BioGraphyOnline

ツリー

第十四章 宿屋警備員


朝起きてボーっとしながら枕もとのカロリーメイトに手を伸ばし気付く
残りのストックが少なくなってきている
少ないカロリーメイトを食べながら一回に降りると姉がテレビ番組を見ながら笑っている

姉より後に起きてしまうとは・・・不覚
後に起きると調理後二階に逃げる事ができないのだ
その位置に姉が陣取っているから

「あ!ひーろー!おはよー」
「おはよう・・・」

今日は諦めて一緒に食べるか、この前の事もあったし
軽い朝食を食べながら姉が話しかけてくる

「そういえば!太郎ちゃんが私にヘッドギア?っていうのプレゼントしてくれたの!」

早いな、流石太郎兄、グッジョブだ

「でもねー折角のプレゼントだから使いたいんだけど・・・」

姉がションボリしている
大方使い方がわからないのだろう
こればかりは太郎兄だけにやらせるのは忍びない
今日ログインする前に使い方を教えるとしよう

朝食を終えて姉の部屋

「これがねーどうやってもつかないんだよー」

まさかのコードのさし間違いで電源すら入ってなかった
確かにヘッドギアはコードが多い、機械に慣れた人でも説明書を一回は見るんじゃないかとは思うほどに
まぉ姉は説明書を見たうえでわかってないようだが

俺は馴れた手つきでさっさとコードを繋げる
接続確認の後、ついでにBGOもダウンロードしておく

「で?姉さんは何をするの?俺的にはBGOっていうのがオススメだよ」

姉は人差し指を頬に当て考え込むような仕草

「とりあえず映画を見ようと思ってはいるんだよー」

それはマズイ、はやくBGOを宣伝しないと・・・いや・・・カロリーメイトが切れかかってたな

「じゃあDVD借りてくるがてらカロリーメイトたくさん買ってきといて」
「えー一緒にいかないのー?それにカロリーメイトばっかり食べてたら体に悪いよー?」
「ヘッドギアのセッティング代ってことでよろしく!」

むーっと頬を膨らます姉を後にしてさっさと部屋に戻る、カロリーメイト事情はこれで解決したので安心してBGOができる
隣の部屋から「我、現世に降臨!」という叫び声と共にBGOの世界にログインする

見慣れぬ天井、いや2回目ではあるが部屋が違うからな
それにしてもここの宿は凄い
一日5R、外を見ると異世界の街並みにグラフ城、部屋は大きく二人泊まっても余裕がある
それに露天風呂、別料金だが部屋まで食事を持ってきてくれるサービス、マッサージサービス等色々ある
ちょっとした旅行気分で泊まるのも乙かもしれない

そう思いながらも一階の酒場でご飯を食べる、部屋で食べるのも良いがついでに仲間探しも行えるからだ
この時間帯は酒場には2、3人しかいないが可能性があるならここで食べる
少ししてスタッフが食事を持ってくる
スラッグパンにサンドワームをスパゲッティのようにし、中にブルーラットの肉を挟んだ
ホットドッグみたいな食べ物、味もほとんど同じだ

サンドワームは初日に見たしブルーラットも何度も見たがスラッグっていうのは初めてだな
黙々と食べていると爽やかな声で話しかけてくる人物が

「ねぇねぇいかにも魔術士な君、ちょっと一緒にクエスト来てくれないかい?」

声の方向を見ると緑の髪のイケメン、ただし世界観にそぐわないジャージを着ている

「そんな貴方はいかにもニートのようなグレイさん?でしたっけ?どうかしたんですか?」

すると照れたようにニヤニヤしながら頬をかくグレイ

「いやー俺ってばそんなに有名人?もう俺の名前知らない人っていない?みたいなー?」
「それで?なんのようなんですか?」

すると打って変わって真剣な表情になるグレイ

「それが・・・俺は今まで最初に支給された100Rでここまで宿に篭り日々瞑想しレベル上げをしていたんだが・・・」

物は言いようである

「遂にRが切れちゃってさー!今朝追い出されちゃったわけよ!」

豪快に笑いながら話すグレイ、悩みとは無縁な性格をしていそうだ

「そ、こ、で!今朝冒険者ギルドに行って初のクエストを確保してきたわけさ!知り合いがログインしてないから一緒にどうかな?」

断る理由もないし相手は少なくともLV10超え、グラフ街からいける場所なら無双できる範囲だろう

「良いですよ、行きましょうか」
「オーケー!じゃあ早速レッツゴー!目的地はグラフ大森林だ!」

こうして無駄にテンションの高いグレイとクエストを受けることになった

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品