公爵令嬢は結婚したくない!
商工会議を設立しましょう!(7)
お家の中に足を踏み入れると、まだ埃が至る所にあり妖精さん達が一生懸命掃除をしているけど終わるまで時間がかかるのが分かる。
家は平屋建てで天井の一部が抜けていて空が見えてしまう。
「お姉ちゃん?」
「うん?」
私は、先ほど話しかけてきて今も話しかけてきた女の子を見る。
よく見ると洋服も汚れていて、洗ってないのが分かるし髪の毛も体も全体的に汚れていた。
昨日の夜に聞いた限りでは、亡くなられた女性はリエナさんという女性で、私に話しかけてきているリサのお姉さんだったらしい。
リサのお姉さんは、奴隷として連れていかれた両親の代わりに日雇いの仕事をして生計を立てていたおり、その時に同じ境遇のような子供達を見かねて保護しては面倒を見ていたみたい。
リサちゃんは、年齢は7歳でお姉さんは15歳だったようだ。
日本で言うと、まだ中学生なのに……それなのにとてもひどい。
それでも、それがこの国の実態なのだろう。
誰も手と貸せないんじゃなくて貸せる余裕がないんだ。
誰かに手を差し伸べる事が出来る人は、余裕のある人か自分を犠牲に出来る人だ。
だから、本当に酷い政策をこの国はしているんだろう。
小さい頃に、お母様や家庭教師の方に海洋国家ルグニカは奴隷制度を推奨していて、民を扱う上では勉強になると言っていたけど……そんなのはまやかしだ。
誰かの犠牲の上に成り立つ幸せなんて、そんなのは本当の幸せじゃない。
なんとかしないと……。
「どうしたの? なんかお姉ちゃん……怖い」
「ううん、なんでもないのよ」
私は、屈むとリサちゃんと同じ視線で語る。
そして頭を撫でながら、お風呂に入れた方がいいよねと思う。
「とりあえず、みんなの様子を見にいきましょう」
私はリサちゃんを抱き上げると歩き出し隣の部屋に入る。
そこには昨日、治療をした5歳から10歳くらいまでの少年少女が座っていて、私が入ってくると一斉に視線を向けてきた。
その視線は、私を敵視していた。
10歳くらいの男の子が私に近づいてくると「どうして、リエナお姉ちゃんを助けてくれなかったんだよ!」と、私に言って来た。
すると次々と、自分達の病気を治してくれたのに、どうして助けてくれなかったの? と心の淀みを私に告げてくる。
そこで私はようやく理解した。
この子達は、私が魔法で治療を施してからずっと自分を責め続けていたんだと。
子供達も分かってはいるのだ。
私に理不尽な事を言っている事を。
それでも、言わずには誰かに当たらないとぶつけないと心の安定が保てないのだ。
何故なら、子供は自分の感情をどうやって制御していいか分からないから。
だから、私に言うしかない。
ここで、子供達に助けられなかった事を、どうして助けられなかったかと倫理立てて説明する事は簡単だと思う。
きっと、心の中では理解しているのだから。
でも、それが子供達のためになるのかと言うと、それは違うと思う。
だから……。
「ごめんね、私が未熟だったからリエナお姉さんを助けらなかったの。本当にごめんね」
私の言葉を聞いた子供達は、泣き出してしまう。
私が非を認める発言をすれば私が悪物になる。
そうすれば子供達の怒りの矛先が子供達自身ではなく私に向かい子供達の心の中にある淀みが減り明日生きる原動力になるかもしれない。
私は泣きだした子供達を抱きしめる。
抱きしめた子供の泣き声が大きくなっていき次々と連鎖するように泣きだし始めてしまう。
私はあたふたしながら子供達を抱きしめていくと、全員が私に抱きつくようにして泣いてしまった。
そして……気がつけば子供達は、みんな私の周りで疲れて寝てしまっていた。
私は、子供達を見ながら小さく溜息をつくと。
「……もういいか?」
気がつけば、部屋の入り口に5人ほどの兵士さん達とレイルさんが立っていて布団や枕などを持ってきていた。
それに清潔そうなタオルや布で作られたワンピースのような物もたくさん持ってきている。
私は、子供達に囲まれてる様子に顔を赤くした後に頷く。
「はい、部屋の中に布団を敷いて頂けますか?」
「分かった。お前ら、子供を起こさないようにして布団を敷けるな?」
レイルさんの指示で、兵士さん達は私の方を何度も見ながら布団を敷いていく。
私は、【身体強化】の魔法を使いつつ子供達を、部屋の中に敷かれた御布団の上に下ろしていく。
兵士さん達が手伝おうとしたけど、私は丁重に断った。
見ず知らずの男性に運ばれるよりかは、さっきまで一緒にいた私が運んだ方がいいと思うから。
全員を御布団に寝かせ、私は立ち上がると部屋を出る。
兵士さん達も部屋から出てくるのを確認した後に家からでると。
「レイル、なかなかの働きでした。今回は助かりました。そこでレイル、貴方に命令です。宿屋のフェリスさんには、しばらく私はここに逗留する事を伝えてください」
私の言葉にレイルさんが露骨に嫌そうな顔を向けてくる。
「ここで、町の有力者と話し合いをするのか?」
「あ……いいえ、その時は別の場所を設けましょう」
「……なら、いいが……お前、本当は……「今日は、御苦労さまでした。お戻りになられて結構です」……」
私はレイルさんが何か言う前に言葉を被せることで発言を封じる。
きっとレイルさんの話しの流れからして、何か言ってくる事は明白だから。
それに、私がここを離れる訳にいかない。
だって、子供達は私がいなくなったら自分達のせいでいなくなったと自分自身を責めてしまうから。
私の言葉に、しばらく沈黙していたレイルさんと兵士さん達は皆一様に溜息をつくと詰め所の方へと返っていった。
私はその様子を見ながら溜息をつく。
とにかく清潔な布や洋服を、気を効かせたのか持ってきてくれたのは良かった。
「まずは食事を作りましょう」
子供達が起きてくるまでが勝負ですからね。
10人分のハンバーグですから、それだけの量を作るのは女子寮以来でしょうか。
まずは、美味しい料理を食べてもらいましょう。
お腹が膨れれば少しは違うはずです!
家は平屋建てで天井の一部が抜けていて空が見えてしまう。
「お姉ちゃん?」
「うん?」
私は、先ほど話しかけてきて今も話しかけてきた女の子を見る。
よく見ると洋服も汚れていて、洗ってないのが分かるし髪の毛も体も全体的に汚れていた。
昨日の夜に聞いた限りでは、亡くなられた女性はリエナさんという女性で、私に話しかけてきているリサのお姉さんだったらしい。
リサのお姉さんは、奴隷として連れていかれた両親の代わりに日雇いの仕事をして生計を立てていたおり、その時に同じ境遇のような子供達を見かねて保護しては面倒を見ていたみたい。
リサちゃんは、年齢は7歳でお姉さんは15歳だったようだ。
日本で言うと、まだ中学生なのに……それなのにとてもひどい。
それでも、それがこの国の実態なのだろう。
誰も手と貸せないんじゃなくて貸せる余裕がないんだ。
誰かに手を差し伸べる事が出来る人は、余裕のある人か自分を犠牲に出来る人だ。
だから、本当に酷い政策をこの国はしているんだろう。
小さい頃に、お母様や家庭教師の方に海洋国家ルグニカは奴隷制度を推奨していて、民を扱う上では勉強になると言っていたけど……そんなのはまやかしだ。
誰かの犠牲の上に成り立つ幸せなんて、そんなのは本当の幸せじゃない。
なんとかしないと……。
「どうしたの? なんかお姉ちゃん……怖い」
「ううん、なんでもないのよ」
私は、屈むとリサちゃんと同じ視線で語る。
そして頭を撫でながら、お風呂に入れた方がいいよねと思う。
「とりあえず、みんなの様子を見にいきましょう」
私はリサちゃんを抱き上げると歩き出し隣の部屋に入る。
そこには昨日、治療をした5歳から10歳くらいまでの少年少女が座っていて、私が入ってくると一斉に視線を向けてきた。
その視線は、私を敵視していた。
10歳くらいの男の子が私に近づいてくると「どうして、リエナお姉ちゃんを助けてくれなかったんだよ!」と、私に言って来た。
すると次々と、自分達の病気を治してくれたのに、どうして助けてくれなかったの? と心の淀みを私に告げてくる。
そこで私はようやく理解した。
この子達は、私が魔法で治療を施してからずっと自分を責め続けていたんだと。
子供達も分かってはいるのだ。
私に理不尽な事を言っている事を。
それでも、言わずには誰かに当たらないとぶつけないと心の安定が保てないのだ。
何故なら、子供は自分の感情をどうやって制御していいか分からないから。
だから、私に言うしかない。
ここで、子供達に助けられなかった事を、どうして助けられなかったかと倫理立てて説明する事は簡単だと思う。
きっと、心の中では理解しているのだから。
でも、それが子供達のためになるのかと言うと、それは違うと思う。
だから……。
「ごめんね、私が未熟だったからリエナお姉さんを助けらなかったの。本当にごめんね」
私の言葉を聞いた子供達は、泣き出してしまう。
私が非を認める発言をすれば私が悪物になる。
そうすれば子供達の怒りの矛先が子供達自身ではなく私に向かい子供達の心の中にある淀みが減り明日生きる原動力になるかもしれない。
私は泣きだした子供達を抱きしめる。
抱きしめた子供の泣き声が大きくなっていき次々と連鎖するように泣きだし始めてしまう。
私はあたふたしながら子供達を抱きしめていくと、全員が私に抱きつくようにして泣いてしまった。
そして……気がつけば子供達は、みんな私の周りで疲れて寝てしまっていた。
私は、子供達を見ながら小さく溜息をつくと。
「……もういいか?」
気がつけば、部屋の入り口に5人ほどの兵士さん達とレイルさんが立っていて布団や枕などを持ってきていた。
それに清潔そうなタオルや布で作られたワンピースのような物もたくさん持ってきている。
私は、子供達に囲まれてる様子に顔を赤くした後に頷く。
「はい、部屋の中に布団を敷いて頂けますか?」
「分かった。お前ら、子供を起こさないようにして布団を敷けるな?」
レイルさんの指示で、兵士さん達は私の方を何度も見ながら布団を敷いていく。
私は、【身体強化】の魔法を使いつつ子供達を、部屋の中に敷かれた御布団の上に下ろしていく。
兵士さん達が手伝おうとしたけど、私は丁重に断った。
見ず知らずの男性に運ばれるよりかは、さっきまで一緒にいた私が運んだ方がいいと思うから。
全員を御布団に寝かせ、私は立ち上がると部屋を出る。
兵士さん達も部屋から出てくるのを確認した後に家からでると。
「レイル、なかなかの働きでした。今回は助かりました。そこでレイル、貴方に命令です。宿屋のフェリスさんには、しばらく私はここに逗留する事を伝えてください」
私の言葉にレイルさんが露骨に嫌そうな顔を向けてくる。
「ここで、町の有力者と話し合いをするのか?」
「あ……いいえ、その時は別の場所を設けましょう」
「……なら、いいが……お前、本当は……「今日は、御苦労さまでした。お戻りになられて結構です」……」
私はレイルさんが何か言う前に言葉を被せることで発言を封じる。
きっとレイルさんの話しの流れからして、何か言ってくる事は明白だから。
それに、私がここを離れる訳にいかない。
だって、子供達は私がいなくなったら自分達のせいでいなくなったと自分自身を責めてしまうから。
私の言葉に、しばらく沈黙していたレイルさんと兵士さん達は皆一様に溜息をつくと詰め所の方へと返っていった。
私はその様子を見ながら溜息をつく。
とにかく清潔な布や洋服を、気を効かせたのか持ってきてくれたのは良かった。
「まずは食事を作りましょう」
子供達が起きてくるまでが勝負ですからね。
10人分のハンバーグですから、それだけの量を作るのは女子寮以来でしょうか。
まずは、美味しい料理を食べてもらいましょう。
お腹が膨れれば少しは違うはずです!
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