【書籍化作品】無名の最強魔法師
エルフガーデン(1)
「でも、エルフガーデンの族長が人間と話をしたいなんてすごく珍しいかも……」
リネラスと一緒に、リネラスの母親であるリンスタットさんやィノンの宿屋を改装した【移動式冒険者ギルド宿屋】の方へ向かって歩いていると、唐突にリネラスがそんな事を言い出した。
「そうなのか?」
「うん……エルフガーデンの族長は本当にめったに姿を見せないし――と、言うか私は見たことないし……」
リネラスが少し沈んだ声で俺の問いかけに答えてきた。
ただ俺には、リネラスの言った言葉の意味が一瞬、理解できない。
指導者が姿を現さないというのは、発言力もそうだが求心力を含めて、かなり問題だと思うからだ。普通はそんな事はあり得ない。
王族などがよくお披露目をするのは、国民へのアピールが多分に含まれる。
それは、国民に対して自分たちが指導者だと言う事を伝えるのに有効だから行っているのだ。
「リネラスは、何歳までエルフガーデンにいたんだ?」
「私は、10歳までかな……」
リネラスの言葉を聞きながら、俺はしばらく考える。
10年間、姿を見せる事のない族長――それって指導者的にどうなんだ? と考えてしまうが。
どちらにしても、リネラスが会ったことが無いと言うなら憶測でしか考える事は出来ない。
正確な情報がない時点での相手の考察は良くないからな。
「そうか――。そうなると、リンスタットさんやセイレスにも話を聞いてから、今後の対応を考えたほうがいいかもしれないな」
俺の言葉を聞いたリネラスは、少し不機嫌そうな顔をすると「どうしてお母さんだけ、さんつけなの?」と、聞いてきた。
「いや、深い意味はないんだが……何となくな――」
「ユウマって年上好きなの?」
「いや、そうじゃないんだが……何となく、大人ぽいって言うかそういう印象がリンスタットさんにはあるよな」
「ユウマ、それって私が大人ぽくないって言ってるのと同じなんだけど!?」
「あー……うーん。そ、そうだな……」
俺はリネラスの、あまりというか全然発育がない胸を見て何度か頷き返す。
そういえば、リネラスの母親であるリンスタットさんは胸が大きかった。
胸の大きさは遺伝しないのだろうか?
遺伝子というのは不思議なものだな。
「ユ、ユウマ……どこを見てるの!? どこを見て大人ぽくないって……!?」
リネラスの胸を見ていた事がどうやらバレてしまったようで、リネラスは胸を隠すと顔を真っ赤にして「ユウマのスケベ!」と文句を言ってくる。
「リネラス……それは違うぞ。女性の胸に目が行くのは男の――生物の本能というやつだ。だから大きな胸に男は惹かれるんだ」
「それって、私には魅力がないって事を言ってるのをユウマは理解しているの?」
「まぁ、落ち着け。俺は別にリネラスに魅力がないとは一言も言っていない!」
いきなりリネラスは、「え?」というと、その場に立ち止り俺を見てきた。
俺は、突然立ち止ったリネラスが気になり横を歩いていたリネラスを見る。
すると、「わ、私のことをユウマはどう思って……」と、語りかけてきた。
「どう思ってって……俺の上司だろ? お前も俺の事を冒険者ギルドに所属してる人間がうんたらって言ってたんだらから」
「あ……う、うん」
俺の言葉を聞いたリネラスは意気消沈してしまうが、今日のリネラスはリンスタットさんが来てからと言うもの表情がコロコロ変わって魅力的だなと一瞬思ってしまったが、そんな事を言うと、こいつは調子に乗りそうだから言わない事にしておく。
「リネラス! 無事でなによりだわ」
しばらく互いに無言で歩いていると前方から見知った顔の女性リンスタットさんが駆け寄ってくるとリネラスに抱き着いていた。
リンスタットさんは、リネラスをつま先から頭のてっぺんまで確認している。
どこかに怪我が無いのか見ているのだろう。
「ユウマさん、ありがとうございます」
リンスタットさんは頭を下げて俺に謝辞を述べてくるが、途中で「え? ちょっと」という言葉を――。
目の前で、リネラスが実の母親であるリンスタットさんの胸を触ったあとに自分の胸を触って深くため息をついている。
「リネラス……お前は何しているんだ?」
俺は突然の奇行をしているリネラスに対して問いかけるが「おっぱい星人は黙っていて!」と、一括された。そしてリネラスと言えば、リンスタットさんに「夜に話があるんだけど……」と言っている。
まったく、リネラスは夜に何をするつもりなのか……。
意味が分からないな。
リネラスと一緒に、リネラスの母親であるリンスタットさんやィノンの宿屋を改装した【移動式冒険者ギルド宿屋】の方へ向かって歩いていると、唐突にリネラスがそんな事を言い出した。
「そうなのか?」
「うん……エルフガーデンの族長は本当にめったに姿を見せないし――と、言うか私は見たことないし……」
リネラスが少し沈んだ声で俺の問いかけに答えてきた。
ただ俺には、リネラスの言った言葉の意味が一瞬、理解できない。
指導者が姿を現さないというのは、発言力もそうだが求心力を含めて、かなり問題だと思うからだ。普通はそんな事はあり得ない。
王族などがよくお披露目をするのは、国民へのアピールが多分に含まれる。
それは、国民に対して自分たちが指導者だと言う事を伝えるのに有効だから行っているのだ。
「リネラスは、何歳までエルフガーデンにいたんだ?」
「私は、10歳までかな……」
リネラスの言葉を聞きながら、俺はしばらく考える。
10年間、姿を見せる事のない族長――それって指導者的にどうなんだ? と考えてしまうが。
どちらにしても、リネラスが会ったことが無いと言うなら憶測でしか考える事は出来ない。
正確な情報がない時点での相手の考察は良くないからな。
「そうか――。そうなると、リンスタットさんやセイレスにも話を聞いてから、今後の対応を考えたほうがいいかもしれないな」
俺の言葉を聞いたリネラスは、少し不機嫌そうな顔をすると「どうしてお母さんだけ、さんつけなの?」と、聞いてきた。
「いや、深い意味はないんだが……何となくな――」
「ユウマって年上好きなの?」
「いや、そうじゃないんだが……何となく、大人ぽいって言うかそういう印象がリンスタットさんにはあるよな」
「ユウマ、それって私が大人ぽくないって言ってるのと同じなんだけど!?」
「あー……うーん。そ、そうだな……」
俺はリネラスの、あまりというか全然発育がない胸を見て何度か頷き返す。
そういえば、リネラスの母親であるリンスタットさんは胸が大きかった。
胸の大きさは遺伝しないのだろうか?
遺伝子というのは不思議なものだな。
「ユ、ユウマ……どこを見てるの!? どこを見て大人ぽくないって……!?」
リネラスの胸を見ていた事がどうやらバレてしまったようで、リネラスは胸を隠すと顔を真っ赤にして「ユウマのスケベ!」と文句を言ってくる。
「リネラス……それは違うぞ。女性の胸に目が行くのは男の――生物の本能というやつだ。だから大きな胸に男は惹かれるんだ」
「それって、私には魅力がないって事を言ってるのをユウマは理解しているの?」
「まぁ、落ち着け。俺は別にリネラスに魅力がないとは一言も言っていない!」
いきなりリネラスは、「え?」というと、その場に立ち止り俺を見てきた。
俺は、突然立ち止ったリネラスが気になり横を歩いていたリネラスを見る。
すると、「わ、私のことをユウマはどう思って……」と、語りかけてきた。
「どう思ってって……俺の上司だろ? お前も俺の事を冒険者ギルドに所属してる人間がうんたらって言ってたんだらから」
「あ……う、うん」
俺の言葉を聞いたリネラスは意気消沈してしまうが、今日のリネラスはリンスタットさんが来てからと言うもの表情がコロコロ変わって魅力的だなと一瞬思ってしまったが、そんな事を言うと、こいつは調子に乗りそうだから言わない事にしておく。
「リネラス! 無事でなによりだわ」
しばらく互いに無言で歩いていると前方から見知った顔の女性リンスタットさんが駆け寄ってくるとリネラスに抱き着いていた。
リンスタットさんは、リネラスをつま先から頭のてっぺんまで確認している。
どこかに怪我が無いのか見ているのだろう。
「ユウマさん、ありがとうございます」
リンスタットさんは頭を下げて俺に謝辞を述べてくるが、途中で「え? ちょっと」という言葉を――。
目の前で、リネラスが実の母親であるリンスタットさんの胸を触ったあとに自分の胸を触って深くため息をついている。
「リネラス……お前は何しているんだ?」
俺は突然の奇行をしているリネラスに対して問いかけるが「おっぱい星人は黙っていて!」と、一括された。そしてリネラスと言えば、リンスタットさんに「夜に話があるんだけど……」と言っている。
まったく、リネラスは夜に何をするつもりなのか……。
意味が分からないな。
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