ファンタジー作品に使えるかもしれないふわっとした中世ネタ

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

従卒と小姓って?



ファンタジー作品で王侯貴族や騎士が出てくると従卒や小姓という言葉を目にしたことありませんか?
従卒とは戦士の花形である騎士に付き従い身の回りの世話やともに戦う存在でした。


従卒はフランス語で盾持つ者という意味のスクワイアと呼ばれていました。
ともに戦うと言っても、主である騎士が敵騎士を馬から引きずり下ろしたのを拘束したり、側で武器を持ち歩いて用途に応じて主である騎士に武器を手渡したり、予備の馬を引いたり、落馬した主を助けたりと言うのが仕事でした。


従卒の出自は様々で領内の農奴、農民、市民などから才能があり、勇敢な人材を雇用していたようです。
時代が進み騎士としての身分制度が進むと、様々なルールが生まれ、従卒は騎士の子供がなる騎士見習い、あるいは兵を率いる下士官みたいな扱いになっていったそうです。後期の従卒は自前の武器や馬を持っていたりもしたそうです。


中世後期、従卒になるには騎士の家系であることが条件の一つでした(優秀な人材なら例外もあったそうです) 騎士の子供は7歳になると小姓となり、他家(親の友人や奥方の縁戚)に行儀見習いとして出て、礼儀作法を習います。
そこで習うのが行儀、肉の切り方、戦場外で騎士が行う仕事のいろはだったそうです。


14歳前後で従卒として扱われ戦闘技術(剣の素振り、走り込み、木の枝から垂らしたロープに腕だけでぶら下がる等々)を習います。
18~20歳前後で騎士叙勲を受け晴れて騎士になれます。ただし、叙勲には多額の費用がかかるために棋士になれる実力と資格があるのに貧しいために従卒のままという人もいましたし、従卒で戦場に出て捕虜をとって身代金で叙勲資金を稼いだという話もあります。


叙勲式はフランス式とドイツ式(他にもあるかもしれませんが資料不足)がありました。
最初の流れは大体一緒で、叙勲儀式の前日に盾などに刻まれる紋章を教会の祭壇の上におく。
叙勲式を受ける騎士は入浴の後、夜通し祭壇に祈りを捧げ続ける。このときずっと起きていないと駄目らしいです。
朝のミサの後、家族で朝食をとり、
そして、叙勲式の日のためにしつらえた新しい衣服(多くは純白の絹のシャツやアーミンの毛皮の外衣)で身を包む。
叙勲式の会場は主に丘の上で行われ、式が始まるとトランペットや吟遊詩人による演奏が始まり、鎧を着込み、最後に司祭が祈りを捧げた剣の柄に口づけする。
フランス式は叙任を主催する騎士が若者の首ないしはうなじを素手で打つ。


この行為は【コレー】と呼ばれ、強烈な強打で行われ、身構えている者ですらよろめくことがあったといわれています。それほど強烈な一撃なのは今日という一日、特に今日の誓いを生涯忘れてはいけないという主君の想いが込められているそうです。
ドイツ式の場合は主君が棋士になる従卒が口づけした剣を受け取り、両肩を叩くという小説や映画でよく見かける叙勲式だそうです。(間違っている可能性もあります)


時代によってはこの後、教会堂に向かい、剣を祭壇の上において、背うなる教会への献身を表す慣わしもありました。
最後に宴をひらいて飲み食いし、主や家族から装備をプレゼントされたそうです。


ちなみに、同時期に叙勲式を受けた同僚騎士を「盾仲間」と呼ばれ永遠の友情を誓ったと言われ篤い親交を交わしたそうです。


          

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