2度目の転移はクラスみんなで(凍結中)

AdieuJury

六話



洸樹が起きてから

洸「...うっ...ん?ここは?」
白「よかった、洸樹君、目が覚めたんだね」
洸「円香?これ、どういう状況?」
美「私から説明するわ、まず洸樹君が聖剣出した後に気絶、その後私たちに運ばれて今にいたる、OK?」
洸「あぁ、だいたいわかったよ...しかし、あの力は諸刃の剣だな...体の中の魔力?ってやつが空っぽになった感覚がわかったよ。あの力は使いこなせるまでは厄介だな。あまり使いたくないよ」
美「まぁこれからは毎日仁が稽古つけてくれるみたいだし...」
白「あ、そうだ!黒崎君からの伝言!」
洸「なんだい?」
白「たしか...『その力を使うことを躊躇うな、でもこの力を得たからといって慢心はするな、でないと、いずれ後悔することになるぞ』だっけ?」
美「あってるわ」
洸「え...それはどういう意味なんだ?」
白「自分で考えろって言ってたよ?」
美&織(...まぁ嘘ではないか)
洸「そうか、それならしょうがない、自分で考えるとしよう。それでもわからなかったら、仁に聞けばいいだろうし」
美&白&織(((絶対わかんないわ)))

三人の心が一つになった瞬間だった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日
俺達はまた朝から訓練をして、終わったあとは洸樹の聖剣の維持の手伝いをする
もちろん運び係の白崎、織田、美里も一緒に
ただ洸樹の対応は変わらないけど、三人はなんかよそよそしくなってた
...なんでだろ?
なんかやらかしたかな?
あ、洸樹は朝起きたら元気になっていた
少し心配だったけど大丈夫みたいだな
...まぁ訓練は厳しく行くけど

「ほら、魔力がまた乱れたぞ」
「そ、そんな事言ったって、これかなり難しいじゃないか...くっ!」
「慣れりゃどうにかなる、魔力は血液、そう思えばいい、さて、あと三十分」
「もうそれ五回くらい言ってるだろ!?」

そう、最初は三十分だけだったが、徐々に伸ばして、結果三時間になった

「...まぁいいだろう、今日はこれくらいにしといてやるよ。また倒れるだろうから、回復魔法は掛けといてやるよ、《精神回復マインドヒール》《疲労回復バイタルヒール》」

そう言って魔法を洸樹に掛けてやった
俺って優しい!
...なんか虚しいな

「はぁはぁ...ありがとう、少し楽になっ...た...ガクッ」
「こ、洸樹君!?」
「心配すんなって、また魔力切れと疲労だから」
「こ、これって毎日続けるの?」
「あぁ、できれば毎日続けた方がいい、戦力は多いほうがいいからな。あと一週間も続ければ、戦いでも使えるようになるだろ。今のままだと、戦闘開始から使っていたとして...もって三分だな」
「そんなに短いの...」
「それは短いな...」
「ちなみに俺は一年ぐらいなら余裕で持つぞ」

その言葉を聞いて、白崎と織田は絶句していた

「あぁ、これについては魔力が少なくても対応する方法がある。それが今の訓練だ。これはやっていてただ聖剣持って立っているように見えるだろ?」
「う、うん」
「でもな、実は聖剣って持ってるだけで立っているのが辛くなるんだよ」
「「「え?」」」
「理由は簡単だ、聖剣を召喚している間は、常に大量の魔力が漏れ出すからだ。だからただ持ってるだけだと、俺でも半日持たない」
「え、じゃあすぐ魔力切れになるんじゃ...」
「そこでこの訓練だ、これは魔力を循環させる訓練なんだよ」
「「「循環?」」」
「そうだ、魔力が漏れ出すのは避けられない事なんだよ。だったら漏れ出したやつを戻してやればいい。つまり大気中に出た魔力を自分に戻す訓練なんだよ。これをすることによって、自分の魔力だけでなく、自然にある魔素と呼ばれるものも魔力として吸収できる。つまり半永久的に発動できるわけだ」
「す、すごい...」
「そんなことが一週間でできるの?」
「できないことは無い、ただこれは俺も一ヶ月は寝ずにぶっとおしでやって完璧にできるようになったからな、一週間だと出来てせいぜい一割程度だろう。それでもないよりはマシだ」

そう、できるだけこいつらを強く...
自分で自分の身は守れるように...

「じゃあ今日はここまでにしよう、また明日な」
「あ、う、うん」

俺は...二度と誰も死なせはしない
せめて、自分の周りの奴らだけでも...
そういえば、今はよそよそしくなかったな

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タッタッタッ...バンっ!

「はぁはぁ...王様!ご報告があります!」
「なんじゃ?騒がしいのぉ」
「先日アトラス帝国を襲ったとされている約二十万の魔物が、ラウル王国に近づいています!あと三時間で到着すると思われます!」
「なんじゃと!?それは確かか?」
「はい!魔法師団の索敵部隊が、一斉に感知しましたので、確かな情報だと思われます!」
「...わかった、すぐに勇者達を呼んでくるのじゃ!」
「御意!」

シャルテたちを襲った魔物達がこんなに早く...
今はそんなことを考えても仕方ないのぉ

「今はなんとしてもこの状況を切り抜けねば...!」

その時、まだ訓練場にいる仁や洸樹達以外の生徒達と先生が、謁見の間に着いた

「王様!」
「おぉ!来てくれたか!」
「状況はどうなんですか?」
「まだなんとも言えん...じゃが三時間後にここに魔物が来るのは、間違いないようじゃ...力を貸してはくれぬか?」
「もちろんです!」
「みんなぁ、やってやろうぜ!」
「訓練の成果を見せてやる!」

皆がそれぞれ意気込んでいた
だがしかし...

「報告します!魔物の軍勢の中に、白龍がいます!」
「なんじゃと!?」

まずい...
白龍はSSランクの魔物...
まだ勇者達では敵わないじゃろう...
こうなれば...仕方ない

「ジンを呼べ」
「...王様?今なんと...」
「ジン・クロサキを呼ぶのじゃ!」
「ぎ、御意!」

はぁ...
またあやつに頼るしかなくなるとはな...
なんとも情けない...

その数分後に仁は謁見の間に着いた

「王様、状況は?」
「おぉ、来たか...悪い報告じゃ。白龍が現れおった」
「マジかよ...どうする?」

こっから念話

(ジン、お主が全力で戦ったとして...城下町への被害はどのくらいになる?)
(そうだな...少し遠くで戦ったとして、城壁が壊れるくらいだな)
(...なら、頼めるか?)
(もち!)

「頼む、この国を守ってくれ」
「わかった、じゃあ準備してくるわ」

そう言って、仁は五分もせずににこの場から立ち去った
そして王様から一言

「すまない、意気込んでいるところ悪いのだが、今回は何とかなりそうだ。魔王との戦いに備えて、今は休んでいてほしい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

仁と王様の話を見ていた他の生徒達は...

「あいつ、王様と何話してたんだ?」
「なんか、一人で全部やるって感じじゃない?私たちは休んどけって言われたし...」
「でもあいつのステータスなんて、全然俺らと変わんなかったじゃねぇか」
「そんなやつが二十万の大軍に一人で勝てるわけないだろ?」
「王様も何考えてるんだろ?」
「しかもあんな根暗なのにね?」
「馬鹿じゃないの?」

色々愚痴を言っていた
途中関係ないのも入ってたけど...
すると、ある一人の生徒が...

「なぁ、俺達も行かないか?」
「え?」
「だって、もしあいつが一人で抑えるとして、あいつがやられたら、城門から速攻で入られて乱戦になるだろ?それだったら、門の近くにいた方がいいだろ?」
「確かに...」
「まぁあいつがやられるのは決定事項みたいなもんだけどな!」
「ハハッ!それもそうね!」
「じゃああいつのやられ様を見に行こうぜ!」
「おう(えぇ)!」

こうして仁のことを何も知らないクラスメイトは、城門の方へ向かった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ...ダルい」

絶対バレるじゃん
んまぁいつバレても良かったんだけどね?
流石に早いような気がするよ

「仁!」
「ん?...おう美里達じゃん」

なんか走ってきたけど...なんかあったかな?

「あんた、戦いに行くんでしょ?」
「おう」
「あたし達も連れてって」
「お願いします」
「俺からも頼む」
「へっ!?」

三人は頭を下げて俺に頼んできた

「おいおい、この状況がわかってんのか?今から二十万の大軍と戦うんだぞ?」
「「「わかってる(ます)」」」
「多分俺の横から魔物が抜けると思う、その時お前達を守りきれないかもしれないんだぞ?そうなったら...最悪死ぬぞ?」
「「「覚悟の上だよ(です)(だ)」」」
「うっ...」

はぁ...しゃーないか

「...わかったよ、まぁ万に一つ、俺の横を抜けることなんてありえないんだけどな」
「え?それってどういう...」
「俺は...反撃型なんだよ」
「「「え?」」」
「まぁ詳細については、見てからのお楽しみってことで、ほら、行くぞ」
「ちょっ、ちょっとぉ!?待ちなさいよぉ!」

さて...向かうか
...あ、指輪外さないと
それと刀も変えねぇとな
使うかわかんねぇけど

準備を終えた仁は城門の方へと向かった

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「うへぇ...いっぱいいるじゃん」

城門の外を出ると、あと5km位のところを、魔物の大軍が走っていた
上にはちゃんと白龍がいる
幸い空中にいる奴は他にいないが...

「これ...本気出さないとまずくね?」
「仁!頑張んなさいよ!」
「黒崎君、頑張って!」
「程々に頑張れよぉ!死にそうになったら運んでやっからぁ!」

ちょっと織田!
フラグ建てないで!
まぁ不安には感じてないみたいだな
よかったよかった

そんな感じで待っていると、魔物達は2km地点に到達しようとしていた
その時仁はこう呟いた










「さぁ...狩りの始まりだ」

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