ファンタジー作品に使えるかもしれないふわっとした中世ネタ

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

中世の保護区って



中世の法的概念の中でも特殊なものが保護区(アジール)と呼ばれる制度がありました。


中世当時警察権が未発達であり、裁判に罪人を出頭させるには原告側やその親族が追跡しないといけませんでした。
だが追跡中に抵抗する罪人を殺害や罪人側の逆襲などで被害者同士の血で血を争う抗争が延々と続いてしまうことから考え出されたのが保護区という一種の安全圏です。


保護区の制度は古来中東の寺院神殿のような聖域での流血を避けるものでした。
中世世界における保護区は教会や神聖な森、墓地と言った聖域だけではなく、街道、渡し船、粉挽き小屋などの公共施設、自由民個人の家や畑が保護区とされていました。


個人の家が保護区にされたかは、自由民の家は最小の国家として認められており一種の治外法権の場所だったからだそうです。


保護区へ逃げ込む方法は色々あり、最悪靴や帽子を保護区に投げ込めば保護が成立します。
保護が成立しても、期限があり家屋の場合6週間と3日、渡し船の場合は保護を求めた側が対岸に渡りきるまで追跡中止、同時に乗り込んだ場合は船首と船尾に分かれて座る(船の上での争いは禁止、争った場合騎士なら不名誉として扱われ、市民の場合都市への出入り制限がされる)
畑の場合、パンを食べ終わるまでの間追跡が中止される。


保護区と言っても加護は絶対ではなく保護区の支配者の力が弱ければ破られることもありました。
時代が進み法整備がされると保護区は縮小され教会など一部の地域のみとされたようです。

          

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