覇王の息子 異世界を馳せる
VSミノタウロス ⑤
両者は静止する。
まるで事前に申し合わせていたように動きを止める。
それは読み合い。
相手の作戦とか、次の攻撃と、そういう読み合いとは違う。
強いて言うならば―――
呼吸?
互いに呼吸を合わせれば、自然を体の起こりが始まる。
どちらが先に仕掛けるのではない。
互いに――― 同時に――― 呼吸を合わせて―――
――――今!
ミノタウロスは前に出る。
関羽は後ろへ下がる。
ミノタウロスは自らの肉体を武器に―――巨大な弾丸に変えんと前に出る。
一方の関羽、後方に向け大地を蹴り、大きく跳躍した。
前に出るミノタウロスと後ろへ飛ぶ関羽。
その速度。勝っているのはミノタウロスだ。
一歩、大地を蹴る毎に加速を行い、すぐにでも最大速度へ到達せんとするミノタウロス。
対して関羽は一蹴り。一瞬の爆発力による推進力は、時間とともに無へ近づいていく。
やがて来る着地の瞬間。ミノタウロスの突進を防げる手段はない。
そして、その時は訪れた。
関羽、着地する。
しかし、それは、その場所は床ではなかった。
関羽が着地した場所。そこは床ではなく壁だった。
迷宮の壁に両足をつき、停止する。
重力が働き、地面へ落下するまでの僅かな時間。1秒にも満たない刹那の時間。
その時間、関羽は再突進せんと両足に力みを込め……そして自身の肉体を発射させる。
ミノタウロスと関羽。
互いに肉体は最高速を維持し、ぶつかり合う―――そう思われていた。
すれ違い。
壁を蹴った関羽が、斜め上へ角度をつけていたのだ。
両者、ぶつかり合うことなくすれ違う。その直前、関羽は体を反転させる。
前宙。
体を丸め、空中で回転。
そうして遠心力を得た青龍偃月刀をミノタウロスの後頭部へ強打させる。
その一撃によって、ミノタウロスの意識は混濁させられたのか、ミノタウロスの肉体はブレーキをかけることなく――――
破壊音。
それは、まるで地震の如く。迷宮が大きく揺さぶられる。
ミノタウロスが壁と衝突したのだ。
舞い上がる砂や埃の粉塵。
壁は貫かれ、大きな穴が開いている。
しかし、舞い上がった粉塵によって、まるで幕が張っているようにミノタウロスの体を隠していた。
やがて―――
巨大な影がゆらめくの確認できた。
まるで事前に申し合わせていたように動きを止める。
それは読み合い。
相手の作戦とか、次の攻撃と、そういう読み合いとは違う。
強いて言うならば―――
呼吸?
互いに呼吸を合わせれば、自然を体の起こりが始まる。
どちらが先に仕掛けるのではない。
互いに――― 同時に――― 呼吸を合わせて―――
――――今!
ミノタウロスは前に出る。
関羽は後ろへ下がる。
ミノタウロスは自らの肉体を武器に―――巨大な弾丸に変えんと前に出る。
一方の関羽、後方に向け大地を蹴り、大きく跳躍した。
前に出るミノタウロスと後ろへ飛ぶ関羽。
その速度。勝っているのはミノタウロスだ。
一歩、大地を蹴る毎に加速を行い、すぐにでも最大速度へ到達せんとするミノタウロス。
対して関羽は一蹴り。一瞬の爆発力による推進力は、時間とともに無へ近づいていく。
やがて来る着地の瞬間。ミノタウロスの突進を防げる手段はない。
そして、その時は訪れた。
関羽、着地する。
しかし、それは、その場所は床ではなかった。
関羽が着地した場所。そこは床ではなく壁だった。
迷宮の壁に両足をつき、停止する。
重力が働き、地面へ落下するまでの僅かな時間。1秒にも満たない刹那の時間。
その時間、関羽は再突進せんと両足に力みを込め……そして自身の肉体を発射させる。
ミノタウロスと関羽。
互いに肉体は最高速を維持し、ぶつかり合う―――そう思われていた。
すれ違い。
壁を蹴った関羽が、斜め上へ角度をつけていたのだ。
両者、ぶつかり合うことなくすれ違う。その直前、関羽は体を反転させる。
前宙。
体を丸め、空中で回転。
そうして遠心力を得た青龍偃月刀をミノタウロスの後頭部へ強打させる。
その一撃によって、ミノタウロスの意識は混濁させられたのか、ミノタウロスの肉体はブレーキをかけることなく――――
破壊音。
それは、まるで地震の如く。迷宮が大きく揺さぶられる。
ミノタウロスが壁と衝突したのだ。
舞い上がる砂や埃の粉塵。
壁は貫かれ、大きな穴が開いている。
しかし、舞い上がった粉塵によって、まるで幕が張っているようにミノタウロスの体を隠していた。
やがて―――
巨大な影がゆらめくの確認できた。
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