異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

魔法効果付与と祭壇の男

俺、アルカ、ドーラ、ラウラ、ミルシィは現在馬車に乗って骸の王リッチーがいるヴィクトリア王国とユースティア王国に挟まる様な形である『廃教会』へと向かっていた
……無論俺の精神を削るガールズトークとセットで

「ユートで寝ると気持ち良く寝れるのですよ」
「そうなんっすよ!寝心地最高っす!」
「まぁ…そうね、悪くはなかったわ」
お前らはいったいミルシィに何を吹き込んでるんだ

そんな話を延々と聞かされる俺の身にもなれ

「そうなのですか……男の癖に凄いのですね」
ミルシィは一体何に納得をしているんだ
こんなんでミルシィの好感度が上がるなんておかしいだろ


そして充分俺の精神を削るガールズトークが三日程続けられた後に廃教会から2km離れた場所に降ろされた

「すみませんねぇ冒険者様、これ以上先には行けないだ」 
御者の人が申し訳なさそうに頭を下げている

「構わないさ、ここまでありがとう」
「それでは冒険者の皆様お気を付けて」
そう言うと御者は馬車に戻り一目散に遠ざかっていった


「はぁ……もう後には戻れないのですか………」
ミルシィは現状にまた絶望する様にため息を吐く

「それでは張り切って行きましょう!」
アルカが珍しくはしゃいでるな
その理由は知りたくもないな

「アルカ様、なんでそんなに張り切っているっすか?」
ドーラ!余計な事を聞くんじゃない!

「実はですね!今日の朝起きたら新しいスキルを覚えてたんですよ!早くそれを試してみたいのです!」
……神達あいつらか、今度は一体何をしたんだ?

「それじゃあ早く行くっす!アルカ様の新しいスキルを早く見たいっす!」
ドーラはワクワクするんじゃない!



そんな事がありながら俺達は廃教会へと歩を進める

すると道中でゾンビやスケルトン等のモンスターが出現した
もちろん骸の王リッチーの瘴気によってバリバリ強化された状態でだ

「それでは私の新しいスキルを使いますよ!」
アルカがデュアルパラリシスを取り出し構える

魔法効果付与エンチャント火炎ブレイズー』
そう唱えるとデュアルパラリシスが炎に包まれる

「行きますよ!」
アルカがゾンビやスケルトンを斬り込む
すると斬られたゾンビやスケルトンが燃え盛る

「どうですかユート!これで火に弱いアンデッドに私の攻撃がよく通りますよ!」
なるほど確かにこれは使えそうなスキルだ

「そうだな……ところでその状態で麻痺は発動してるのか?」
「え?そんなの発動してるに決まって……」
とアルカがデュアルパラリシスのステータスを表示させると…



[名前] デュアルパラリシス
[ランク] A+
[武器説明]
ドーラの手によって造られた双剣デュアルダガー
一太刀喰らえば斬り付けられた箇所から燃え上がる

特殊効果スペシャルスキル
俊敏スピード強化Ⅲ
軽量化Ⅱ
魔法効果付与エンチャント火炎ブレイズ



「麻痺毒の効果が消えてますね」
それじゃあ魔法効果付与エンチャントを発動してる間は…デュアルパラリシスの十八番である麻痺効果は無くなるのか!?

やはりアルカだ……
マイナスラックはこんな些細な所でも作用するのか……

まぁ別にこの効果も強いから気にしない方向でも良いだろう
これでしょうもない魔法効果付与エンチャントだったら神達あいつらを問いただす所だった

そして骸の王リッチーがいる廃教会へまた歩を進めるが
少し進めばエンカウント……その度に倒してはいるがこれではキリがないな

そんな事を考えながら進んでいるとようやく到着した


この教会もつぶれる前は立派な教会だったのだろう
既に割れかかってるがステンドガラスの柄が美しく見とれてしまうほどだ
それに外から見ても相当大きい
学校の体育館程の大きさはあると思われる

そして俺達は廃教会の中へ入るとそこには目を疑う光景があった

廃教会の一番奥の祭壇に……一人の男が座っているのだ

「よぉ……やっと来たか、待ちくたびれたぜ」

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