公爵令嬢は結婚したくない!
妖精さんの生態系は謎に包まれてる。
「そうですか……」
国王陛下の言葉に私は戸惑いを覚える。
一度は家を出て他国へ報復してから、世界を巡ろうと考えた身。
それなのに、実家に戻るのはどうしても躊躇してしまう。
それに、お父様やお母様に弱音を言ってしまった……聞かれてしまった。
なのに……自宅にこのまま戻って話を聞く事なんて出来る訳がない。
「たしかに神代文明には興味はありますが、まずは自分が関与した貴族学院の対応を優先的に行いたと思います」
私は、それだけ国王陛下に伝えるとソファーから立ち上がる。
そして……広辞苑なみに分厚い本を2冊持つと部屋から出る。
部屋を出ると、そこには白い毛並みのケットシ―が座って待っていた。
私は溜息をつきながら部屋の中に振り返る。
「それでは、国王陛下。失礼いたします」
国王陛下に伝え、私はそのまま王宮を後にした。
王宮前の止めてあった、乗ってきた場所に乗り込む。
そして私は貴族学院への移動を依頼する。
馬車はゆっくりと動きはじめ、貴族エリアを過ぎて市民の城下町つまり大通りを通りぬけ貴族学院に到着する。
馬車は、貴族学院の停留所にとまる。
私は理事長用の本と、王宮魔法師筆頭の本をそれぞれ抱えると馬車から下りて女子寮に向かった。
女子寮の前には、何人もの騎士がいて何か作業をしているよう。
よく見ると天幕の回収をしているようで……私はそれを見て何となく理解してしまう。
私が守られる立場の者ではないと言う事を国が理解したのだろう。
警備の維持だけでもかなりのお金が掛ってしまう。
その結果、ウラヌス卿は速めに撤収の指示を出したのかもしれない。
私としても、見張られるのはケットシ―だけでいいと思い撤収には賛成。
溜息をつきながら私は、女子寮の扉を開けて中に入ると――。
「おかえりなさいませ」
スプリガンの妖精が勢ぞろいして頭を下げてきた。
私は一瞬、固まってしまった。
こんな風にスプリガンが私を出迎えをするなんて思わなかったから……。
「ただ今戻りました。他の寮生の方は問題ありませんか? 何か不自由されている事などあったら教えてくださいね」
私の言葉にスプリガンの方々は、頷いてくれる。
そして。
「それではユウティーシア様の魔力を少し分けて頂きたいのですが?」
と。答えてきた。
私は自分の魔力を、周囲に放射するように展開すると……スプリガンだけでなくブラウニーやケルピーまで近づいてくる。
そして堪能? したらそのままそれぞれの持ち場に戻っていく。
「うーん。私って燃料?」
私は思わず首を傾げながら考えてしまう。
そして玄関もとい入り口から建物の中を見渡す。
私が出て行った頃とほとんど変わりが……あった。
「すごい――」
私は思わず、口にしてしまう。
女子寮の廊下が……。
「――汚れている。これは速くなんとかしないといけませんね」
私は一人呟きながら、自分の部屋へ向かう。
でも、人数が増えたからかかなり汚れている。
ブラウニーさん達が通路を飛びまわって、必死に掃除をしてるけど追いついていないみたい。
深夜まで仕事をするとか……。
ブラックです。
労働なんとか局が存在していたら、きっと訴えられていますね。
某大手の何とか通みたいに……。
「ブラウニーさん、ブラウニーさん」
私は廊下でせっせと掃除をしている妖精さんに語りかける。
ブラウニーさんは「なに?」という顔をして近づいてくる。
私は、ブラウニーさんを手の平の上に乗せると、皆が寝ていた場合、起こしたらまずいので小さい声で話しかける。
「労働環境は大丈夫ですか? 大変でしたらお仲間の妖精さん達を連れて来てもいいんですよ?」
「大丈夫! 僕たちブラウニーは、求人をかけなくても勝手に来て勝手に住みついて勝手に掃除するから」
それはそれはもう本当に、ブラウニーさんは誇り高く胸を張って言いました。
でも――。
「それは、不法侵入ですから止めてくださいね?」
私の言葉に右手を上げて「はーい」と言って離れていく妖精さんを見て、私は嫌な予感が止まらなかった。
国王陛下の言葉に私は戸惑いを覚える。
一度は家を出て他国へ報復してから、世界を巡ろうと考えた身。
それなのに、実家に戻るのはどうしても躊躇してしまう。
それに、お父様やお母様に弱音を言ってしまった……聞かれてしまった。
なのに……自宅にこのまま戻って話を聞く事なんて出来る訳がない。
「たしかに神代文明には興味はありますが、まずは自分が関与した貴族学院の対応を優先的に行いたと思います」
私は、それだけ国王陛下に伝えるとソファーから立ち上がる。
そして……広辞苑なみに分厚い本を2冊持つと部屋から出る。
部屋を出ると、そこには白い毛並みのケットシ―が座って待っていた。
私は溜息をつきながら部屋の中に振り返る。
「それでは、国王陛下。失礼いたします」
国王陛下に伝え、私はそのまま王宮を後にした。
王宮前の止めてあった、乗ってきた場所に乗り込む。
そして私は貴族学院への移動を依頼する。
馬車はゆっくりと動きはじめ、貴族エリアを過ぎて市民の城下町つまり大通りを通りぬけ貴族学院に到着する。
馬車は、貴族学院の停留所にとまる。
私は理事長用の本と、王宮魔法師筆頭の本をそれぞれ抱えると馬車から下りて女子寮に向かった。
女子寮の前には、何人もの騎士がいて何か作業をしているよう。
よく見ると天幕の回収をしているようで……私はそれを見て何となく理解してしまう。
私が守られる立場の者ではないと言う事を国が理解したのだろう。
警備の維持だけでもかなりのお金が掛ってしまう。
その結果、ウラヌス卿は速めに撤収の指示を出したのかもしれない。
私としても、見張られるのはケットシ―だけでいいと思い撤収には賛成。
溜息をつきながら私は、女子寮の扉を開けて中に入ると――。
「おかえりなさいませ」
スプリガンの妖精が勢ぞろいして頭を下げてきた。
私は一瞬、固まってしまった。
こんな風にスプリガンが私を出迎えをするなんて思わなかったから……。
「ただ今戻りました。他の寮生の方は問題ありませんか? 何か不自由されている事などあったら教えてくださいね」
私の言葉にスプリガンの方々は、頷いてくれる。
そして。
「それではユウティーシア様の魔力を少し分けて頂きたいのですが?」
と。答えてきた。
私は自分の魔力を、周囲に放射するように展開すると……スプリガンだけでなくブラウニーやケルピーまで近づいてくる。
そして堪能? したらそのままそれぞれの持ち場に戻っていく。
「うーん。私って燃料?」
私は思わず首を傾げながら考えてしまう。
そして玄関もとい入り口から建物の中を見渡す。
私が出て行った頃とほとんど変わりが……あった。
「すごい――」
私は思わず、口にしてしまう。
女子寮の廊下が……。
「――汚れている。これは速くなんとかしないといけませんね」
私は一人呟きながら、自分の部屋へ向かう。
でも、人数が増えたからかかなり汚れている。
ブラウニーさん達が通路を飛びまわって、必死に掃除をしてるけど追いついていないみたい。
深夜まで仕事をするとか……。
ブラックです。
労働なんとか局が存在していたら、きっと訴えられていますね。
某大手の何とか通みたいに……。
「ブラウニーさん、ブラウニーさん」
私は廊下でせっせと掃除をしている妖精さんに語りかける。
ブラウニーさんは「なに?」という顔をして近づいてくる。
私は、ブラウニーさんを手の平の上に乗せると、皆が寝ていた場合、起こしたらまずいので小さい声で話しかける。
「労働環境は大丈夫ですか? 大変でしたらお仲間の妖精さん達を連れて来てもいいんですよ?」
「大丈夫! 僕たちブラウニーは、求人をかけなくても勝手に来て勝手に住みついて勝手に掃除するから」
それはそれはもう本当に、ブラウニーさんは誇り高く胸を張って言いました。
でも――。
「それは、不法侵入ですから止めてくださいね?」
私の言葉に右手を上げて「はーい」と言って離れていく妖精さんを見て、私は嫌な予感が止まらなかった。
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