おすそ分けって事で受け取りな…」
「まぁ…カッコつけて受け取らずに行くのは俺が許さないがな、俺は見ず知らずの奴から施しを受けてそれを返さないでおくってのは落ち着かない主義なんでな」
ユートはそう言って金貨が入った袋を黒のローブの男に投げ渡す

「ふふっ…本当に返さなくて良いのに…見物料って事でね…」
黒のローブはそう言いながらアルカをマジマジと見始める

「おい…見物料ってまさか…」
ユートは何かを察して聞こうとすると黒のローブの男は興奮気味に語り始めた

「そう!僕はいつも君の周りにいる『少女』や『幼女』を見ているのだとも!あぁ…あの至高の存在が常に君の傍らにいる…素晴らしい…そして実に妬ましい…」
「僕は君の周りにいるこの世の何よりも勝る究極の少女達に常に満足させて貰っているのだ!!」

「あぁ…少女幼女少女幼女少女幼女少女幼女…僕はあえてこう言おう!」
「『YESロリータ!NOタッチ!』と…」
黒のローブの男がそこまで言うと傍らにいた少女にみぞおちを強く殴られ気絶する

「お父様がとんでもない変態ですみません…」
「それでは…私達はこれで…」
黒のローブの女の子はそう言って男を軽々と担いでまた消えようとした、その一瞬の間に振り返りアルカに対して口パクで何かを伝える

「え…ちょっと待…」
アルカは女の子を止めようとするが消えてしまった

「ウソ…そんな…だって…」
アルカはそう呟きながら女の子が消えた位置に歩き出す

「…どうしたアルカ…俺はもう思考が半分停止してるんだが」
ユートはそう言ってアルカを見ると…アルカの様子が明らかにおかしかった
呼吸が見てわかるまでに荒くなり、視点が定まっていなかった

「おい、大丈夫か…」 
ユートが声を掛けると同時にアルカはその場で倒れてしまった

「アルカ!おい!しっかりしろ!」
ユートはスグにアルカを抱き上げて額に触ると物凄く熱が凄く出ており危険な状態になっていた

「クロウディア!この場は任せたぞ!」
「俺はアルカをこの街の病院に連れていく!」
ユートはそう言って『転移ワープ』を使い病院へ向けて転移した

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