妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~

創伽夢勾

65:ユウVSフロン

「よし、やるか、フロンは確か魔法ありでよかったよな」
「はい。お願いします」

 俺はムラクモを短剣から刀の長さに戻す。そしてヒサメと共に腰の鞘へ
 そしてフロンと俺はティナの方を向く。
 意図を察したティナは立ち上がり、手を振り上げる。

「それでは。はじめ!」

 先に動いたのは、フロンだった。
 黒竜の双剣の一振りをこちらに向けて投擲してくる。
 フロンも投擲術を持っているため、狙いは正確で、俺の顔めがけて飛んでくる。
 俺は少し後ろに下がる。すると俺の目の前で、双剣がぴたりと止まる。
 黒竜の双剣は柄を糸で結んでいるため、投擲時は回収しやすいが、飛距離はない。

『闇よ 汝が敵を拘束する鎖となれ 黒影縛鎖コクエイバクサ

 俺はフロンの足元に魔法を発動させる。
 フロンは黒竜の双剣を引き戻し、俺に向かって突っ込んでくる。
 俺はフロンとの戦闘では、対魔法使いを意識させている。
 だからあえて詠唱で魔法を発動させている。と言っても近づくまでだ。近づいたら近接戦闘に移る。これがいつもの流れだ。

『光の障壁よ! 祖を護る盾と化せ 光壁コウヘキ

 俺はバックステップで距離を稼ぎながら、詠唱し光の壁を前方に出現させる。

「こんなもの!」

 フロンは光の壁を双剣で切り付けた。
 俺は突っ込んでくることが予想できていた。だから壁が割れるタイミングで、魔法を発動させる。

『祖は風! 集い集いて、解く爆ぜろ 風爆球フウバクキュウ

『我は影 彼の物をを惑わせる 人となれ 幻影想ゲンエイソウ

 俺が魔法を発動するのと同時に、もう一個の魔法が発動する。それは勿論フロンのものだ。
 俺の発動させた魔法は空中で風を巻き込み爆発する。
 すると、その爆風の中から3人のフロンが出てくる。いわゆる分身というやつだ。

 フロンは一定以上俺に近づいたので、接近に関しては合格だ。
 次は、接近戦だ。俺はムラクモの柄に手をかける。

風刀フウトウ鎌鼬カマイタチ

 俺はフロンの分身めがけて風の刃を放つ。
 あの魔法で作り出される分身はそこまで高度な動きはできない。
 風の刃が、分身に当たると、分身は霧のようになって消えた。

闇刀アントウ影月カゲツキ

 引き抜かれたムラクモは闇を纏う。その闇はムラクモを振るうと同時にフロンめがけて飛んでいく。
 俊敏な動きで、フロンはその闇を躱す。だが、その闇はフロンを追いかける。

「な、なんですか、追いかけてこないでください!」

 フロンは振り返り、闇を斬りつける。
 だがそれの選択肢は失敗だ。
 その闇は攻撃を受けると同時にフロンの腕に絡みつく。
 そしてその間に動きを止めたフロンの隙を俺は逃さない。

『縮地』

 俺は一瞬で、フロンの背後を取り、ムラクモの峰をフロンの首筋に当てた。

「俺の勝ちだな」
「はい、私の負けです」

 だが、接近するまでの流れはよかった。後は間合いの把握と、慌てることさえなければ充分だ。

「二人とも、すっかり成長したな」

 俺は二人の頭に手を置く。そしてそのまま優しく撫でる。
 すると、ティナの顔は赤く染まり、フロンの顔は俺の首筋を指を咥えて眺めていた。
 ティナはそれを察したのか、横にずれ、フロンに場所を譲る。

「ご主人様。あの……その」
「あぁ、いいぞ。早めにな」

 俺がそういうとフロンは俺の首に手を回し、その首に自分の唇を宛がった。
 少し舐めるようにしてから、俺の首筋に噛み付く。
 それと同時に、もう慣れつつある魔力の吸われる感覚が俺を襲う。

 少しすると、フロンが俺の首から唇を離す。その顔はやはり蕩けていた。

「やっぱり、ご主人様の血は美味し過ぎます」

 と言っている。それと同時に庭へ訪問者が来た。

「なにやってるの?」

 それは、この宿を紹介してくれた、シーナだった。
 シーナの目には顔が赤いティナと完全に顔を蕩けさせている。フロンが目に入る。

「エッチなこと?」
「違う!」
「ふぅーん。おいでノーワル」

 シーナが呼ぶとノワールはパタパタとシーナ方へ飛んでいき、その腕の中へと納まる。

「朝ごはんで来たから早く戻ってくる」

 どうやら、朝ごはんの知らせが要件だったようだ。

「わかった今行く」

 俺はティナの手を取り、立ち上がらせるとそのまま宿の中へと戻った。

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