【書籍化作品】無名の最強魔法師
エルフガーデン(7)
――翌朝
自分の部屋のドアが何度かノックされたところで俺はようやく目を覚ました。
気が付けば、窓から入ってくる日差しはかなり強い。
「ユウマさん、起きていますか?」
イノンの声が扉越しに聞こえてくる。
問いかけの言葉の後に宿屋通路と部屋を隔てる扉がノックされた。
「ああ、今起きた。今何時くらいだ?」
「いまはお昼です。昨日、ユウマさんの帰りが遅かったので寝かせておいたほうがいいと思ったんですけど……」
「リネラスが起こしてこいと?」
「いいえ、そうじゃなくて……エルフガーデンのエルフさん達が来てまして……」
俺はイノンの言葉を聞きながらタライの中に入っている水で顔を洗ってからタオルで拭いて意識をハッキリとさせる。
「エルフガーデンのエルフが来ているのか?」
俺は扉を開けながらイノンに語りかける。
すると、「はい、いま食堂で待っています」と、イノンが答えてきた。
「そうか……それにしても、何人きているんだ?」
「今日は4人来ています」
なるほど……。
どうやら、どうしても俺とエルフガーデンの村長は俺と話をしたいらしいな。
食堂に入ると、女エルフが4人いた。
全員、金髪碧眼の豊満な体つきをしているエルフで、とても魅力的に映る。
俺に気が付いたエルフ達は、一斉に席から立ち上がると俺に頭を下げてきた。
「ユウマ様。エリンフィート様が、どうしてもお会いしたいと」
「ああ、俺も会って会話をしてみたいと思っていたんだ」
まあ、昨日はレグラントの町に買い出しに行ったのだ。
エルフの族長に会いに行っても問題はないだろう。
「お前たちの族長のところまで案内してもらえるか?」
俺の言葉に彼女らは頷く。
「はい、族長も喜ぶと思います。案内致しますので――」
「そういえば、仲間たちを連れていってもいいか?」
俺の言葉にエルフ達は、申し訳なさそうな顔をして「い、いえ……おそらく普通の人間や、エルフではない者だと着いて来れないと思います」と告げてきた。
「着いてこれない? そんなに危険なところにあるのか?」
「いえ、危険はないのですがかなりの距離がありまして……肉体強化の魔法を使えない人間では、森の中を数日歩く羽目になるかと……」
「そ、そうか……」
なら仕方ないか。
まぁ、エルフの村で何か問題が起きた時のために仲間は連れて行かない方がいいかもしれないな。
「わかった。それじゃ案内してもらえるか?」
「はい! それでは着いてきて頂けますか?」
俺はエルフ達の言葉に頷きながら、心配そうな顔をしているイノンやリネラスにユリカとセレンにセイレスを見る。
「それじゃ出かけてくる」
「ユウマ! 抑えて交渉してきて!」
リネラスが俺にアドバイスしてくるが、俺がいつも問題ばかり起こしてるような言い方は少しヤメテほしいんだが……。
まぁ、問題の大半を引き起こしているのはリネラスだから、余程の事がない限り問題にはならないだろう! たぶん……きっと……。
他のメンバーもリネラスと同じような意見だったらしく、何故か俺をトラブルメーカーのように見てくるのがとても印象的であった。
少し、俺は皆に誤解されてる気がする。
俺は戦いを好まない平和主義者のはずなんだがな……。
【移動式冒険者ギルド宿屋】から出たあと、エルフ達と共に森の中に入っていく。
エルフ達の移動速度に合わせていると、すぐに成人男性が平野を走る速度まで上がる。
彼女らは何度も俺の方へ視線を向けている。
どうやら、俺が着いて来れているのか確認しているようだ。
「ユウマ殿は、ずいぶん森の中での移動になれているんですね?」
「まぁな!」
まぁ、俺は猟師をしていたからな。
このくらいは普通だろう。
むしろ、いまよりももっと速く走れる。
何しろ、こちとら5歳で森の中で走って、10歳から猟師の仕事で山の中を駆け巡っていたのだ。
だからこそ、対抗意識が芽生えてくる。
「謙遜ではないが、エルフよりも森の中での移動速度は速いと俺は自負している」
自分の部屋のドアが何度かノックされたところで俺はようやく目を覚ました。
気が付けば、窓から入ってくる日差しはかなり強い。
「ユウマさん、起きていますか?」
イノンの声が扉越しに聞こえてくる。
問いかけの言葉の後に宿屋通路と部屋を隔てる扉がノックされた。
「ああ、今起きた。今何時くらいだ?」
「いまはお昼です。昨日、ユウマさんの帰りが遅かったので寝かせておいたほうがいいと思ったんですけど……」
「リネラスが起こしてこいと?」
「いいえ、そうじゃなくて……エルフガーデンのエルフさん達が来てまして……」
俺はイノンの言葉を聞きながらタライの中に入っている水で顔を洗ってからタオルで拭いて意識をハッキリとさせる。
「エルフガーデンのエルフが来ているのか?」
俺は扉を開けながらイノンに語りかける。
すると、「はい、いま食堂で待っています」と、イノンが答えてきた。
「そうか……それにしても、何人きているんだ?」
「今日は4人来ています」
なるほど……。
どうやら、どうしても俺とエルフガーデンの村長は俺と話をしたいらしいな。
食堂に入ると、女エルフが4人いた。
全員、金髪碧眼の豊満な体つきをしているエルフで、とても魅力的に映る。
俺に気が付いたエルフ達は、一斉に席から立ち上がると俺に頭を下げてきた。
「ユウマ様。エリンフィート様が、どうしてもお会いしたいと」
「ああ、俺も会って会話をしてみたいと思っていたんだ」
まあ、昨日はレグラントの町に買い出しに行ったのだ。
エルフの族長に会いに行っても問題はないだろう。
「お前たちの族長のところまで案内してもらえるか?」
俺の言葉に彼女らは頷く。
「はい、族長も喜ぶと思います。案内致しますので――」
「そういえば、仲間たちを連れていってもいいか?」
俺の言葉にエルフ達は、申し訳なさそうな顔をして「い、いえ……おそらく普通の人間や、エルフではない者だと着いて来れないと思います」と告げてきた。
「着いてこれない? そんなに危険なところにあるのか?」
「いえ、危険はないのですがかなりの距離がありまして……肉体強化の魔法を使えない人間では、森の中を数日歩く羽目になるかと……」
「そ、そうか……」
なら仕方ないか。
まぁ、エルフの村で何か問題が起きた時のために仲間は連れて行かない方がいいかもしれないな。
「わかった。それじゃ案内してもらえるか?」
「はい! それでは着いてきて頂けますか?」
俺はエルフ達の言葉に頷きながら、心配そうな顔をしているイノンやリネラスにユリカとセレンにセイレスを見る。
「それじゃ出かけてくる」
「ユウマ! 抑えて交渉してきて!」
リネラスが俺にアドバイスしてくるが、俺がいつも問題ばかり起こしてるような言い方は少しヤメテほしいんだが……。
まぁ、問題の大半を引き起こしているのはリネラスだから、余程の事がない限り問題にはならないだろう! たぶん……きっと……。
他のメンバーもリネラスと同じような意見だったらしく、何故か俺をトラブルメーカーのように見てくるのがとても印象的であった。
少し、俺は皆に誤解されてる気がする。
俺は戦いを好まない平和主義者のはずなんだがな……。
【移動式冒険者ギルド宿屋】から出たあと、エルフ達と共に森の中に入っていく。
エルフ達の移動速度に合わせていると、すぐに成人男性が平野を走る速度まで上がる。
彼女らは何度も俺の方へ視線を向けている。
どうやら、俺が着いて来れているのか確認しているようだ。
「ユウマ殿は、ずいぶん森の中での移動になれているんですね?」
「まぁな!」
まぁ、俺は猟師をしていたからな。
このくらいは普通だろう。
むしろ、いまよりももっと速く走れる。
何しろ、こちとら5歳で森の中で走って、10歳から猟師の仕事で山の中を駆け巡っていたのだ。
だからこそ、対抗意識が芽生えてくる。
「謙遜ではないが、エルフよりも森の中での移動速度は速いと俺は自負している」
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