【書籍化作品】無名の最強魔法師
リネラスの母親
「元冒険者ギルドエルフガーデン支部?」
俺の言葉を聞いたリンスタットさんは振り返り「そうよ! 私の父がギルドマスターをしていたの。今は私が臨時で代理をしているけどね」と、質問に答えてきた。
「冒険者ギルドマスターって代理が出来るんですか?」
「出来るけど……それはギルドマスターが金庫――つまり依頼の決済が可能になる鍵を使うことを許可した場合に限るわね」
「なるほど……」
よくは分からないが、支払の決済権をリネラスやリンスタットさんは持っていたという事になるのか?
でもな……。
「ギルドマスター代理はどんな仕事が可能なんですか?」
「そんな事を聞いて、ユウマさんにはどんな意味があるのかしら?」
どんな意味があるのかと聞かれてもな……俺のところの冒険者ギルドマスターのリネラスは秘密主義だからな。もらえる情報は貰っておいた方がこの後、手のうちようもある訳だし。
「そうですね。一応、今後も付き合いが長くなると思いますし、聞いておいたほうが今後の為にもなるかと思いますから」と、リンスタットさんに言うと「まぁまぁ! それなら、少し簡単に説明するから建物の中に入ってね!」と言いながら、俺の腕を掴んで引っ張ってきた。
俺は仕方なく、リンスタットさんに引っ張られながら冒険者ギルドの建物の中に足を踏み入れる。
建物の中に足を踏み入れると、そこはフィンデイカ村の建物と同じ作りになっており近視感を一瞬思わせたが、すぐに細部が違うことに気が付いた。
リネラスが、受付嬢をしていたフィンデイカ村の冒険者ギルドと違って建物の至るところに赤や青の花が飾られている。
フィンデイカ村の冒険者ギルドと違うのは事務的な空間ではなく、生活空間が広がっているところだろう。
「これは……」
「びっくりしたかしら?」
俺は、少し「生活感溢れる空間ですね」と少し遠回しに答えると、リンスタットさんが少し引き攣った笑顔を俺に反してきた。
「いや、ほら! とても良いと思いますよ! そこの雑草とかとてもいい感じですし……」
「そうかしら? でもね、それ薬草なんだけど……」
「……あ、はい」
2人して無言になってしまう。
とても、気まずい!
「そうそう、お茶でも飲む?」
「あ、はい、いただきます」
「それなら……そこのテーブルに座って待っててくれるかしら?」
俺は、フィンデイカの冒険者ギルドには何もなかった場所に置かれている丸太を半分に切って椅子にしてある場所へと座る。
大人なら6人くらい座れそうだ。
その半分に切られたハーフ丸太椅子の前に設置されているテーブルの反対側に置かれているもう一個のハーフ丸太椅子にリンスタットさんは座ると、木でつくられたコップを差し出してきた。
「どうぞ」と、リンスタットさんが差し出してくる木のコップを受け取り中身を見て絶句した。
木のコップの中に入っているのは緑。
底が見えない……まさしく深緑でった。
「あ、あの……」
どうしたの? と言う表情で俺を見てくるリンスタットさんは緑色の液体が入ったコップを何の感慨も見せずに口につけると飲んでいく。
そして、テーブルの上にいくと俺を見てきながら「ユウマさんも遠慮せずにどうぞ」と進めてくる。
「あ、はい……」
木のコップを少し傾ける。
中身がまったく動かない……。
もう少し木のコップを傾ける
「あ、少し動いた」
「少し動いた? 何か問題でもあったのかしら?」
リンスタットさんは頬を手に当てながら困った顔を見せてくる。
「いえ、何の問題も……」
リンスタットさんの容姿は、エルフガーデンの森のエルフに耳が似ている。
つまり耳がリネラスと違って長いのだ。
だが! 同じ生物である以上……そこまで味覚に違いがあるはずはないと思ったり思わなかったり……。
お茶を出されて飲まない訳にもいかない。
とりあえず、何か問題が起きた際に対応できるよう【身体強化】を発動させておこう。
これで致死性の猛毒でも何とかできる……はず……。
俺はコップを手にとり、中に入ってる液体を一口飲んで……あまりの不味さに死にかけた。
何と言うか、野菜というか……そんな緑葉野菜の甘さを抜いて苦味だけを抽出したような味。
「あ、あの……これ……」
俺は震える手に無理やり力を入れて、口の中に残る苦味を耐えながら営業スマイルでリンスタットさんを見ると「やっぱりおいしくないわよね!」と語りかけてきた。俺は思わず、こんな不味いものをだすんじゃねーと言いかけたが何とか耐えた。
「そ……そうですね。独特の風味が何と言うか万人受けしないというか何と言うか……」
「ユ、ユウマ? それにお母さんまで何をしているの!?」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
振り返ると、いつのも青い冒険者ギルド職員の制服ではなく緑色に染色された洋服を着たリネラスが目に飛びこんできた。
俺の言葉を聞いたリンスタットさんは振り返り「そうよ! 私の父がギルドマスターをしていたの。今は私が臨時で代理をしているけどね」と、質問に答えてきた。
「冒険者ギルドマスターって代理が出来るんですか?」
「出来るけど……それはギルドマスターが金庫――つまり依頼の決済が可能になる鍵を使うことを許可した場合に限るわね」
「なるほど……」
よくは分からないが、支払の決済権をリネラスやリンスタットさんは持っていたという事になるのか?
でもな……。
「ギルドマスター代理はどんな仕事が可能なんですか?」
「そんな事を聞いて、ユウマさんにはどんな意味があるのかしら?」
どんな意味があるのかと聞かれてもな……俺のところの冒険者ギルドマスターのリネラスは秘密主義だからな。もらえる情報は貰っておいた方がこの後、手のうちようもある訳だし。
「そうですね。一応、今後も付き合いが長くなると思いますし、聞いておいたほうが今後の為にもなるかと思いますから」と、リンスタットさんに言うと「まぁまぁ! それなら、少し簡単に説明するから建物の中に入ってね!」と言いながら、俺の腕を掴んで引っ張ってきた。
俺は仕方なく、リンスタットさんに引っ張られながら冒険者ギルドの建物の中に足を踏み入れる。
建物の中に足を踏み入れると、そこはフィンデイカ村の建物と同じ作りになっており近視感を一瞬思わせたが、すぐに細部が違うことに気が付いた。
リネラスが、受付嬢をしていたフィンデイカ村の冒険者ギルドと違って建物の至るところに赤や青の花が飾られている。
フィンデイカ村の冒険者ギルドと違うのは事務的な空間ではなく、生活空間が広がっているところだろう。
「これは……」
「びっくりしたかしら?」
俺は、少し「生活感溢れる空間ですね」と少し遠回しに答えると、リンスタットさんが少し引き攣った笑顔を俺に反してきた。
「いや、ほら! とても良いと思いますよ! そこの雑草とかとてもいい感じですし……」
「そうかしら? でもね、それ薬草なんだけど……」
「……あ、はい」
2人して無言になってしまう。
とても、気まずい!
「そうそう、お茶でも飲む?」
「あ、はい、いただきます」
「それなら……そこのテーブルに座って待っててくれるかしら?」
俺は、フィンデイカの冒険者ギルドには何もなかった場所に置かれている丸太を半分に切って椅子にしてある場所へと座る。
大人なら6人くらい座れそうだ。
その半分に切られたハーフ丸太椅子の前に設置されているテーブルの反対側に置かれているもう一個のハーフ丸太椅子にリンスタットさんは座ると、木でつくられたコップを差し出してきた。
「どうぞ」と、リンスタットさんが差し出してくる木のコップを受け取り中身を見て絶句した。
木のコップの中に入っているのは緑。
底が見えない……まさしく深緑でった。
「あ、あの……」
どうしたの? と言う表情で俺を見てくるリンスタットさんは緑色の液体が入ったコップを何の感慨も見せずに口につけると飲んでいく。
そして、テーブルの上にいくと俺を見てきながら「ユウマさんも遠慮せずにどうぞ」と進めてくる。
「あ、はい……」
木のコップを少し傾ける。
中身がまったく動かない……。
もう少し木のコップを傾ける
「あ、少し動いた」
「少し動いた? 何か問題でもあったのかしら?」
リンスタットさんは頬を手に当てながら困った顔を見せてくる。
「いえ、何の問題も……」
リンスタットさんの容姿は、エルフガーデンの森のエルフに耳が似ている。
つまり耳がリネラスと違って長いのだ。
だが! 同じ生物である以上……そこまで味覚に違いがあるはずはないと思ったり思わなかったり……。
お茶を出されて飲まない訳にもいかない。
とりあえず、何か問題が起きた際に対応できるよう【身体強化】を発動させておこう。
これで致死性の猛毒でも何とかできる……はず……。
俺はコップを手にとり、中に入ってる液体を一口飲んで……あまりの不味さに死にかけた。
何と言うか、野菜というか……そんな緑葉野菜の甘さを抜いて苦味だけを抽出したような味。
「あ、あの……これ……」
俺は震える手に無理やり力を入れて、口の中に残る苦味を耐えながら営業スマイルでリンスタットさんを見ると「やっぱりおいしくないわよね!」と語りかけてきた。俺は思わず、こんな不味いものをだすんじゃねーと言いかけたが何とか耐えた。
「そ……そうですね。独特の風味が何と言うか万人受けしないというか何と言うか……」
「ユ、ユウマ? それにお母さんまで何をしているの!?」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
振り返ると、いつのも青い冒険者ギルド職員の制服ではなく緑色に染色された洋服を着たリネラスが目に飛びこんできた。
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