公爵令嬢は結婚したくない!
商工会議を設立しましょう!(17)
フェリスさんが経営している宿屋から出た私は、すぐに兵士さんたちに取り囲まれた。
「はぁー……お前は何をしているんだ? 自分の置かれた立場というのが理解できていないのか?」
レイルさんは呆れ顔で私へと苦言を呈してくる。
言われなくても分かっている。
一応、兵士さんたちを力で押さえつけてる以上、あまり軽率な対応は取ったらいけないということくらい。
それでも、今回の話は大事な事だった。
「分かっています。とりあえず一度、戻りましょう」
「どこにだ?」
「ですから、子供たちの待ってる場所にです」
私の言葉を聞いたレイルさんは一度、目を閉じたあとに私を見て小さくため息をつく。
「それで町の有力者との会談手配は進んでいますか?」
私の言葉にレイルさんは「…………ああ、済んでいる、時期は早い方がいいんだよな?」と確認してきた。
そんなレイルさんの言葉に私は頷きながら「はい。よろしくお願い致します」とお願いする。
「わかった。数日後には話合いが出来るようにしておこう」
そう呟いたレイルさんの表情は、眉間に皺を寄せていて……まるでお父様を見るようであった。
私は少しだけ胸に痛みを覚えながらも「はい、お願いいたします」と、俯きながら答える。
そのあとレイルさんたちに案内されるように今日は、子供たちにいる家に戻った。
子供たちは、私の姿を見ると近寄ってきて話をせがんでくる。
どうやら、私が夜に話した童話が気にいったみたい。
そしてお昼を食べた後があり、トーマスさんが食器を洗っていた。
トーマスさんは私を見ると頬を赤く染めては、何度も私をチラチラと見てくる。
どうやら、何か話したい事があるみたいだけど……。
ちょうどいいかもしれない。後ろから、「トーマスさん?」と、声をかけると、一瞬トーマスさんの動きが止まると、ゆっくりと私の方を見てきた。
「テ、ティアさん。な、なな、なんでしょうか?」
すごく緊張しているのかトーマスさんは、慌てて答えてくる。
「あの、実はトーマスさんにお願いがあるんですけど……」
「はい! なんでしょうか!」
トーマスさんの様子を見ながら私は観察する。
この様子は、もしかしたら……女性と話す経験があまりない男性って感じと読み取れる。つまり……トーマスさんは女性と話すのが苦手? と予測される。
「はい、じつは明日のお昼ごろにレイルさんとトーマスさんで宿屋前に来てほしいんですけど?」
「はあ? 何かの任務ですか?」
トーマスさんは不思議そうな表情を私に見せてくる。
任務と言えば任務ともいえるけど……。
「そうですね。一応、貧民街の元締めの娘さんなので接触を計っておいて損はないと思います」
「わかりました! レイル隊長へ報告しておきます!」
そう答えてくるとトーマスさんは木製の食器を洗って建物から出ていった。
私はトーマスさんの後ろ姿を見送ったあと部屋に入ると大きなテーブルは壁に立てかけられてあり部屋の広さが確保されていて布団が敷かれていた。
10人いる子供たちのうち8人は6歳から9歳。お昼寝の時間が必要な世代なはず。
「それじゃ、皆はお昼寝をしましょうね」
私は子供たちにやさしく語りかける。
どうやら、兵士の人達だけだと安心して寝れなかったらしく、兵士の人と言ってもトーマスさんが出て言ったことに気が付くと、「昨日の続き! 昨日の続き!」とルアルちゃんやウィル君が私のスカートを掴んで話をせがんできた。
私は布団が敷かれている場所へサンダルを脱いで上がって座ると童話を聞かせる。
童話を聞いていた子供たちは、しばらくするとみんな寝てしまった。
何人かの子供たちは「お母さん」と呟いている。
そんな子供たちを見てると、とても愛おしく感じてしまい思わず抱きしめてしまう。
「はやく、なんとかしないといけないですね……」
私は、一番年下の子供を抱きしめたあとに寝かせる。
「ご主人様!」
「シーッ。子供たちが寝たばかりですから、静かにしてくださいね」
人差し指を口元にもっていくと大声はダメですよ? とブラウニーさんに教えると、了解というそぶりを軍隊挨拶でブラウニーさんは返してきた。
一体、どこで軍隊敬礼をブラウニーさんは覚えてくるのはとても不思議だけど、ブラウニーさんが持ってる手紙がすごく気になった。
「それは、なんですか?」
「これは、アルドーラ公国のスペンサー王子からの手紙でち!」
「……え? 手紙を渡してからまだ数日くらいしか経ってないですよね?」
「でち! ブラウニー特有の空間転移魔法でち!」
「えええー……」
何? ブラウニーってそんな特異な魔法が使える設定だったけ? 私の知ってるブラウニーさんで家の維持とかそういうことしかできなかった印象があるんだけど? あれ? 私の記憶違いだったのかな? でもブラウニーさんを使って手紙配達とか頼んだ事なかったから……。
で、でもブラウニーさんの空間転移魔法が使えるなら、好きな国に行きたい放題なんじゃ?
「そ、それって、誰にでも使えるの?」
「使えるでち!」
私の質問にブラウニーさんは即答で返してきた。
こ、これは流通業界だけじゃなくて移動手段にも革命が起こせるかも……。
「でも生物に使うとミンチになるでち!」
「あ……そうなのね……」
どうやら、そんなにうまい話はないようだけど無機物なら移動できるってことだけで流通業界に革命が起こせる!
私は、ブラウニーさんが差し出してきた手紙を受け取り中身を確認する。
そこには、アルドーラ公国が全面的に私と取引をしたいと書かれていた。
しかも、アルドーラ公国の王子スペンサーと大公であるフィンデル・ド・アルドーラの名前も一緒に書かれている。
そして、魔法帝国ジールの転移魔法師を手配し3日後には、ミトンの町へ訪れる旨が書かれていた。
これは思ったより、ずっと早く事態が動きそう。
「はぁー……お前は何をしているんだ? 自分の置かれた立場というのが理解できていないのか?」
レイルさんは呆れ顔で私へと苦言を呈してくる。
言われなくても分かっている。
一応、兵士さんたちを力で押さえつけてる以上、あまり軽率な対応は取ったらいけないということくらい。
それでも、今回の話は大事な事だった。
「分かっています。とりあえず一度、戻りましょう」
「どこにだ?」
「ですから、子供たちの待ってる場所にです」
私の言葉を聞いたレイルさんは一度、目を閉じたあとに私を見て小さくため息をつく。
「それで町の有力者との会談手配は進んでいますか?」
私の言葉にレイルさんは「…………ああ、済んでいる、時期は早い方がいいんだよな?」と確認してきた。
そんなレイルさんの言葉に私は頷きながら「はい。よろしくお願い致します」とお願いする。
「わかった。数日後には話合いが出来るようにしておこう」
そう呟いたレイルさんの表情は、眉間に皺を寄せていて……まるでお父様を見るようであった。
私は少しだけ胸に痛みを覚えながらも「はい、お願いいたします」と、俯きながら答える。
そのあとレイルさんたちに案内されるように今日は、子供たちにいる家に戻った。
子供たちは、私の姿を見ると近寄ってきて話をせがんでくる。
どうやら、私が夜に話した童話が気にいったみたい。
そしてお昼を食べた後があり、トーマスさんが食器を洗っていた。
トーマスさんは私を見ると頬を赤く染めては、何度も私をチラチラと見てくる。
どうやら、何か話したい事があるみたいだけど……。
ちょうどいいかもしれない。後ろから、「トーマスさん?」と、声をかけると、一瞬トーマスさんの動きが止まると、ゆっくりと私の方を見てきた。
「テ、ティアさん。な、なな、なんでしょうか?」
すごく緊張しているのかトーマスさんは、慌てて答えてくる。
「あの、実はトーマスさんにお願いがあるんですけど……」
「はい! なんでしょうか!」
トーマスさんの様子を見ながら私は観察する。
この様子は、もしかしたら……女性と話す経験があまりない男性って感じと読み取れる。つまり……トーマスさんは女性と話すのが苦手? と予測される。
「はい、じつは明日のお昼ごろにレイルさんとトーマスさんで宿屋前に来てほしいんですけど?」
「はあ? 何かの任務ですか?」
トーマスさんは不思議そうな表情を私に見せてくる。
任務と言えば任務ともいえるけど……。
「そうですね。一応、貧民街の元締めの娘さんなので接触を計っておいて損はないと思います」
「わかりました! レイル隊長へ報告しておきます!」
そう答えてくるとトーマスさんは木製の食器を洗って建物から出ていった。
私はトーマスさんの後ろ姿を見送ったあと部屋に入ると大きなテーブルは壁に立てかけられてあり部屋の広さが確保されていて布団が敷かれていた。
10人いる子供たちのうち8人は6歳から9歳。お昼寝の時間が必要な世代なはず。
「それじゃ、皆はお昼寝をしましょうね」
私は子供たちにやさしく語りかける。
どうやら、兵士の人達だけだと安心して寝れなかったらしく、兵士の人と言ってもトーマスさんが出て言ったことに気が付くと、「昨日の続き! 昨日の続き!」とルアルちゃんやウィル君が私のスカートを掴んで話をせがんできた。
私は布団が敷かれている場所へサンダルを脱いで上がって座ると童話を聞かせる。
童話を聞いていた子供たちは、しばらくするとみんな寝てしまった。
何人かの子供たちは「お母さん」と呟いている。
そんな子供たちを見てると、とても愛おしく感じてしまい思わず抱きしめてしまう。
「はやく、なんとかしないといけないですね……」
私は、一番年下の子供を抱きしめたあとに寝かせる。
「ご主人様!」
「シーッ。子供たちが寝たばかりですから、静かにしてくださいね」
人差し指を口元にもっていくと大声はダメですよ? とブラウニーさんに教えると、了解というそぶりを軍隊挨拶でブラウニーさんは返してきた。
一体、どこで軍隊敬礼をブラウニーさんは覚えてくるのはとても不思議だけど、ブラウニーさんが持ってる手紙がすごく気になった。
「それは、なんですか?」
「これは、アルドーラ公国のスペンサー王子からの手紙でち!」
「……え? 手紙を渡してからまだ数日くらいしか経ってないですよね?」
「でち! ブラウニー特有の空間転移魔法でち!」
「えええー……」
何? ブラウニーってそんな特異な魔法が使える設定だったけ? 私の知ってるブラウニーさんで家の維持とかそういうことしかできなかった印象があるんだけど? あれ? 私の記憶違いだったのかな? でもブラウニーさんを使って手紙配達とか頼んだ事なかったから……。
で、でもブラウニーさんの空間転移魔法が使えるなら、好きな国に行きたい放題なんじゃ?
「そ、それって、誰にでも使えるの?」
「使えるでち!」
私の質問にブラウニーさんは即答で返してきた。
こ、これは流通業界だけじゃなくて移動手段にも革命が起こせるかも……。
「でも生物に使うとミンチになるでち!」
「あ……そうなのね……」
どうやら、そんなにうまい話はないようだけど無機物なら移動できるってことだけで流通業界に革命が起こせる!
私は、ブラウニーさんが差し出してきた手紙を受け取り中身を確認する。
そこには、アルドーラ公国が全面的に私と取引をしたいと書かれていた。
しかも、アルドーラ公国の王子スペンサーと大公であるフィンデル・ド・アルドーラの名前も一緒に書かれている。
そして、魔法帝国ジールの転移魔法師を手配し3日後には、ミトンの町へ訪れる旨が書かれていた。
これは思ったより、ずっと早く事態が動きそう。
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