【書籍化作品】無名の最強魔法師
姉妹の思い出(22)
「まぁ、そうだな……」
「ま、まさか……ダンジョン内で力を見せろと? 私達は森の民であり狭いところは……」
「――ん? まさか苦手なのか?」
俺の言葉にエルフ達が一同に頷いてきた。
「それは困ったな……」
困った様子を見せると、サマラを含めたエルフ達がホッと胸を撫で下ろしている姿が見て取れる。
ふむ……。
まぁ、迷宮内と言っても狭いのは通路くらいだからな。
とりあえず無理矢理、広いところまで連れていけば何とかなるだろう。
「サマラ、とりあえず迷宮の世界部分はショートカットしていくから、お前が殿を勤めてくれ。他の者は、俺の後をついてきてくれ」
「ええー……」
俺の言葉にエルフ達が嫌そうな顔をするが、俺だって本位ではないのだ。
それに何より、こいつらの戦闘力を見ないことには、どうにもならないからな。
「ちなみに、ダンジョンの中と外の時間の流れは違うからな」
「――え? ユウマさん。今なんて――?」
「ダンジョン内のほうが時間の進みが遅い。とりあえず、短時間でお前達を鍛えるためにもダンジョン篭りは必須だ」
俺の言葉にエルフ一同が沈黙してしまう。
そして、帰ろうとするものが居たので魔法で捕縛する。
大気の物質を原子変換し金属結合した、鉄の鎖で絡め取られたエルフは、必死に逃げようともがくが、そんな事で逃げられるほど、俺の魔法は甘くはない。
「さて、いくか!」
俺は身体強化の魔法を発動させながら、サマラとアンネを抜いた30人のエルフ達を引き摺りながらダンジョンの階段を下りていく。
後ろから「あたまをぶつけた!」とか「私の上に乗って!」と、言う声が聞こえてくるが、当然の事ながら無視する。
一々、相手にしていたら時間がいくらあっても足りないから。
ダンジョンを降りていくと、中間付近から周辺が石で組まれた壁に囲まれる。
それから10段ほど降りると、ようやくダンジョンの1階の通路に降り立つことが出来た。
「よし、ダンジョンに入ったから全員、気を引き締めろよ!」
俺は、ダンジョン1階の前後を見渡したあと、捕縛したエルフ達の鎖を引っ張ってダンジョン内を歩く。
ズルズルという床を擦る音が聞こえてきたり、時折「もう歩きますから!」という声が聞こえてくる。
「遠慮するな。俺が大部屋まで連れていってやるからな!」
「いえ! ですから! 自分達の足でえええええー!!」
「――ん? どうかしたのか?」
エルフ達の方を見ていた事と、探索の魔法を発動していないこともあって、エルフ達が何かに怯えていることに気がつき向かう先を見たときには、すでに10メートル近いワイバーンの爪が俺に向かって振り下ろされるところであった。
「ユウマさん!」
アンネの悲痛な声が聞こえてくるが――。
俺は振り下ろされた爪に向かって拳を叩き込む。
すると鈍い音と共に、ワイバーンの爪が粉砕さる。
「ええー!?」
30人ものエルフ達が、驚いた声を上げてきたが、このくらいで驚いてもらっては困る。
俺は右手をワイバーンに向けると風刃の魔法を発動。
数十本の真空の刃を発生させ、ワイバーンをバラバラに切り裂いた。
「……」
俺の様子をジッと見ていたエルフ達のみならずアンネまでも硬直してしまっていた。
「さて、いくか――」
「待ってください! ユウマさん! このダンジョンって1階からワイバーンみたいな規格の魔物が現れるんですか?」
「いや……レッドドラゴンも出るが?」
「――ぞ、属性龍すら出るんですか……」
アンネは震えた声で問いかけてくる。
「ああ、このダンジョンを作ったのは俺だからな! 生半可なダンジョンは作ってないから安心んしていいぞ!」
「…………帰る……」
「――ん? どうしたんだ?」
「帰ります! こんな尋常じゃないダンジョンに潜るなんて頭がおかしいです!」
「大丈夫、大丈夫! たかが火を吐いたり空を飛ぶくらいだからな。毒が無いんだから問題ないって!」
俺は仕方なく敵前逃亡しようとするアンネを鎖でぐるぐる巻きにするとダンジョンを歩きだした。
目標は、とりあえずレッドドラゴンを倒すことくらいか?
「ま、まさか……ダンジョン内で力を見せろと? 私達は森の民であり狭いところは……」
「――ん? まさか苦手なのか?」
俺の言葉にエルフ達が一同に頷いてきた。
「それは困ったな……」
困った様子を見せると、サマラを含めたエルフ達がホッと胸を撫で下ろしている姿が見て取れる。
ふむ……。
まぁ、迷宮内と言っても狭いのは通路くらいだからな。
とりあえず無理矢理、広いところまで連れていけば何とかなるだろう。
「サマラ、とりあえず迷宮の世界部分はショートカットしていくから、お前が殿を勤めてくれ。他の者は、俺の後をついてきてくれ」
「ええー……」
俺の言葉にエルフ達が嫌そうな顔をするが、俺だって本位ではないのだ。
それに何より、こいつらの戦闘力を見ないことには、どうにもならないからな。
「ちなみに、ダンジョンの中と外の時間の流れは違うからな」
「――え? ユウマさん。今なんて――?」
「ダンジョン内のほうが時間の進みが遅い。とりあえず、短時間でお前達を鍛えるためにもダンジョン篭りは必須だ」
俺の言葉にエルフ一同が沈黙してしまう。
そして、帰ろうとするものが居たので魔法で捕縛する。
大気の物質を原子変換し金属結合した、鉄の鎖で絡め取られたエルフは、必死に逃げようともがくが、そんな事で逃げられるほど、俺の魔法は甘くはない。
「さて、いくか!」
俺は身体強化の魔法を発動させながら、サマラとアンネを抜いた30人のエルフ達を引き摺りながらダンジョンの階段を下りていく。
後ろから「あたまをぶつけた!」とか「私の上に乗って!」と、言う声が聞こえてくるが、当然の事ながら無視する。
一々、相手にしていたら時間がいくらあっても足りないから。
ダンジョンを降りていくと、中間付近から周辺が石で組まれた壁に囲まれる。
それから10段ほど降りると、ようやくダンジョンの1階の通路に降り立つことが出来た。
「よし、ダンジョンに入ったから全員、気を引き締めろよ!」
俺は、ダンジョン1階の前後を見渡したあと、捕縛したエルフ達の鎖を引っ張ってダンジョン内を歩く。
ズルズルという床を擦る音が聞こえてきたり、時折「もう歩きますから!」という声が聞こえてくる。
「遠慮するな。俺が大部屋まで連れていってやるからな!」
「いえ! ですから! 自分達の足でえええええー!!」
「――ん? どうかしたのか?」
エルフ達の方を見ていた事と、探索の魔法を発動していないこともあって、エルフ達が何かに怯えていることに気がつき向かう先を見たときには、すでに10メートル近いワイバーンの爪が俺に向かって振り下ろされるところであった。
「ユウマさん!」
アンネの悲痛な声が聞こえてくるが――。
俺は振り下ろされた爪に向かって拳を叩き込む。
すると鈍い音と共に、ワイバーンの爪が粉砕さる。
「ええー!?」
30人ものエルフ達が、驚いた声を上げてきたが、このくらいで驚いてもらっては困る。
俺は右手をワイバーンに向けると風刃の魔法を発動。
数十本の真空の刃を発生させ、ワイバーンをバラバラに切り裂いた。
「……」
俺の様子をジッと見ていたエルフ達のみならずアンネまでも硬直してしまっていた。
「さて、いくか――」
「待ってください! ユウマさん! このダンジョンって1階からワイバーンみたいな規格の魔物が現れるんですか?」
「いや……レッドドラゴンも出るが?」
「――ぞ、属性龍すら出るんですか……」
アンネは震えた声で問いかけてくる。
「ああ、このダンジョンを作ったのは俺だからな! 生半可なダンジョンは作ってないから安心んしていいぞ!」
「…………帰る……」
「――ん? どうしたんだ?」
「帰ります! こんな尋常じゃないダンジョンに潜るなんて頭がおかしいです!」
「大丈夫、大丈夫! たかが火を吐いたり空を飛ぶくらいだからな。毒が無いんだから問題ないって!」
俺は仕方なく敵前逃亡しようとするアンネを鎖でぐるぐる巻きにするとダンジョンを歩きだした。
目標は、とりあえずレッドドラゴンを倒すことくらいか?
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