ヘタレ魔法学生の俺に、四人も美少女が寄ってくるなんてあり得ない!

神楽旭

金髪碧眼少女が家にいたらどうする?

朝、俺はベッドから起き上がり、カーテンを開ける。窓から射し込む太陽の光を全身に浴び、背伸びをする。
「……今日かあ」
俺は机の上に置かれた一枚の紙に目をやる。

拝啓
雨宮暁 様。
去る三月十六日の本校一般入学者選抜試験合格者発表は行かれましたでしょうか。
御存じの通り、貴殿の保持魔力、及び学力が本校の入学基準を満たしていると判断し、入学を許可致します。
つきましては来る四月七日に行われます本校入学式にご出席下さいますよう、お願い申し上げます。
それまで、お身体に気を付けて生活されますよう。
                                      敬具
平成二十九年三月十八日。
                         国立魔導学園関東高等学校総合教務部

憧れへの第一歩。国立魔導学園への入学を報せる手紙だ。
そして当日。俺は真新しい、白を基調とした制服に身を包むと、階段を下り、リビングへ向かう。

「母さん。おはよう」
俺は仏壇の中、母さんの遺影に話しかける。
俺の母さんは、二年くらい前に事故で死んだ。
父さんは大企業の海外支社勤務なので、家にいることはほとんどない。
つまり、家には普通俺しかいない。
と、思ったら、
「おはよっ!暁!」
リビングで正座していたのは、金髪碧眼の女の子。

誰だこの人。

俺の脳内を支配したのはそんな言葉だった。
「ん?朝ご飯食べないの?」
「いやそれ以前にアンタは誰だよ。不法侵入で通報するぞ?」
うーんとその子は考え込み、
「そうだなー……。婚約者……とか?」
いきなりの爆弾発言に困惑せざるを得ない!
「えっ、いやちょっと待て。婚約者?俺の?君が!?」
「そうだよ。あ、その制服魔導学園関東高校のやつでしょ!」

人の話を聞けっ!

俺が頭を抱えているうちに、
「ほらほら座ってご飯食べて!遅刻しちゃうよ!」
「アンタのせいだっ!」
そう返しつつ朝ご飯を掻き込む俺。
早々に朝ご飯を掻き込むと、歯磨きもせずに家を飛び出す。


国立魔導学園関東高校。
魔導省直轄のこの学校は、その名の通り魔導師を育成する学校だ。
日本に五校あるうちの一つ。主に関東の学生が入学を志す学校だ。
「ついに来たぞ……!魔導師への第一歩!」
全校生徒七百八十名。恐らく関東で最大の学校だと思う。
「わぁー…大きいねえ!」
隣を見ると、今朝方口泡を飛ばしあった、例の女の子がいた。
「アンタもここに入学するのか?」
「アンタじゃなくて、キャサリン・パーカーだよ。気軽にケイトって呼んでね!」
そう言うと彼女……ケイトは風の様に去っていった。

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コメント

  • 黒音

    ケイトのケの字も無い

    0
  • ペンギン

    ん?なんで、「ケイト」になるの...?なんか、分からん...w

    1
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