公爵令嬢は結婚したくない!
絡み取られたユウティーシア(sideエイル王子)
そこまで考えたところで私はふと現実に直面した。
ユウティーシア・フォン・シュトロハイムは、一人でアルドーラ公国と対等に渡り合える程の魔法師であり、リースノット王国を囲っている天然の要塞と化している山脈すら魔法で吹き飛ばす程の力を備えている。
そんな化け物をどうやって従える事が出来るのか、私にはその方法が想像もつかない。
「それではご納得頂けたようですので――ユウティーシア公爵令嬢をどうやって籠絡させるかお教えいたしましょう。
まず、彼女は初対面の相手そして自分に危害を加えない相手には無防備になる癖があります。
それと、彼女はその強大な魔法力ゆえに防御魔法を覚えていません」
スピカと名乗った女が告げてきた言葉に私は絶句した。
防御魔法は、魔法師になる上で最初に教えられるものだ。
それを使えないと言う事は、何の装備ももたずに魔物と相対するに等しい。
「そんな訳があるか! ユウィテーシア公爵令嬢は、王宮筆頭魔法師なのだぞ?」
「それは彼女の攻撃魔法に目を眩まされた愚かな人間が、彼女の致命的欠点に気がついていないだけです。そして、そこに彼女の最大の弱点があります」
「弱点?」
私はスピカの言葉に首を傾げる。
あれだけの魔力を持っている時点で普通の魔法など、ユウティーシア公爵令嬢には意味を成さない。
何故なら、攻撃魔法を発動させる上で上位の魔法師が居た場合、魔法現象は上位の魔法師に自動的に味方してしまうのだから。
だから彼女には、攻撃魔法は通じない。
だからこそ魔力量の強弱は魔法師にとって最大のアドバンテージになり得るしその逆もある。
だからこそ、私より魔力量が高いクラウスには、私では歯が立たないのだ。
「はい、彼女は――ユウティーシア公爵令嬢は、貴族とは思えないほど性根がやさしいのです。どんなに身分が低い者であっても彼女は対等に接しようとする。それはつまり……心を開いていると言う事に他なりません。貴族学院の女子寮の運営を見ていればわかりますし、彼女がどれだけの私財を公共事業や福祉、孤児に投資しているのからも読みとれます」
私はスピカの言葉に眉元をひそめた。
孤児と福祉に私財を投入している? 10歳もそこらの子供が? にわかには信じられない話だ。
そんな私の考えを表情から読み取ったのだろう……スピカが羊皮紙の束を、この私に差し出してきた。
「バカな……」
羊皮紙を読み解くにつれて私は驚きを超えて恐怖すら覚えてしまう。
この羊皮紙に書かれている事が本当なら、ユウティーシア公爵令嬢は5歳の頃から多くの発明を行い、その利益の大半ではなくほぼ全てを福祉や公共事業に当てている事になる。
「これは……本当の事なのか?」
「そうです。本当の事ですよ?」
スピカの言葉に、私は自分が思い描いていた他国に負けない強国への考えをユウティーシアが以前から行っていた事に感動すら覚えた。
「なるほど――」
私は羊皮紙を見ながら、10歳の身でありながら膨大な利益の大半を国の為に使うユウティーシアに興味が沸く。
それは――。
「分かった。それで……ユウティーシア公爵令嬢を手に入れるにはどうしたらいい?」
彼女も私と同じように、同じ目線で国を強くしようとしている。
そして、この5年の間の急激な進歩は全てユウティーシア公爵令嬢を中心に動いている。
それをウラヌス公爵が隠しているだけ……。
「そうですね。まずは5年待ちましょう」
「5年?」
「はい、貴族学院に彼女は通っているのですから……結婚が出来るのは成人してからとなりますから」
「たしかに……5年立てば16歳間近だな……」
私は頷きながらもどこか釈然としなかったが……。
利権だけ言えば国の年間財政の2割を超える資産を持つユウティーシアを妻にする意味は大きいし、白色魔宝石を作れる力をも加味するならばユウティーシアを手に入れるのは強国にするための必須条件だ。
「分かった。それで、私は何をすればいい?」
「そうですね、まずは5年の間に精神支配の魔法を覚えてもらいましょうか?」
「バカな!」
私は、声を荒げた。
精神支配の魔法は全世界で共通認識として禁忌の魔法として封印されていて魔法書を読む事も禁じられている。
そのような物を使ったと噂されるだけでも、大陸最大の宗教国家リメイラールと魔法大国ジールを敵に回しかねない。
「エイル王子、落ち着いてください。精神魔法は使う者は拷問をする特殊な役職に限っています。それはつまり――誰も精神魔法がどのような物かを知らないと言う事です。知らないと言う事は噂される事も無いと言う事ですよ? 問題というのは問題にしない限り問題にはならないのです。それに――」
「それに?」
私は一度言葉を切ったスピカに問いかけるが彼女は笑う。
いや――声を上げて笑う事はしないが、どこまでも深い微笑だけが、口元だけがローブから見える。
そして、その笑みに私は一瞬狂気を感じた。
「気がついた時にはもう遅いです。ユウティーシア公爵令嬢を使い魔としてエイル王子、貴方が使役出来るころには世界を一度、ユウティーシア公爵令嬢の力を使って滅ぼしてしまえばいいのです。そうすれば誰も文句を言う者はいないでしょう?」
私は部屋の中で数歩後ろに下がる。
顎から水滴が垂れる。
違う……これは冷や汗だ。
なんだ、この目の前にいるのは一体、何なのだ?
「エイル王子、私達は貴方の味方です。私達はこの星には特に要はありません。ただ欲しい者があるだけです。貴方にはその強力をして頂ければいいだけです。世界の王、素晴らしい言葉ではありませんか?」
言っている事が理解できない。
だが――一つだけハッキリとした事がある。
この女は、私が断れば王族である私すら躊躇なく殺すつもりだ。
「わ、わかった」
私には頷く事しかできなかった。
ユウティーシア公爵令嬢を殺すかどうかは別としても……彼女には興味があったのだから。
――そして5年後。
ユウティーシアの母親であるエレンシア・フォン・シュトロハイムから招待状が届いた。
どうやら、婚約者である私と娘を引き合わせたいという思いがあったらしい。
ユウティーシア嬢とどうやって会うかを考えていた私として、その申し出は願ったり叶ったりであった。
すぐに支度をしシュトロハイム公爵家の別宅に案内され、パーティ会場に足を踏み入れるとすぐにユウティーシア公爵令嬢は見つかった。
煌びやかな多くの美しい女性達の中においてもその美貌は群を抜いていた。
そして、動きのどれか一つをとっても貴族らしく気品があり繊細優美であり、一目を引かない方がおかしい。
私は、一目で恋に落ちた。
それと同時に、彼女と話したいという欲求に駆られた。
近づいていき話しかけると、彼女は突然の婚約者である私に驚いたのか驚いているようで幾つもの表情を私に見せてきた。
王宮内や王家主催の夜会で私に話しかけてくるような、私の機嫌を窺うような計算された表情を見せてくる貴族の令嬢とは違い、とても愛くるしい。
先ほどまでの貴族らしい姿との差がまた愛おしい。
そこで私は気がついてしまう。
この女性を私が殺す?
馬鹿を言え。
こんな女性を殺すなんて、それこそ国にとっての損失だろう。
ただ、ユウティーシア令嬢の目はとても強い光と湛えているように感じた。
これは精神魔法を修めた者にしか分からない者かも知れないが、普通に口説いてはユウティーシアを手に入れる事は出来ないのかもしれない。
だから私は――誓いの制約の魔法を彼女の手の甲にキスをした時に彼女の体に刻印した。
何の抵抗もなく誓いの制約の魔法を彼女――ユウティーシアの体は受け入れた。
私は、あまりの呆気なさに内心驚きながらもスピカが言っていた他人に忌避感を抱かないというアドバイスに頷いてしまっていた。
そしてスピカのアドバイスの通り、ユウティーシアの大事にしていた物を奪い精神と心が疲弊した所で悪夢を見せ続けた。
夢の中でユウティーシアを観察していて分かる。
日に日に彼女は、現実から目を背けていく。
だから、夢の中で少しずつ私が出る頻度を上げていきユウティーシアの心の支えになるような立ち振る舞いをしていく。
夢から覚めてしまえば、忘れてしまうかもしれないがそれでも心の奥底に根付いた記憶は消えない。
これもスピカからのアドバイスによるものであったが、2週間を過ぎる頃からは私の姿を夢の中で見せるとユウティーシアは私に頬笑みかけてくれるようになった。
それと同時に、妹のアリシアに憎しみを抱くように夢を操った。
そんな毎日を続けて3週間が経過する頃、ユウティーシアが貴族学院に来るという日に合わせて私は本校の前で待ち構えた。
どのくらいユウティーシアが疲弊しているのか、そして仕上がっているのかを確認するために……。
馬車から下りた私のユウィテーシアを一目見て私は理解した。
化粧で誤魔化してはいるが3週間に及ぶ悪夢で疲れ切っていると。
あとは――ひと押しだけ。
ユウティーシアに近づき、疲弊している彼女の心の扉を精神魔法で抉じ開けて私の言いなりにする。
無防備な彼女は、私の言葉に魔法に簡単に落ちた。
結婚の宣言まで言わせる事が出来たのは偶然であったが、その言葉を聞いた時にようやく私はクラウスに勝ったと実感が沸いてくる。
笑みが止まらない。
それと同時に、ユウティーシアがとても愛おしく感じられてしまう。
やはり、私にはユウティ―シアを殺す事は出来ない。
まぁ――いい。
ユウティーシアを精神魔法で私色に染め上げてから王とスピカを殺させればいいだけだ。
国の権力を握れば後は如何様にもできる。
私は力強くユウティーシアの体を抱きしめると、彼女は私の体に手をまわしてくる。
それすら精神魔法で操作していると感じると征服感に心が躍る。
ユウティーシア・フォン・シュトロハイムは、一人でアルドーラ公国と対等に渡り合える程の魔法師であり、リースノット王国を囲っている天然の要塞と化している山脈すら魔法で吹き飛ばす程の力を備えている。
そんな化け物をどうやって従える事が出来るのか、私にはその方法が想像もつかない。
「それではご納得頂けたようですので――ユウティーシア公爵令嬢をどうやって籠絡させるかお教えいたしましょう。
まず、彼女は初対面の相手そして自分に危害を加えない相手には無防備になる癖があります。
それと、彼女はその強大な魔法力ゆえに防御魔法を覚えていません」
スピカと名乗った女が告げてきた言葉に私は絶句した。
防御魔法は、魔法師になる上で最初に教えられるものだ。
それを使えないと言う事は、何の装備ももたずに魔物と相対するに等しい。
「そんな訳があるか! ユウィテーシア公爵令嬢は、王宮筆頭魔法師なのだぞ?」
「それは彼女の攻撃魔法に目を眩まされた愚かな人間が、彼女の致命的欠点に気がついていないだけです。そして、そこに彼女の最大の弱点があります」
「弱点?」
私はスピカの言葉に首を傾げる。
あれだけの魔力を持っている時点で普通の魔法など、ユウティーシア公爵令嬢には意味を成さない。
何故なら、攻撃魔法を発動させる上で上位の魔法師が居た場合、魔法現象は上位の魔法師に自動的に味方してしまうのだから。
だから彼女には、攻撃魔法は通じない。
だからこそ魔力量の強弱は魔法師にとって最大のアドバンテージになり得るしその逆もある。
だからこそ、私より魔力量が高いクラウスには、私では歯が立たないのだ。
「はい、彼女は――ユウティーシア公爵令嬢は、貴族とは思えないほど性根がやさしいのです。どんなに身分が低い者であっても彼女は対等に接しようとする。それはつまり……心を開いていると言う事に他なりません。貴族学院の女子寮の運営を見ていればわかりますし、彼女がどれだけの私財を公共事業や福祉、孤児に投資しているのからも読みとれます」
私はスピカの言葉に眉元をひそめた。
孤児と福祉に私財を投入している? 10歳もそこらの子供が? にわかには信じられない話だ。
そんな私の考えを表情から読み取ったのだろう……スピカが羊皮紙の束を、この私に差し出してきた。
「バカな……」
羊皮紙を読み解くにつれて私は驚きを超えて恐怖すら覚えてしまう。
この羊皮紙に書かれている事が本当なら、ユウティーシア公爵令嬢は5歳の頃から多くの発明を行い、その利益の大半ではなくほぼ全てを福祉や公共事業に当てている事になる。
「これは……本当の事なのか?」
「そうです。本当の事ですよ?」
スピカの言葉に、私は自分が思い描いていた他国に負けない強国への考えをユウティーシアが以前から行っていた事に感動すら覚えた。
「なるほど――」
私は羊皮紙を見ながら、10歳の身でありながら膨大な利益の大半を国の為に使うユウティーシアに興味が沸く。
それは――。
「分かった。それで……ユウティーシア公爵令嬢を手に入れるにはどうしたらいい?」
彼女も私と同じように、同じ目線で国を強くしようとしている。
そして、この5年の間の急激な進歩は全てユウティーシア公爵令嬢を中心に動いている。
それをウラヌス公爵が隠しているだけ……。
「そうですね。まずは5年待ちましょう」
「5年?」
「はい、貴族学院に彼女は通っているのですから……結婚が出来るのは成人してからとなりますから」
「たしかに……5年立てば16歳間近だな……」
私は頷きながらもどこか釈然としなかったが……。
利権だけ言えば国の年間財政の2割を超える資産を持つユウティーシアを妻にする意味は大きいし、白色魔宝石を作れる力をも加味するならばユウティーシアを手に入れるのは強国にするための必須条件だ。
「分かった。それで、私は何をすればいい?」
「そうですね、まずは5年の間に精神支配の魔法を覚えてもらいましょうか?」
「バカな!」
私は、声を荒げた。
精神支配の魔法は全世界で共通認識として禁忌の魔法として封印されていて魔法書を読む事も禁じられている。
そのような物を使ったと噂されるだけでも、大陸最大の宗教国家リメイラールと魔法大国ジールを敵に回しかねない。
「エイル王子、落ち着いてください。精神魔法は使う者は拷問をする特殊な役職に限っています。それはつまり――誰も精神魔法がどのような物かを知らないと言う事です。知らないと言う事は噂される事も無いと言う事ですよ? 問題というのは問題にしない限り問題にはならないのです。それに――」
「それに?」
私は一度言葉を切ったスピカに問いかけるが彼女は笑う。
いや――声を上げて笑う事はしないが、どこまでも深い微笑だけが、口元だけがローブから見える。
そして、その笑みに私は一瞬狂気を感じた。
「気がついた時にはもう遅いです。ユウティーシア公爵令嬢を使い魔としてエイル王子、貴方が使役出来るころには世界を一度、ユウティーシア公爵令嬢の力を使って滅ぼしてしまえばいいのです。そうすれば誰も文句を言う者はいないでしょう?」
私は部屋の中で数歩後ろに下がる。
顎から水滴が垂れる。
違う……これは冷や汗だ。
なんだ、この目の前にいるのは一体、何なのだ?
「エイル王子、私達は貴方の味方です。私達はこの星には特に要はありません。ただ欲しい者があるだけです。貴方にはその強力をして頂ければいいだけです。世界の王、素晴らしい言葉ではありませんか?」
言っている事が理解できない。
だが――一つだけハッキリとした事がある。
この女は、私が断れば王族である私すら躊躇なく殺すつもりだ。
「わ、わかった」
私には頷く事しかできなかった。
ユウティーシア公爵令嬢を殺すかどうかは別としても……彼女には興味があったのだから。
――そして5年後。
ユウティーシアの母親であるエレンシア・フォン・シュトロハイムから招待状が届いた。
どうやら、婚約者である私と娘を引き合わせたいという思いがあったらしい。
ユウティーシア嬢とどうやって会うかを考えていた私として、その申し出は願ったり叶ったりであった。
すぐに支度をしシュトロハイム公爵家の別宅に案内され、パーティ会場に足を踏み入れるとすぐにユウティーシア公爵令嬢は見つかった。
煌びやかな多くの美しい女性達の中においてもその美貌は群を抜いていた。
そして、動きのどれか一つをとっても貴族らしく気品があり繊細優美であり、一目を引かない方がおかしい。
私は、一目で恋に落ちた。
それと同時に、彼女と話したいという欲求に駆られた。
近づいていき話しかけると、彼女は突然の婚約者である私に驚いたのか驚いているようで幾つもの表情を私に見せてきた。
王宮内や王家主催の夜会で私に話しかけてくるような、私の機嫌を窺うような計算された表情を見せてくる貴族の令嬢とは違い、とても愛くるしい。
先ほどまでの貴族らしい姿との差がまた愛おしい。
そこで私は気がついてしまう。
この女性を私が殺す?
馬鹿を言え。
こんな女性を殺すなんて、それこそ国にとっての損失だろう。
ただ、ユウティーシア令嬢の目はとても強い光と湛えているように感じた。
これは精神魔法を修めた者にしか分からない者かも知れないが、普通に口説いてはユウティーシアを手に入れる事は出来ないのかもしれない。
だから私は――誓いの制約の魔法を彼女の手の甲にキスをした時に彼女の体に刻印した。
何の抵抗もなく誓いの制約の魔法を彼女――ユウティーシアの体は受け入れた。
私は、あまりの呆気なさに内心驚きながらもスピカが言っていた他人に忌避感を抱かないというアドバイスに頷いてしまっていた。
そしてスピカのアドバイスの通り、ユウティーシアの大事にしていた物を奪い精神と心が疲弊した所で悪夢を見せ続けた。
夢の中でユウティーシアを観察していて分かる。
日に日に彼女は、現実から目を背けていく。
だから、夢の中で少しずつ私が出る頻度を上げていきユウティーシアの心の支えになるような立ち振る舞いをしていく。
夢から覚めてしまえば、忘れてしまうかもしれないがそれでも心の奥底に根付いた記憶は消えない。
これもスピカからのアドバイスによるものであったが、2週間を過ぎる頃からは私の姿を夢の中で見せるとユウティーシアは私に頬笑みかけてくれるようになった。
それと同時に、妹のアリシアに憎しみを抱くように夢を操った。
そんな毎日を続けて3週間が経過する頃、ユウティーシアが貴族学院に来るという日に合わせて私は本校の前で待ち構えた。
どのくらいユウティーシアが疲弊しているのか、そして仕上がっているのかを確認するために……。
馬車から下りた私のユウィテーシアを一目見て私は理解した。
化粧で誤魔化してはいるが3週間に及ぶ悪夢で疲れ切っていると。
あとは――ひと押しだけ。
ユウティーシアに近づき、疲弊している彼女の心の扉を精神魔法で抉じ開けて私の言いなりにする。
無防備な彼女は、私の言葉に魔法に簡単に落ちた。
結婚の宣言まで言わせる事が出来たのは偶然であったが、その言葉を聞いた時にようやく私はクラウスに勝ったと実感が沸いてくる。
笑みが止まらない。
それと同時に、ユウティーシアがとても愛おしく感じられてしまう。
やはり、私にはユウティ―シアを殺す事は出来ない。
まぁ――いい。
ユウティーシアを精神魔法で私色に染め上げてから王とスピカを殺させればいいだけだ。
国の権力を握れば後は如何様にもできる。
私は力強くユウティーシアの体を抱きしめると、彼女は私の体に手をまわしてくる。
それすら精神魔法で操作していると感じると征服感に心が躍る。
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