男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!

片山樹

16話 Cからの悲報

 あれから2週間が経った。
未だ俺へHちゃんの返信は無い。
とほほ……俺って嫌われたのか?
 世間一般的に夏休みという超重要イベントがあっていた訳だけど、俺達は補習という無意味な学校行事に付き合わされまだ夏休みには入ってはいない。
本当に自称進学校は困るものだ。
と、そんなことを思いながら机に突っ伏し、世間では小学生が朝から遊んでいる、そんな季節に事件は起きた。

 それは気まぐれに起きたのだ。

バタン!!?

 自習室の固く閉ざされていたドアが開き、右腕を包帯巻き、左手で杖をつき、脚を引きずりながら、Cが学校に来た。
 あ? そう思えばCは今日まだ来てなかったな。
俺も来るの遅かったから忘れてたぜ。
 って、おい! それより……。

 Cは昨日まで普通だった。
そう、何の変わりもなかったはずなのだ。
それなのに今は厨ニチックと言えばそう言えるけど彼の表情を見たら、そんな呑気なことは言えない。
どうやら……彼は本当に何かがあったみたいだ。

 教室がざわつき始める。
そりゃそうだ。クラスメイトがそんな格好で来られたら誰でも気になる。
皆から「おいどうしたんだよー! C」みたいに聞かれてもCは決して答えなかった。

✢✢✢

 ピコン!!
授業中にラインが来た。
やれやれ……誰が送ってきやがったのか。
そんなことを思いながら、ニヤニヤしてラインを開く。
勿論、机の下に隠して教師にバレないようにだ。
俺の席はどちらかと言えば後ろの席なので案外バレることは無い。授業中のスマホの使用は即刻没収となる。
だから決して皆は使わない。
だけど……偶に俺達バカみたいな奴が使ってしまうのだ。

 C︰お前等に真剣な話がある。
 明らかに簡単な説明が俺達五人だけのグループにあった。グループ名は【合コン組】である。
本来は【俺等】だったが合コン参加の日に変えたのだ。
本当に馬鹿である。

それにしてもわざわざ授業中にするとは……。

 授業終了後。
俺等はすぐにCの元に駆けつけた。
眼鏡の方も少しだけ傷ついていた。
本当に何が起こったんだか。

 Cは俺等全員を見ていき、はぁーと息を吸う。
そして彼は打ち明けた。俺達に。

「お前等、本当にすまん! 本当に申し訳ない!
本当に本当にすまん!」

「おいおい……イキナリ謝られても分かんねぇーよ」
「そうだぞ、まずは説明しろ」
「何があったのか? 僕も知りたいよ」

「あ、あのな……。あの日合コンに参加した女性陣全員……彼氏持ちだった……」

「はぁ? おま、それってどう?」

「いや、だからよ。言った通りなんだわ」

「はぁ? まじで意味が分かんねぇーよ! どういうことだよ!」

「だからな、要するに……俺達はハメられたっていうわけだ」

「ハメられたって何にだよ!」

「だから……女達にだよ!」

「それってどういうこと? どういうこと? 僕、よく分からないよ。先週の日曜日、デート行ったのに……それに今週の日曜日も……」

「いや、だからな! お前等、落ち着いて聞け! 他校の生徒に会ったら、逃げろ!」

「お、おい! どういうことだよ! 逃げろって」

 Cは堂々と自分を指差した。

「こういうことになるってわけだ」

 あ……。
合コン女性陣の彼氏に出会ったら……ボコられる。
そういうことかよ。

おいおい、合コンふざけんじゃねぇーぞ!

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