公爵令嬢は結婚したくない!
もう怒ってもいいよね?
「ふむ……それにしても悪い意味でクラウス殿下は暴走しているね」
怯えている私にウラヌス公爵は話しかけてきた。
私は震えながら話しを聞く。
「それにしても――ティア嬢、君も女性らしく男に怯える事があるのだね」
「え?」
私は、ウラヌス卿の話しを聞いて視線をウラヌス公爵に向けてから……自分が一体どうしているのか何をしているのか理解してしまう。
男の人に言い寄られて追い詰められて怯えて誰かに縋りついている。
そんなの……そんなの私のキャラじゃない!
私は、先ほどまで何故あんなに怯えていたのかと首を傾げる。
私の知識の中を参照する限りでは、精神は肉体に引っ張られるか、もしくは周囲の扱いにより無意識に影響されていくと有る。
つまり、私は5年以上もの間ずっと女子寮と学校の往復をして子供が埋める体に成った事でその影響をモロに受けたってことかな?
そう考えると全部の説明がついてしまう。
ふう――マズイです。
これは非常にマズイです。
自分が意識してない状況下で、考えが女子よりになってしまうのは非常にマズイですね。
だって、それはアイデンテイテイの崩壊に繋がってしまうから。
少し横文字を連想して難しく考えてみましたけど、自意識崩壊と言ったところかな?
「ウラヌス公爵、もう大丈夫です」
「そ、そうか?」
私を抱き上げてくれていたウラヌス公爵は、私をゆっくりと王城の通路に下ろしてくれた。
「ご迷惑をおかけしました。さすがウラヌス公爵です、頭の中がスッキリとしました」
私は笑みを浮かべる。
その私の笑みを見てウラヌス公爵の顔が引き攣る。
「ユ……ユウティーシア嬢?」
「はい、なんでしょうか? ウラヌス公爵様」
私は、ウラヌス公爵に微笑みながら返答する。
そして私は王城議会室へ歩きだす。
妹のアリシアのために、私が犠牲にならないといけない?
先ほどまでの私は何を甘い事を考えていたのか。
私に喧嘩を売ってきたら、それ以上の暴力で相手を叩きつぶせばいいだけなのに、先ほどまでの私は甘すぎですね。
私は城内を歩き議会室前に到着する。
そして――。
【種火】の魔法を発動。
議会室の扉を吹き飛ばす。
吹き飛んだ議会室の両開き扉は回転をしながら議会室の反対側の壁にめり込んで止まる。
議会室に着席していたグルガード国王陛下やクラウス殿下。
そしてお父様や妹のアリシアにハデス公爵が私の姿を見て呆けている。
私は議会室の中を見回す。
議会室は左手に国の重鎮が集まっており、右手には官僚や法衣貴族に地方貴族が集まって着席していた。
私は何も置かれていない中央部分を歩いていく。
そして部屋の中央についた所で、グルガード国王陛下を見る。
「お久しぶりです、国王陛下。どうやらお約束を守って頂けてないようなので国を消し飛ばしてもいいですか?」
私は、にこやかにほほ笑む。
お父様は、魂が抜けたように座っているのが見える。
そして妹のアリシアは、よく理解していないのか周囲を見渡している。
「約束を守っていない? 私はクラウスに言うように……クラウース!」
グルガード国王陛下がクラウス様の名前を余裕の無い声で叫ぶ。
するとクラウス様がすぐに立ち上がり――。
「なんでしょうか? 父上」
「お前は、ユウティーシア嬢との婚約破棄をシュトロハイム家のバルザック卿に伝えてないのか?」
「そうですが何か?」
「何かではない! お前は国を滅ぼすつもりか!」
グルガード国王陛下の剣幕にクラウス殿下が首を傾げた。
そして私を見たあとに。
「問題ありません。たしかにユウティーシアは、魔力量は少ないですが稀有な才能を持っており私の伴侶として相応しい女性です。今回の扉の破壊は多少マイナスポイントですが……」
私は、グルガード国王陛下の言葉を聞きながらクラウス様の独断だと安心する。
なら叩きのめすのはクラウスだけでいいな。
ふう――。
ひさしぶりに草薙雄哉モード解禁だ!
俺は、クラウスを見ながら視線を向ける。
「おい!」
俺は、グルガードに語りかけると親父と妹が、俺を驚きの表情で見てきた。
そして俺の突然の変化に議会室が静まりかえった。
「ユウティーシア嬢、そのような言葉遣いは私の伴侶として相応しくは……「うるさい! 黙っていろ!」……」
俺は、一言でクラウスを黙らせる。
「グルガード、俺はお前に言ったよな? きちんと婚約破棄をしろと約束したよな? それが守られてないのはどういう了見だ。お前は国を消し飛ばされたいのか?」
豹変した俺の言葉にグルガード国王陛下は、口パクを繰り返している。
なるほど――驚きすぎて何と答えていいか分からないと?
「たしか、こっちの壁の向こう側は外だったよな?」
俺の言葉を聞いたウラヌス卿が、俺の言葉の意味を理解して俺を止めようと近づいてくるが遅い。
「【ファイアーボール】」
俺が作り出した直径30メートル近い火球が外部に面した壁を吹き飛ばし外壁のレンガを呑み込みながら直進し遥か先の山に着弾。
巨大な爆発を生み出す。
朝方と言う事もあり、標高2000メートル近い山の山頂付近が消し飛んだ様は良く見える。
俺は、グルガード国王陛下の方へ視線を向ける。
「さて、デモンストレーションは済んだ訳だが、俺の意見は通るよな? 通らないと言ったらどうなるか分かるよな?」
事態を呑み込めてない貴族達はようやく俺が力を見せつけて国王陛下を恫喝しようとしているのを理解したようだ。
まぁ、こいつらには何も出来ないがな!
「さて、クラウス。お前は俺に向かって色々を迫ってきたが、俺が嫌だと何度も見せたよな? それでも俺に言い寄って来るって事は、グルガードと俺が約束した婚約破棄を蔑にする事になる訳だが理解しているか? それとな、お前は魔法には多少自覚があるようだが――」
俺は魔力を極限まで高めた状態で手を先ほど着弾した山に向ける。
「上には上がいるってことを理解しろ!」
俺は【ファイアーボール】を打ち出す。
直径30メートルの火の球は音速でリースノット王国を囲っている標高2000メートルの山に直撃すると轟音と爆発の後に巨大なキノコ雲を発生させる。
そして煙が晴れた場所には山が消し飛んだ光景があった。
その様子を見たクラウスは――。
「ば、ばかな……私のユウティーシアがこんなことをするなんて……信じられ……それにこの魔法は神格級魔法? その上? 一体何の魔法なんだ?」
混乱に陥って一人ぶつぶつ呟いている。
俺は、クラウスに向けて言い放つ。
「今の魔法は神格魔法でも何でもない。ただのファイアーボールだ!」
俺の言葉にクラウスが膝からその場に崩れ落ちる。
それを見てからグルガードに視線を向ける。
「さて、グルガード。約束は守れるんだろうな? あと一つ追加しておくが妹のアリシアを魔法師筆頭にしたら国を滅ぼすからな? 分かったな?」
俺の言葉にグルガードが何度も頷いてくる。
こんなもんでいいだろう。
俺は、ユウティーシアモードに切り替える。
すると妹のアリシアが後ろから抱きついてきた。
「お姉さま! すごいです! かっこいいです! クラウスなんて目じゃないくらいです! でも男らしいから……おねにーさま?」
私は、溜息をつきながら妹の頭を撫でる。
そして――。
「アリシア、私の事はお姉さまですよ?」
私の言葉に妹は、首を傾げたあとに可愛らしく頷いてきた。
そんな私の様子を、お父様は魂が抜け燃え尽きた状態で椅子に座りながら「燃え尽きたぜ、そう真っ白にな」と一人ごとを呟いていた。
私は、議会室を見て思う。
これは修理が大変なんだろうなーと。
怯えている私にウラヌス公爵は話しかけてきた。
私は震えながら話しを聞く。
「それにしても――ティア嬢、君も女性らしく男に怯える事があるのだね」
「え?」
私は、ウラヌス卿の話しを聞いて視線をウラヌス公爵に向けてから……自分が一体どうしているのか何をしているのか理解してしまう。
男の人に言い寄られて追い詰められて怯えて誰かに縋りついている。
そんなの……そんなの私のキャラじゃない!
私は、先ほどまで何故あんなに怯えていたのかと首を傾げる。
私の知識の中を参照する限りでは、精神は肉体に引っ張られるか、もしくは周囲の扱いにより無意識に影響されていくと有る。
つまり、私は5年以上もの間ずっと女子寮と学校の往復をして子供が埋める体に成った事でその影響をモロに受けたってことかな?
そう考えると全部の説明がついてしまう。
ふう――マズイです。
これは非常にマズイです。
自分が意識してない状況下で、考えが女子よりになってしまうのは非常にマズイですね。
だって、それはアイデンテイテイの崩壊に繋がってしまうから。
少し横文字を連想して難しく考えてみましたけど、自意識崩壊と言ったところかな?
「ウラヌス公爵、もう大丈夫です」
「そ、そうか?」
私を抱き上げてくれていたウラヌス公爵は、私をゆっくりと王城の通路に下ろしてくれた。
「ご迷惑をおかけしました。さすがウラヌス公爵です、頭の中がスッキリとしました」
私は笑みを浮かべる。
その私の笑みを見てウラヌス公爵の顔が引き攣る。
「ユ……ユウティーシア嬢?」
「はい、なんでしょうか? ウラヌス公爵様」
私は、ウラヌス公爵に微笑みながら返答する。
そして私は王城議会室へ歩きだす。
妹のアリシアのために、私が犠牲にならないといけない?
先ほどまでの私は何を甘い事を考えていたのか。
私に喧嘩を売ってきたら、それ以上の暴力で相手を叩きつぶせばいいだけなのに、先ほどまでの私は甘すぎですね。
私は城内を歩き議会室前に到着する。
そして――。
【種火】の魔法を発動。
議会室の扉を吹き飛ばす。
吹き飛んだ議会室の両開き扉は回転をしながら議会室の反対側の壁にめり込んで止まる。
議会室に着席していたグルガード国王陛下やクラウス殿下。
そしてお父様や妹のアリシアにハデス公爵が私の姿を見て呆けている。
私は議会室の中を見回す。
議会室は左手に国の重鎮が集まっており、右手には官僚や法衣貴族に地方貴族が集まって着席していた。
私は何も置かれていない中央部分を歩いていく。
そして部屋の中央についた所で、グルガード国王陛下を見る。
「お久しぶりです、国王陛下。どうやらお約束を守って頂けてないようなので国を消し飛ばしてもいいですか?」
私は、にこやかにほほ笑む。
お父様は、魂が抜けたように座っているのが見える。
そして妹のアリシアは、よく理解していないのか周囲を見渡している。
「約束を守っていない? 私はクラウスに言うように……クラウース!」
グルガード国王陛下がクラウス様の名前を余裕の無い声で叫ぶ。
するとクラウス様がすぐに立ち上がり――。
「なんでしょうか? 父上」
「お前は、ユウティーシア嬢との婚約破棄をシュトロハイム家のバルザック卿に伝えてないのか?」
「そうですが何か?」
「何かではない! お前は国を滅ぼすつもりか!」
グルガード国王陛下の剣幕にクラウス殿下が首を傾げた。
そして私を見たあとに。
「問題ありません。たしかにユウティーシアは、魔力量は少ないですが稀有な才能を持っており私の伴侶として相応しい女性です。今回の扉の破壊は多少マイナスポイントですが……」
私は、グルガード国王陛下の言葉を聞きながらクラウス様の独断だと安心する。
なら叩きのめすのはクラウスだけでいいな。
ふう――。
ひさしぶりに草薙雄哉モード解禁だ!
俺は、クラウスを見ながら視線を向ける。
「おい!」
俺は、グルガードに語りかけると親父と妹が、俺を驚きの表情で見てきた。
そして俺の突然の変化に議会室が静まりかえった。
「ユウティーシア嬢、そのような言葉遣いは私の伴侶として相応しくは……「うるさい! 黙っていろ!」……」
俺は、一言でクラウスを黙らせる。
「グルガード、俺はお前に言ったよな? きちんと婚約破棄をしろと約束したよな? それが守られてないのはどういう了見だ。お前は国を消し飛ばされたいのか?」
豹変した俺の言葉にグルガード国王陛下は、口パクを繰り返している。
なるほど――驚きすぎて何と答えていいか分からないと?
「たしか、こっちの壁の向こう側は外だったよな?」
俺の言葉を聞いたウラヌス卿が、俺の言葉の意味を理解して俺を止めようと近づいてくるが遅い。
「【ファイアーボール】」
俺が作り出した直径30メートル近い火球が外部に面した壁を吹き飛ばし外壁のレンガを呑み込みながら直進し遥か先の山に着弾。
巨大な爆発を生み出す。
朝方と言う事もあり、標高2000メートル近い山の山頂付近が消し飛んだ様は良く見える。
俺は、グルガード国王陛下の方へ視線を向ける。
「さて、デモンストレーションは済んだ訳だが、俺の意見は通るよな? 通らないと言ったらどうなるか分かるよな?」
事態を呑み込めてない貴族達はようやく俺が力を見せつけて国王陛下を恫喝しようとしているのを理解したようだ。
まぁ、こいつらには何も出来ないがな!
「さて、クラウス。お前は俺に向かって色々を迫ってきたが、俺が嫌だと何度も見せたよな? それでも俺に言い寄って来るって事は、グルガードと俺が約束した婚約破棄を蔑にする事になる訳だが理解しているか? それとな、お前は魔法には多少自覚があるようだが――」
俺は魔力を極限まで高めた状態で手を先ほど着弾した山に向ける。
「上には上がいるってことを理解しろ!」
俺は【ファイアーボール】を打ち出す。
直径30メートルの火の球は音速でリースノット王国を囲っている標高2000メートルの山に直撃すると轟音と爆発の後に巨大なキノコ雲を発生させる。
そして煙が晴れた場所には山が消し飛んだ光景があった。
その様子を見たクラウスは――。
「ば、ばかな……私のユウティーシアがこんなことをするなんて……信じられ……それにこの魔法は神格級魔法? その上? 一体何の魔法なんだ?」
混乱に陥って一人ぶつぶつ呟いている。
俺は、クラウスに向けて言い放つ。
「今の魔法は神格魔法でも何でもない。ただのファイアーボールだ!」
俺の言葉にクラウスが膝からその場に崩れ落ちる。
それを見てからグルガードに視線を向ける。
「さて、グルガード。約束は守れるんだろうな? あと一つ追加しておくが妹のアリシアを魔法師筆頭にしたら国を滅ぼすからな? 分かったな?」
俺の言葉にグルガードが何度も頷いてくる。
こんなもんでいいだろう。
俺は、ユウティーシアモードに切り替える。
すると妹のアリシアが後ろから抱きついてきた。
「お姉さま! すごいです! かっこいいです! クラウスなんて目じゃないくらいです! でも男らしいから……おねにーさま?」
私は、溜息をつきながら妹の頭を撫でる。
そして――。
「アリシア、私の事はお姉さまですよ?」
私の言葉に妹は、首を傾げたあとに可愛らしく頷いてきた。
そんな私の様子を、お父様は魂が抜け燃え尽きた状態で椅子に座りながら「燃え尽きたぜ、そう真っ白にな」と一人ごとを呟いていた。
私は、議会室を見て思う。
これは修理が大変なんだろうなーと。
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KaZu.初心者【現在】
面白すぎる笑
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