ファンタジー作品に使えるかもしれないふわっとした中世ネタ

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

中世のお風呂って?



中世世界のお風呂は基本銭湯です。
一般家庭は狭く風呂を置くスペースもなければ湯を沸かす薪も排水も色々と不都合がありました。
居酒屋宿屋の場合は1階のフロアの中心に巨大な鍋を置き、営業中は湯を沸かしていました。
フロアの片隅に湯桶を用意して、湯鍋の湯を組んで注ぎ、衝立を立てて入浴させました。
入浴後はそのまま湯桶を倒して冷めたお湯を流し捨てました。


現代で再現すると居酒屋の大ホールの片隅に木桶風呂のような風呂を用意してもらって周囲に衝立を立て貰い、酒場客の喧騒を聞きながら入浴、入浴後は店内の床にお湯を流していたということですね。


中世ヨーロッパの入浴は早朝に行われました。これは日本と違いヨーロッパ方面の文化として入浴は疲れを癒やすではなく、身支度を整える……顔洗いや歯磨き感覚が近いでしょうか?


風呂屋は夜明け前に湯を沸かし、準備が整うと大声でがなりたてて風呂が沸いたと客を呼び込みました。
この呼び込みにも法律があり、追い剥ぎなどの被害を防ぐために夜明け前の呼び込み禁止、つまり太陽がのぼり始めてからじゃないと呼び込みができなかったそうです。


農村部では防火と水の便から川辺に風呂屋がありました。
木桶を使った温浴(湯船に浸かる)、蒸し風呂(サウナ)があり、蒸し風呂はパン屋と兼業することがありました。
理由としましてはパンを焼く際の熱を利用し、窯の上に設けられた浴室で釜の蒸気を浴びて汗を流し、アカスリなどで汚れを落としたそうです。


都市部では防火の関係から10軒前後で(記録があやふや)、温浴、蒸し風呂など複合施設としてかなりのスペースを取っていたそうです。
都市部の風呂屋は入浴だけでなく入浴しながら飲食、三助による垢すり、洗髪、整髪、瀉血、外科手術までしたそうです。
その為、浴場主(風呂屋のオーナー)は軟膏作成や医療知識も持っていたと言われています。


当時の温浴は木桶風呂(二人が向かい合って入る)がメインで、混浴が当たり前でした。
ちょうど真ん中あたりに板を敷いて入浴しながら酒や食事を楽しみ、吟遊詩人が演奏していました(音楽や歌にはヒーリング効果があり、入浴と合わせると良いと言われていた)


中世世界にも三助という職は存在しました。
三助って日本の役職と思われるかもしれませんが、似たような職は世界中にありました。
ただ、手持ちの資料では中世ヨーロッパの三助職の翻訳が自信がないので三助という言葉を使わせてもらいます。


中世世界の三助の仕事は主に木桶に湯を足したり、入浴客のアカスリ、マッサージ(葡萄の灰とカミツレの花を混ぜた灰汁を塗りつける)がメインでした。
十字軍以降の中東文化が流れ込むと美容理容や薬草煎じ、瀉血、外科医療、後に梅毒の原因となった取り持ち(風呂屋での娼婦の斡旋)湯女(三助業務と娼婦業務兼業)剃り師(髭剃りや散髪)などがありました。


風呂屋では娼婦の斡旋がありましたし、混浴で一緒になった男女が肌を重ねることもあったそうです。
風呂屋のどこで行為を行ったかというと、風呂場の奥にベッドが設置されている風呂屋が多かったそうです。
湯上がりに、湯に入る前に一汗と言ったとこでしょうか?


年老いた娼婦が風呂屋を経営し、娼婦時代のコネを使って娼婦の斡旋をおこなった記録もありました。


また貧民も商人などの喜捨寄付によって4週間に1度無料で入浴できたそうです。
貧民に入浴を寄進する行為を「救霊入浴」とよんでいたそうです。


また裕福な層は自宅か風呂屋を貸し切って客を風呂に招くことが歓待として大変喜ばれたそうです。
異世界トリップ物で主人公が貴族や王を助けて、邸宅や城に招かれて風呂を用意してもらったのは歓待の意味もあったのでしょう。

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