最強転生者の異世界無双
ユーマの実力
さて、冒険者になるために旅に出た俺だが、現在危機に陥っている。
森の主に勝ったこともある俺がどうしていきなり危機に陥っているのか。まあ簡単な話、迷子です、はい。
自分でも情けないとは思うが森から出たことのない俺はどの方向に町があるのかすらわからないのだ。このままでも今までの経験を活かせば生きることは可能だが、それだと旅に出た意味がない。いまさら戻って町はどこ?なんて聞くのもかっこつかないし。ほんと、どうしよ。
「きゃああああ!?」
悲鳴!?テンプレだ!声からして女の子だし、ついでに町まで連れて行ってもらおう!
そう考えて俺は声のした方向に全力で駆ける。
声のした場所にたどり着いた俺の視界には、盗賊っぽいやつらと騎士っぽいやつらの戦いが広がっていた。騎士は馬車を守っているのでやはり盗賊っぽいやつらは盗賊で間違いないだろう。見たところ盗賊っぽいやつらが優勢のようなので加勢することにした。
「おい!増援は必要か?」
「ありがたい!」
俺が声を張り上げて聞くと、騎士っぽいやつらの一人が答える。
「了解!」
俺はさらにそう返すと、全体を俯瞰するようにしてみる。敵の数は7人。そのうち剣を持っているものが4人なので、おそらく3人が魔術師だろう。
俺は確認するとすぐに魔術師を先に叩き潰したほうが有利と判断して、魔術師に迫る。
一番近くにいた魔術師との距離を瞬時につめるとその速さに驚いたのか硬直しているところを全力で蹴り飛ばす。硬直していてまともに防御できていなかった魔術師はそのまま木にぶつかって気絶した。次を狙おうとすると残りの魔術師がこちらにファイアボールを放ってきていたので同じファイアボールで相殺する。つもりだったが、俺のほうが魔力量も魔力の密度も上だったのか相手のファイアボールを飲み込んでそのまま相手に直撃する。それによって相手が気絶したのを傍目に見ながら、剣士のほうを見ると今度は騎士が押していて最後の一人を倒すところだった。
それを確認して深く息を吐き出すと、騎士がこちらに歩み寄ってきた。
「助力感謝する。ところで君は見たところ子供のようだが、実力を考えると見た目と年齢が一致しない種族か?」
言動を見たところ悪い人ではなさそうなので俺も普通に返答する。
「いえ、見た目どおり10歳ですよ。それよりも無事でよかったです」
「何?10歳であそこまでの実力か。将来が楽しみだな。ぜひ騎士になってほしいものだ」
微笑みながら言ってくる。相手を持ち上げながら勧誘してくるなんて油断ならない人だ。だが、その手にはのらない…!
「いえ、自分は冒険者になろうと思っているので」
「そうか、残念だ。まあ、冒険者に飽きたらぜひとも入ってくれ」
思ったよりも簡単に引くことから、単純に思いつきで言ってきたんだろう。
「あの、それよりも助けたお礼が…」
「ああ、そうか。助けてもらったのでそれなりに礼をさせてもらうよ」
よし!これで町までの案内役ができた。
そう思っていると、一人の騎士が俺に向かって叫んできた。
「おい!何だその態度は!国民が王族を助けるのは当然だろうが!」
叫んでいる男を無視してさっきまでしゃべっていた騎士の人を見ると、呆れたような目で見ていた。
「おい、聴いているのか!」
「はあ、キミ。助けてもらった人の態度じゃないと思うんだけど?」
「団長!しかし、この男が図々しくも殿下に向かって謝礼を要求するものですから!」
「あの、それよりもこれお忍びとかじゃないんですか?あの馬車に乗っているのが王族だってばらしてますけど」
俺の言葉にハッとした表情を浮かべた二人。俺がそのことに呆れていると団長と呼ばれた騎士がため息をはいて話し始めた。
「はあ、そのとおりだよ。この馬車には王女殿下が乗っていてね。君の言ったとおりお忍びだよ。でも、どうしてわかったんだい?」
「あー、勘ですね。後は王族の護衛にしては人数が少ないと思ったからです」
そう、この護衛の人たち、全員で5人しかいない。いくらなんでもそこそこ危険な場所にこの護衛の数はありえないだろう。
「で、そろそろキミからの要求を聞いておきたいんだけど」
「ああ、それは町まで連れて行ってほしいんですよ。最低でも方向は教えてほしいですね」
「そんなことでいいのかい?まあ、連れて行くか行かないかはさすがに僕に権限はないからね。殿下に確認してくるよ」
そういって団長と呼ばれた騎士…もう騎士団長で言いや。は、馬車のほうへ歩いていく。
それを眺めていると、横から声をかけられた。
「おい貴様。貴様のような一般人が俺たちとともに行きたいだと!?身の程を「いいらしいよ」…」
調子に乗っていた騎士の言葉を遮って話しかけてきた騎士団長に何もいえないでいる騎士の姿に笑いをこらえていると、再び騎士団長が言葉をかけてきた。
「ところで自己紹介がまだだったね。僕の名前はルード。しがない次期王国騎士団長候補さ」
思ったよりすごい肩書きに内心驚いているが、表面には出さない。
そして、名乗られたら名乗り返すのが礼儀だと思い、こちらも自己紹介する。
「これはどうもご丁寧に。俺の名前はユーマ。ユーマ=シーザーです。しがないシーザー公爵家の三男ですよ」
俺の名乗りに大きく目を見開いた騎士たち。それを無視してそのまま言葉を続ける。
「俺は、冒険者になろうと旅に出たのですが、家を出た後に町の場所を知らないことに気づいたのですよ」
まだ騎士団長は少し動揺しているが、落ち着いたようで俺に跪こうとする。
その様子を見て俺はさすがにまずいと思い、あわてて止める。
「やめてください。跪かれるのは好きじゃない」
「しかし、そういうわけにも…」
「俺は誰かを見下さなければ生きていけないほど弱くない」
そう言い放ってちらりとさっきの騎士を見る。
すると青ざめた顔をした後安堵のため息を吐いている。
俺はその様子を冷めた目で見ながら続ける。
「まあ、そういうわけですから頭を上げてください。同行を許可していただけるならそろそろ行きましょう」
「そうです…そうだね」
言葉遣いが戻ったのを見て俺は少しは仲良くなれたかな?なんてことを思いながら歩き出した。
森の主に勝ったこともある俺がどうしていきなり危機に陥っているのか。まあ簡単な話、迷子です、はい。
自分でも情けないとは思うが森から出たことのない俺はどの方向に町があるのかすらわからないのだ。このままでも今までの経験を活かせば生きることは可能だが、それだと旅に出た意味がない。いまさら戻って町はどこ?なんて聞くのもかっこつかないし。ほんと、どうしよ。
「きゃああああ!?」
悲鳴!?テンプレだ!声からして女の子だし、ついでに町まで連れて行ってもらおう!
そう考えて俺は声のした方向に全力で駆ける。
声のした場所にたどり着いた俺の視界には、盗賊っぽいやつらと騎士っぽいやつらの戦いが広がっていた。騎士は馬車を守っているのでやはり盗賊っぽいやつらは盗賊で間違いないだろう。見たところ盗賊っぽいやつらが優勢のようなので加勢することにした。
「おい!増援は必要か?」
「ありがたい!」
俺が声を張り上げて聞くと、騎士っぽいやつらの一人が答える。
「了解!」
俺はさらにそう返すと、全体を俯瞰するようにしてみる。敵の数は7人。そのうち剣を持っているものが4人なので、おそらく3人が魔術師だろう。
俺は確認するとすぐに魔術師を先に叩き潰したほうが有利と判断して、魔術師に迫る。
一番近くにいた魔術師との距離を瞬時につめるとその速さに驚いたのか硬直しているところを全力で蹴り飛ばす。硬直していてまともに防御できていなかった魔術師はそのまま木にぶつかって気絶した。次を狙おうとすると残りの魔術師がこちらにファイアボールを放ってきていたので同じファイアボールで相殺する。つもりだったが、俺のほうが魔力量も魔力の密度も上だったのか相手のファイアボールを飲み込んでそのまま相手に直撃する。それによって相手が気絶したのを傍目に見ながら、剣士のほうを見ると今度は騎士が押していて最後の一人を倒すところだった。
それを確認して深く息を吐き出すと、騎士がこちらに歩み寄ってきた。
「助力感謝する。ところで君は見たところ子供のようだが、実力を考えると見た目と年齢が一致しない種族か?」
言動を見たところ悪い人ではなさそうなので俺も普通に返答する。
「いえ、見た目どおり10歳ですよ。それよりも無事でよかったです」
「何?10歳であそこまでの実力か。将来が楽しみだな。ぜひ騎士になってほしいものだ」
微笑みながら言ってくる。相手を持ち上げながら勧誘してくるなんて油断ならない人だ。だが、その手にはのらない…!
「いえ、自分は冒険者になろうと思っているので」
「そうか、残念だ。まあ、冒険者に飽きたらぜひとも入ってくれ」
思ったよりも簡単に引くことから、単純に思いつきで言ってきたんだろう。
「あの、それよりも助けたお礼が…」
「ああ、そうか。助けてもらったのでそれなりに礼をさせてもらうよ」
よし!これで町までの案内役ができた。
そう思っていると、一人の騎士が俺に向かって叫んできた。
「おい!何だその態度は!国民が王族を助けるのは当然だろうが!」
叫んでいる男を無視してさっきまでしゃべっていた騎士の人を見ると、呆れたような目で見ていた。
「おい、聴いているのか!」
「はあ、キミ。助けてもらった人の態度じゃないと思うんだけど?」
「団長!しかし、この男が図々しくも殿下に向かって謝礼を要求するものですから!」
「あの、それよりもこれお忍びとかじゃないんですか?あの馬車に乗っているのが王族だってばらしてますけど」
俺の言葉にハッとした表情を浮かべた二人。俺がそのことに呆れていると団長と呼ばれた騎士がため息をはいて話し始めた。
「はあ、そのとおりだよ。この馬車には王女殿下が乗っていてね。君の言ったとおりお忍びだよ。でも、どうしてわかったんだい?」
「あー、勘ですね。後は王族の護衛にしては人数が少ないと思ったからです」
そう、この護衛の人たち、全員で5人しかいない。いくらなんでもそこそこ危険な場所にこの護衛の数はありえないだろう。
「で、そろそろキミからの要求を聞いておきたいんだけど」
「ああ、それは町まで連れて行ってほしいんですよ。最低でも方向は教えてほしいですね」
「そんなことでいいのかい?まあ、連れて行くか行かないかはさすがに僕に権限はないからね。殿下に確認してくるよ」
そういって団長と呼ばれた騎士…もう騎士団長で言いや。は、馬車のほうへ歩いていく。
それを眺めていると、横から声をかけられた。
「おい貴様。貴様のような一般人が俺たちとともに行きたいだと!?身の程を「いいらしいよ」…」
調子に乗っていた騎士の言葉を遮って話しかけてきた騎士団長に何もいえないでいる騎士の姿に笑いをこらえていると、再び騎士団長が言葉をかけてきた。
「ところで自己紹介がまだだったね。僕の名前はルード。しがない次期王国騎士団長候補さ」
思ったよりすごい肩書きに内心驚いているが、表面には出さない。
そして、名乗られたら名乗り返すのが礼儀だと思い、こちらも自己紹介する。
「これはどうもご丁寧に。俺の名前はユーマ。ユーマ=シーザーです。しがないシーザー公爵家の三男ですよ」
俺の名乗りに大きく目を見開いた騎士たち。それを無視してそのまま言葉を続ける。
「俺は、冒険者になろうと旅に出たのですが、家を出た後に町の場所を知らないことに気づいたのですよ」
まだ騎士団長は少し動揺しているが、落ち着いたようで俺に跪こうとする。
その様子を見て俺はさすがにまずいと思い、あわてて止める。
「やめてください。跪かれるのは好きじゃない」
「しかし、そういうわけにも…」
「俺は誰かを見下さなければ生きていけないほど弱くない」
そう言い放ってちらりとさっきの騎士を見る。
すると青ざめた顔をした後安堵のため息を吐いている。
俺はその様子を冷めた目で見ながら続ける。
「まあ、そういうわけですから頭を上げてください。同行を許可していただけるならそろそろ行きましょう」
「そうです…そうだね」
言葉遣いが戻ったのを見て俺は少しは仲良くなれたかな?なんてことを思いながら歩き出した。
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