異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

トランプ兵とキラキラこうもり

「酷いよユート君…1度ならず2度までも…」
いや…一回目は俺のミスかもしれないが二回目は自業自得だ

「クローノに感謝しなマッドハッター、クローノが滝を作ってくれてなきゃお前は今も顔面吐瀉物塗れだったんだからな」
まぁクローノが原因だったんだがな

「そうじゃ、儂に感謝せい」
クローノは無い胸を張っているな、無理しない方が良いと思うぜ

「おい主様、それはどういう意味かハッキリと言って欲しいのぅ」
そう言えば聞こえてるんだったな
まぁ…あれだ…女の魅力は胸だけじゃないぞ

「そうじゃな主様の伴侶も二人は貧相な物ja…」
俺はクローノ超眼力ヘビにらみで黙らせる
それ以上言ったらお仕置きだぞ
そして、これ以上無断で俺の心を見るな

「わ…解ったのじゃ」
クローノはガクガクと震える
追加で言えば1部の業界の人にはご褒美の聖水も少々…これ以上は言わぬが花だな



「向こうの方から槍を持った人?が来るね誰だろう」
マッドハッターは前からくる体がやたらデカい奴らを発見する

「あれは…ハートの女王の手下の一つトランプ兵じゃな、そのトランプに書かれた数字の分階級と強さが変わるらしいの」
ナイス解説だクローノ
あいつらの数字は…
『 9』『 J』『 ️A』『 2』『 ️7』
結構高い奴は高いな…試すか

俺は地面に手をつけ魔力を注ぐ
派手だが掃討力は凄いからな
『ー土の塔クレイタワーー』

地面から巨大な土の塔を築く魔法だが…
トランプ兵の内、『 ️A』と『 ️7』は塔に巻き込まれ貫かれた

「あと三枚か…マッドハッター…『 2』を頼んだ」
俺は火の槍フレイムランスで『 9』と『 J』を仕留める

マッドハッターは帽子を一つ取り出しそれを『 2』に被せる

「ふぅ~これで良いかな?」
いやいやいや…ただ帽子を被せただけじゃん

「この帽子には特別な力があるんだ…なんとこれを被った者を僕の思い通りに操る事が出来るのさ!」
マッドハッターの癖に面白い能力を持ってるんだな
いや狂った帽子屋マッドハッターだからか?

「先を急ごうか、道案内はこいつにさせよう」
マッドハッターがそう言うと『 2』はザッザッと軽快なリズムで進む



「ここか…近くによると案外大きくは無いな」
確かにデカい事にはデカいがユースティアの城やギルドを見慣れた俺からしたら小さめなサイズに見えた

城門の前にも『 5』『 8』の二つのトランプ兵がいる

「うーん…クローノ…確かトランプ兵って数字の大きさで強さと階級が決まるんだよな?」

「そうじゃな、それがどうかしたか主様?」
クローノは俺の頭の上から俺の顔を覗き込む

「だったら『 J』をマッドハッターに操ってもらえば良かったか…」
「いや待てよ…あのルールだったら一番強くなるのか…」

「あのルール?それは一体なんじゃ?」
クローノは頭から降りて俺の目の前で飛び回る

「まぁ見てろって…」
俺達は城門を過ぎようとした時、『 5』『 7』は跪きあっさりと通れた

「これはどういう事じゃ?なぜ数字は『 2』の方が低いのにあっさりと通れたんじゃ?」

「大富豪だよ、自分よりも強い数の前には制止させる権利は無いってことか」
大富豪を知らない人に軽く説明をするならば…
『2』が一番強く『3』が一番弱いゲームとだけ知っていれば良いと思う



「久しぶりに中に入ったけどやっぱり中も真っ赤だね」
マッドハッターは長い廊下にある赤い虎の彫刻や赤い鷹の彫刻等を見て回っている

「マッドハッターは確かハートの女王にあの茶会に閉じ込められたんだっけか?」
俺はそんなマッドハッターに目もくれずさっさと進む

「そうなんだよね…僕はただ彼女の為に歌を歌っただけなのにさ」
マッドハッターはハンカチで涙を拭う仕草をする

「どんな歌を歌ったんだ?暇だしここで歌ってみろよ」
俺は1度立ち止まりマッドハッターの方を向く

「それじゃあ聞いてください…『キラキラこうもり』…」
『Twinkle, twinkle, little bat,How I wonder what you at!』
『Up above the world so high,Like a diamond in the sky.』
マッドハッターの声とは思えない程の美しい声だ
これがいわゆる地声と歌声がまったく違うって奴なのか…

「どうだい?私は結構好きなんだがね、どうにも彼女の好みでは無い様だ」
マッドハッターは頭の帽子の角度を整え廊下を後にした

「まぁ正直俺も好みではないけどな…」
俺とクローノは苦笑いを隠しつつマッドハッターの後を追った

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