異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした
坊ちゃんとパーの枷
アルカに麻雀は退屈だった様なので雀荘から出る事にした
「ユート殿…一晩だけでそんなに稼いでは目を付けられるのではないでござろうか…」
オウミが心配しているのは所謂『怖いお兄さん』達の事である
怖いお兄さんに目を付けられたら店の裏に連れて行かれて地下で労働させられるのではとオウミは心配しているのだ
「大丈夫だ…そんな漫画みたいな事そうそうある訳ないだろ…」
「…だがまずい事には変わりないな」
ユートは本来ならば一発目は幾分か…つまりは少しだけ小遣い稼ぎ程度にしておきたかったのだ
その理由としては…こんなに金を持っている事を知られたら、このニュクスの街のカジノで成り上がった奴らに目を付けられて食い殺されると懸念していたからである
「だけど…あの元島国の王様の性で絶対に目を付けられるな…空いてる卓があそこしかなかったのは運が悪かったな…」
ユートがそうボヤいていると背後から声が聞こえてくる
「おいそこの獣人族の奴隷を連れてる兄ちゃん、ちょっと待ちな」
ユートは自分の事では無いと思いそのまま行こうとすると如何にも成り上がりの坊ちゃんが行く手を阻んできた
「無視してんじゃねぇよ、この俺様に失礼だろぉ?」
坊ちゃんがそう言うと黒服の男達に取り囲まれる
ユートは『鑑定眼』を発動して目の前の坊ちゃんの名前等を確認する
一瞬ニヤリと笑った後にユートは突然こう言い出した
「…これはこれは、かの有名なアーレス様ではないですか…これはとんだご無礼を…それで?アーレス様が一体私になんの御用でしょうか?」
ユートは大袈裟にリアクションをしてアーレスのご機嫌をとる
「この俺様を知っているのか…苦しゅうないぞ」
「いやぁ…お前がさっきあそこの雀荘で大量に稼いでいたのは黒服がリサーチ済みなんだよ…その金を俺様に献上しな」
アーレスはユートに対して金をタダで寄越せと言ってきたのだ
これには後ろにいるアルカ達も反論しようとするがユートに止められる
「是非ともそうしたいのは山々ですが…」
「ここは一つ私とゲームをしませんか?」
ユートのその言葉にアーレスは一瞬眉間にシワを寄せるがそのままユートは話を続ける
「いえ…私がタダでアーレス様に献上する事には私は何にも支障はございません…むしろ誉に思います…」
「ですが…その様な乞食の様な事をアーレス様が行ったと知ればアーレス様の信頼は地の底に落ちてしまいまする」
ユートのその説明にアーレスのシワは徐々に無くなっていき、遂にはユートの話に耳を傾けていた
「成程…ではそのゲーム内容はどうするのだ?」
アーレスはすっかり反論する気が無くなり素直にゲーム内容を聞いてきた
「はい、『じゃんけん』でございます」
「そして負けた方は…『自身の全財産を支払う』という物にてございまする」
ユートのその発言にアーレスは怒り狂いそうになるがアーレスに反論の隙を与えさせないユートは説明を始める
「タダのじゃんけんでそこまで賭けられるのは正に勝負に絶対の自信がある天才しかおりませぬ…それに…」
「私は『パー』を出します…仮に出さなけれはこの指全てをアーレス様に捧げた後に私の勝ちを帳消しにします」
ユートの最後の一言にアーレスを含めたその場にいる全員が驚きを隠せなかった
「先程の雀荘での事を知っているのならばご存知の通り…私のこの指は命よりも大切な商売道具でございます…」
「どうか…この『じゃんけん』受けてもらえますか?」
ユートの先程の発言の驚きの余韻を残したままアーレスは次々に言われ続ける…
「わかった…良いだろう…おい」
アーレスが黒服の一人に合図をすると一枚の紙が取り出される
「このニュクスの街ではどんな物でも賭けられる…それを可能にするのがこの紙だ、ニュクスの女王が創り出したこの紙に書かれた内容は絶対遵守されるのだ」
アーレスがそう説明しながらその紙に今回の『じゃんけん』のルールと賭けの内容が精密に書き込まれていく
「これで俺様とお前の拇印が押されればゲームはスタートする」
アーレスはそう言って黒服が持つ朱肉を親指の先に付けて拇印を押し、ユートも同じ様に用紙に拇印を押した
「それじゃあ合図は俺様が出す…いくぞ」
アーレスはそう言って手を振り上げる
「じゃんけん…「ぽん!!!」」
アーレスは完全に勝ち誇った顔をしていた
そして黒服達も大量の金が入るとほくそ笑んでいた…
だが…目の前のユートが出した手は『パー』では無くて…
『グー』であった
その後、突然ユートの全ての指が切り落とされた
ユートは一瞬苦痛の表情を浮かべ手を抑える
「…どういうつもりだ…何故グーを出した!!」
アーレスは呼吸を荒くしながらユートを睨みつける
ユートはそんなアーレスに対して見下す様にニヤリと笑い返した
「ユート殿…一晩だけでそんなに稼いでは目を付けられるのではないでござろうか…」
オウミが心配しているのは所謂『怖いお兄さん』達の事である
怖いお兄さんに目を付けられたら店の裏に連れて行かれて地下で労働させられるのではとオウミは心配しているのだ
「大丈夫だ…そんな漫画みたいな事そうそうある訳ないだろ…」
「…だがまずい事には変わりないな」
ユートは本来ならば一発目は幾分か…つまりは少しだけ小遣い稼ぎ程度にしておきたかったのだ
その理由としては…こんなに金を持っている事を知られたら、このニュクスの街のカジノで成り上がった奴らに目を付けられて食い殺されると懸念していたからである
「だけど…あの元島国の王様の性で絶対に目を付けられるな…空いてる卓があそこしかなかったのは運が悪かったな…」
ユートがそうボヤいていると背後から声が聞こえてくる
「おいそこの獣人族の奴隷を連れてる兄ちゃん、ちょっと待ちな」
ユートは自分の事では無いと思いそのまま行こうとすると如何にも成り上がりの坊ちゃんが行く手を阻んできた
「無視してんじゃねぇよ、この俺様に失礼だろぉ?」
坊ちゃんがそう言うと黒服の男達に取り囲まれる
ユートは『鑑定眼』を発動して目の前の坊ちゃんの名前等を確認する
一瞬ニヤリと笑った後にユートは突然こう言い出した
「…これはこれは、かの有名なアーレス様ではないですか…これはとんだご無礼を…それで?アーレス様が一体私になんの御用でしょうか?」
ユートは大袈裟にリアクションをしてアーレスのご機嫌をとる
「この俺様を知っているのか…苦しゅうないぞ」
「いやぁ…お前がさっきあそこの雀荘で大量に稼いでいたのは黒服がリサーチ済みなんだよ…その金を俺様に献上しな」
アーレスはユートに対して金をタダで寄越せと言ってきたのだ
これには後ろにいるアルカ達も反論しようとするがユートに止められる
「是非ともそうしたいのは山々ですが…」
「ここは一つ私とゲームをしませんか?」
ユートのその言葉にアーレスは一瞬眉間にシワを寄せるがそのままユートは話を続ける
「いえ…私がタダでアーレス様に献上する事には私は何にも支障はございません…むしろ誉に思います…」
「ですが…その様な乞食の様な事をアーレス様が行ったと知ればアーレス様の信頼は地の底に落ちてしまいまする」
ユートのその説明にアーレスのシワは徐々に無くなっていき、遂にはユートの話に耳を傾けていた
「成程…ではそのゲーム内容はどうするのだ?」
アーレスはすっかり反論する気が無くなり素直にゲーム内容を聞いてきた
「はい、『じゃんけん』でございます」
「そして負けた方は…『自身の全財産を支払う』という物にてございまする」
ユートのその発言にアーレスは怒り狂いそうになるがアーレスに反論の隙を与えさせないユートは説明を始める
「タダのじゃんけんでそこまで賭けられるのは正に勝負に絶対の自信がある天才しかおりませぬ…それに…」
「私は『パー』を出します…仮に出さなけれはこの指全てをアーレス様に捧げた後に私の勝ちを帳消しにします」
ユートの最後の一言にアーレスを含めたその場にいる全員が驚きを隠せなかった
「先程の雀荘での事を知っているのならばご存知の通り…私のこの指は命よりも大切な商売道具でございます…」
「どうか…この『じゃんけん』受けてもらえますか?」
ユートの先程の発言の驚きの余韻を残したままアーレスは次々に言われ続ける…
「わかった…良いだろう…おい」
アーレスが黒服の一人に合図をすると一枚の紙が取り出される
「このニュクスの街ではどんな物でも賭けられる…それを可能にするのがこの紙だ、ニュクスの女王が創り出したこの紙に書かれた内容は絶対遵守されるのだ」
アーレスがそう説明しながらその紙に今回の『じゃんけん』のルールと賭けの内容が精密に書き込まれていく
「これで俺様とお前の拇印が押されればゲームはスタートする」
アーレスはそう言って黒服が持つ朱肉を親指の先に付けて拇印を押し、ユートも同じ様に用紙に拇印を押した
「それじゃあ合図は俺様が出す…いくぞ」
アーレスはそう言って手を振り上げる
「じゃんけん…「ぽん!!!」」
アーレスは完全に勝ち誇った顔をしていた
そして黒服達も大量の金が入るとほくそ笑んでいた…
だが…目の前のユートが出した手は『パー』では無くて…
『グー』であった
その後、突然ユートの全ての指が切り落とされた
ユートは一瞬苦痛の表情を浮かべ手を抑える
「…どういうつもりだ…何故グーを出した!!」
アーレスは呼吸を荒くしながらユートを睨みつける
ユートはそんなアーレスに対して見下す様にニヤリと笑い返した
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