【書籍化作品】無名の最強魔法師
自分を棚にあげる者達(後編)
投げ飛ばされた男は、俺の事を見て顔を青くする。
ようやく俺が誰か分かったようだな。
俺が、店先から一歩進みでると、店を囲んでいた男達は一斉に1歩下がった。
囲んでいた男達が多かったせいか後ろの方では倒れた男も何人かいたようだ。
俺は後ろを振り返ってリネラスに目で合図をする。
すると、リネラスは自分の冒険者カードを高く掲げながら演説を始めた。
「私はリネラス。ギルドマスターです。今回の事件は、国王エルンペイアが解放軍を貶めるために企てた事件だと言う事が判明しています。そこで冒険者ギルドでは、この町を襲った精神幻覚を発症させる【新種のエターナルフィーリング】については全て処分致しました。道に生えていた【エターナルフィーリング】については処理済みですのでどうか落ちついてください!」
リネラスの言葉に一人の男性が集団から進みでてくる。
「だがよ、【エターナルフィーリング】なんて物を販売してるってだけで怖くて眠れないんだよ」
まぁ、浮気してたら怖くて眠れないよな。
だがな……。
「甘ったれるな!」
俺は男たちを一喝する。
「自分達が優柔不断な事をしておいて、浮気がバレたら困る? ふざけるのも大概にしろ! お前らが相手に誤解を与えるようなことばかりするのが悪いんだろうが! 怖くて眠れないだ? 自分が犯した罪から目を背けて何が怖くて眠れないだ! あげくの果てには、女性が営業してるという花屋を襲撃するという暴挙! Sランク冒険者として到底看過できんな」
俺の言葉に周囲の男達が静まり返る。
ふむ。分かってくれたようで何よりだ。
「たしかに! 俺も同じ男だ。お前たちの思うことも分かる。だがな! 自分が仕出かした問題を! 浮気症を! 別の誰かに責任転嫁するなど! 男として……いや! 人間としてやってはいけない事だろう!? 俺は、お前らはそこまで堕ちていないと思っているがどうだろうか?」
リネラスが、俺を驚いた顔で見てくる。
「そ、そうだな」
「ああ、まずは妻に謝らないと……」
「そうだな、男らしく……いや人間として間違っていた」
「さすがSランク冒険者はちげーや」
「兄貴!」
「分かってくれればいい。よし! お前達に恋愛達人マスターである俺からのアドスバスだ! 自分を好かれてる女性がいたら! その女性の気持ちを無碍にしたり、気がつかないふりをしたり、そういう鈍感な行動は女性を傷つけるだけだと知ってくれ! 俺が言えるのはそのくらいだ! よし! 俺がそれでは解散だ! いつまでもこんな所にいたらいけないだろう?」
俺の素晴らしい演説に男達が憑き物が落ちた顔をしてその場から離れていった。
俺は腕を組みながら何度も頷きながら。
「どうだ、リネラス完璧だったろう?」
「……う、うん……さすがユウマね。私、ここまで自分の事を棚に上げて人にお説教できる人を初めてみたわ」
「おいおい、それはリネラスの方だろ? おかしな事を言うやつだな。ブーメラン飛んでくるぞ?」
俺とリネラスがにこやかに談笑していると……。
「リネラスさん!怖かったです」
……以前見た事のある花屋の女主人が店から出てくると、リネラスに抱きついた。
「ユリカ、大丈夫だった? 今回は何とかなったけど、【エターナルフィーリング】の恐怖は消えないと思うの。だから。これからも彼らみたいなのが来るかも知れないわ」
「そ、そんな困ります!せっかく育てたお店なのに……これではもう商売が出来ません。生活が出来なくなってしまいます」
ユリカさんは、顔を真っ青にした後に体を震わせて泣き始めてしまった。
これはフォローをした方がいいかもしれないな。
「ユウマは静かにしててね」
「……はい」
リネラスの真剣な表情に、俺は口を閉じた。
ようやく俺が誰か分かったようだな。
俺が、店先から一歩進みでると、店を囲んでいた男達は一斉に1歩下がった。
囲んでいた男達が多かったせいか後ろの方では倒れた男も何人かいたようだ。
俺は後ろを振り返ってリネラスに目で合図をする。
すると、リネラスは自分の冒険者カードを高く掲げながら演説を始めた。
「私はリネラス。ギルドマスターです。今回の事件は、国王エルンペイアが解放軍を貶めるために企てた事件だと言う事が判明しています。そこで冒険者ギルドでは、この町を襲った精神幻覚を発症させる【新種のエターナルフィーリング】については全て処分致しました。道に生えていた【エターナルフィーリング】については処理済みですのでどうか落ちついてください!」
リネラスの言葉に一人の男性が集団から進みでてくる。
「だがよ、【エターナルフィーリング】なんて物を販売してるってだけで怖くて眠れないんだよ」
まぁ、浮気してたら怖くて眠れないよな。
だがな……。
「甘ったれるな!」
俺は男たちを一喝する。
「自分達が優柔不断な事をしておいて、浮気がバレたら困る? ふざけるのも大概にしろ! お前らが相手に誤解を与えるようなことばかりするのが悪いんだろうが! 怖くて眠れないだ? 自分が犯した罪から目を背けて何が怖くて眠れないだ! あげくの果てには、女性が営業してるという花屋を襲撃するという暴挙! Sランク冒険者として到底看過できんな」
俺の言葉に周囲の男達が静まり返る。
ふむ。分かってくれたようで何よりだ。
「たしかに! 俺も同じ男だ。お前たちの思うことも分かる。だがな! 自分が仕出かした問題を! 浮気症を! 別の誰かに責任転嫁するなど! 男として……いや! 人間としてやってはいけない事だろう!? 俺は、お前らはそこまで堕ちていないと思っているがどうだろうか?」
リネラスが、俺を驚いた顔で見てくる。
「そ、そうだな」
「ああ、まずは妻に謝らないと……」
「そうだな、男らしく……いや人間として間違っていた」
「さすがSランク冒険者はちげーや」
「兄貴!」
「分かってくれればいい。よし! お前達に恋愛達人マスターである俺からのアドスバスだ! 自分を好かれてる女性がいたら! その女性の気持ちを無碍にしたり、気がつかないふりをしたり、そういう鈍感な行動は女性を傷つけるだけだと知ってくれ! 俺が言えるのはそのくらいだ! よし! 俺がそれでは解散だ! いつまでもこんな所にいたらいけないだろう?」
俺の素晴らしい演説に男達が憑き物が落ちた顔をしてその場から離れていった。
俺は腕を組みながら何度も頷きながら。
「どうだ、リネラス完璧だったろう?」
「……う、うん……さすがユウマね。私、ここまで自分の事を棚に上げて人にお説教できる人を初めてみたわ」
「おいおい、それはリネラスの方だろ? おかしな事を言うやつだな。ブーメラン飛んでくるぞ?」
俺とリネラスがにこやかに談笑していると……。
「リネラスさん!怖かったです」
……以前見た事のある花屋の女主人が店から出てくると、リネラスに抱きついた。
「ユリカ、大丈夫だった? 今回は何とかなったけど、【エターナルフィーリング】の恐怖は消えないと思うの。だから。これからも彼らみたいなのが来るかも知れないわ」
「そ、そんな困ります!せっかく育てたお店なのに……これではもう商売が出来ません。生活が出来なくなってしまいます」
ユリカさんは、顔を真っ青にした後に体を震わせて泣き始めてしまった。
これはフォローをした方がいいかもしれないな。
「ユウマは静かにしててね」
「……はい」
リネラスの真剣な表情に、俺は口を閉じた。
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