妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
46:装備の新調と厄介ごと
なぜ寝起きで俺はこんな目に合わなきゃならん。ティナは部屋を掃除していた。そして俺が起きたのに気付くと「おはようございます!」と言って、ノワールとムラクモの頭にチョップを入れた。
そしてティナは、二人に無理やり服を着せて、俺もすぐに服を着替えた。
どうやら、俺が気絶した後にエルが憑依のスキルを使って、俺を宿まで運んだらしい。
ヨリヒメも俺が起きてすぐに〝ボクもやりすぎちゃった〟と、一応謝ってきた。
俺は体がちゃんと、動くかを確かめる。手を開いたり閉じたり、足も動かして問題がないことが分かった。
「じゃあ今から、お前らの装備を新しくするぞ」
今、フロンはメイド服、ティナは巫女服(改造)だ。だから、今は極めて防御力が低い。1~5階層はそもそも敵の攻撃を受けなかったから、何ともなかったが、5層当たりでは少し危なくなってきていた。
だから、今からアルの店に向かう。俺には黒霧のコートがあるから、防御力に関しては心配ない。
フロンは短剣1本では物足りなさそうな顔をしていたので、もう1本追加だ。
俺たちは着替えを済ませて、下でレナ達も含めてご飯を食べ、アルの店へと向かった。
俺が、アルの店につくと、やはり人気は少なかった。
俺は中へ入り、呼びかけた。
「アル。いるか?」
俺が少し大きな声を出すと、奥の扉から、アルレルトが出てきた。
そして俺を見るなり、驚きの表情を見せた。
アルの視線は俺を見てティナを見る。そしてまた俺を見て次はフロンを見る。それを繰り返したてた。
ちなみにノワールは今日はお留守番だ。
「おい、ユウお前こんな美少女二人連れてどうしたんだよ!」
と、俺に近寄り耳元で訪ねてくる。すると何かを刷したかのようにティナが口を開いた。
「私はユウ様に仕えております。ティナです。よろしくお願いします」
そんなティナにフロンも続く。
「私は、この前ご主人に最近買われました。1番奴隷のフロンです」
そしてフロンは無駄に1番を強調していった。
だが、この二人が言ったことに間違えはないため、否定できずにため息をついていると、前方からもため息が聞こえた。
「もうホント、お前何者だよ」
そんなことを俺に言われても困る。
まぁ、とりあえず手短に要件を済ませるとしよう。
「アルにはこいつらの装備を見繕ってほしい」
「はぁ~? お前この子たちを戦わせるのかよ」
「言っておくが、こいつらそこら辺の冒険者よりも強いぞ?」
俺の言葉に信じられんと言いたげな表情をするアルだが、それでも俺の規格外さを信じたのか、頷き、店の奥へと戻っていった。
「フロン、今のうちにもう一本の短剣を探しておけ」
「いいのですか?」
フロンは、本当にいいのか?といった表情で、俺を見つめてくる。そして俺が頷くのを確認すると、店の中を見て回りだした。
ティナは俺のそばを離れるつもりはないらしい。
しばらくすると、奥からアルが戻ってきた。
その手には胸当てのアーマープレートと中に着込むタイプの動きやすそうな鎖帷子があった。
この世界にも鎖帷子なんてあるんだな。
胸当てのプレートはティナに、鎖帷子はフロンへ、それとフロンが見繕った短剣を、購入して、着替えを済ませて、ギルドへと足を進めた。
お金に金貨を出して、お釣りはいいって言ったら、無理やり押し付けられた。解せぬ。
俺がギルドにつくと、俺に一瞬視線が集まるが、すぐに元に戻る。
俺はフェルのカウンターへと向かった。
そんな中、男たちの話から、「森」「爆発」「大きな穴」の単語が聞こえて、苦笑いすることしかできなかった。
「あっ! ユウさん。やっといらっしゃったんですね」
俺に気づいた、フェルは俺に笑顔を向ける。その瞬間、周りの男どもの嫉妬の視線が集まる。だが、もう宿で慣れたもんだ。
「そんなに喜んで、どうしたんだ?」
「べ、別に喜んでいるわけでは……」
そして少し頬を染めるフェル。それを見てティナとフロンはむっとした表情になり、そして俺の腕を両側から抱きしめた。
そしてさらに、嫉妬の目線と「ふざけんな!」といったような声が聞こえた来た。
「お前ら、何してんだよ」
「「この人は危険です!」」
そして二人は口をそろえてこう言うのだ。そんな状況にフェルは苦笑いだった。
「そ、それでですね。魔物の精算ができました。こちら全部で、金貨1枚ですね」
そう言って、フェルは金貨一枚をテーブルに置いた。そのフェルの声と行動は周りに筒抜けなわけで、更に驚きの声が上がった。それはそうだ、金貨一枚など、Cランク冒険者の報酬ではないのだから。
俺はそれを受け取り、今日もダンジョンに潜る予定を伝えてから、ダンジョンへ向かおうとすると、ギルドの入り口から俺を呼び止める声が聞こえた。
「お前か! いたいけな女の子二人をダンジョンに連れて行っているというのは!」
そこには一人の男が立っていた。その横には一人の女性が立っていた、
「私はティンケル。お嬢さん方、今すぐそんな男から引き離して差し上げます!」
そんなことを言う男に、嫌そうな表情を向けるティナとフロン。
「おい、そこのお前すぐに二人を開放しろ!」
と、続けて言いながらティナとフロンに手を差し伸べた。だから俺は聞いた。
「ティナ、フロン。俺のところから離れてあいつのところに行きたいか?」
俺の問いに首を振り、男の手を拒絶する。
「だとよ、お前のところなんか行きたくないってさ」
「そうだ、二人はきっと洗脳されてるんだ。一人は奴隷と聞いた。もう一人はどうせ、弱みでも握ったんだろ!」
と、どうしても引き下がらないらしい。
ティナとフロンはというと、男の言動に耐えられず攻勢に出ようとするがそれは、俺が止める。
こんな奴に、ティナたちが手をあげる必要はない。
「で、洗脳なんて事実はないんだが。俺にどうしろと?」
「僕と決闘しろ! 勝ったら二人をもらう」
と言ってくる。負ける気はしないが、それでは俺も対価をもらおうか。
「じゃあ、俺が勝ったらそこの女をもらうぞ?」
女の子は一瞬、明るい表情になるが、すぐに元の悲しそうな表情に戻る。
ただの等価交換のつもりだが、ティナとフロンが「え?」みたいな表情をする。
大丈夫だ。こんなやつには負けない。
「そこの、訓練室でいいな?」
「ああ、それでいい」
許可も取れたとこだし、一応フェルにも声をかけておこう。
「フェル! 訓練場借りるぞ!」
「どうぞ! 負けないでくださいね!」
と、フェルからの返事が返ってくる。
やはり、ティナとフロンはむっとした表情になる。何が気に入らないのだ。
そして男は「まさか受付嬢まで、こいつの毒牙に!?」とか言っている。
俺はそれを無視して、二人を連れ訓練場に向かった。
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