お兄ちゃんがお母さんで、妹が甘えん坊なお話

ただのものかき

は、恥ずかしいよ…羽月…

「えへへ~♪お兄ちゃん♪」

「うう……」



週末の土曜日の爽やかな朝。

いつも通りの食事も、その後の片付けも終え、最近は休日出勤が多く、この日も出勤日となってしまった父、翔羽の見送りも済ませ…

兄妹二人だけとなった高宮家。



ここしばらく、普段の忙しすぎる生活に恩人である明洋のお見舞いも加わって、涼羽はさらに家にいる時間が少なくなってしまっている。

そのことに対して、非常に不満を抱いているのが妹、羽月。



平日の羽月はもう、大好きで大好きでたまらない兄である涼羽にべったりと抱きついて、離そうとしなくなっている。

そんな妹、羽月に対して、涼羽は優しい笑顔で相手をしながら、自分のやること、やりたいことをこなしていっている。



日に日に強くなっていく、兄、涼羽への愛情を抑えることなどできるはずもなく、ただただ涼羽のことを独り占めしようと、その小さな身体に不相応なほどの愛情と独占欲を思うがままにぶつけていっている。

そのため、年頃の兄妹であるにも関わらず、羽月は涼羽に抱きつくだけでは収まらず、ついついその唇を奪っては、その中まで味わってしまったり…

普段の日課となっている、涼羽の胸に吸い付く行為も、羽月の思いに比例するかのようにその時間も、激しさも増しており、ひたすら妹の羽月に押し倒されてそのぞくぞくとするような感覚を味わい続ける涼羽からすれば、ただただその恥じらいを刺激される時間となっている。



それでも、決して妹である羽月を邪険になどせず、むしろその母性と慈愛で優しく包み込んでいるのだから、本当に涼羽が羽月のことを可愛がって、大切にしているのがよく分かる。



ただ、ここ最近羽月は自分が涼羽に買ってあげた衣類を、とにかく涼羽に着せようとしてくる。

涼羽自身、もう女装させられるようになってそれなりに時間も過ぎ、回数も増えているのだが、いつまでたってもその行為に対する抵抗が抜けることなどなく、むしろさらにその抵抗感が増していっている節すらある。



ゆえに、女装という行為を羽月に求められるたびに涼羽はその顔を赤らめて、それだけはご勘弁を、と儚い懇願という名の抵抗をするのだが…

兄、涼羽の可愛い姿を見たくて見たくてたまらない羽月が、そんな涼羽の懇願に対して首を縦に振ってくれることなどなく、むしろその恥じらいに頬を染めて嫌がる姿も可愛すぎて、勢いのままに押し倒して、無理やり兄に女装を強要してしまっている。

そんな妹の懇願と言う名の攻撃に対してまるで無力な涼羽は、結局羽月の懇願を受け入れ、したくもないはずの女装をする羽目になってしまっている。



今日この日も、羽月は涼羽の可愛い姿を見たくて、涼羽に女の子の服を着るように懇願し…

涼羽は妹の懇願と言う名の攻撃に抗えず、泉のごとく沸きあがって来る恥じらいに必死に耐えながらも、妹の指定してきた衣類に、その身を包んでいる。



「お兄ちゃん、やっぱり女の子の服すっごく似合ってる♪可愛い~♪」

「は、恥ずかしいよ…羽月…」



羽月は涼羽の綺麗すぎる脚が非常にお気に入りのようで、それが見たくて、涼羽に常にスカートを着てもらうようにしている。

ボーイッシュなパンツルックももちろん、涼羽の脚線美と下半身のラインを強調するものとなるので、羽月としては眼福ものなのだが、やはり女の子の衣類だとはっきり分かるスカートの方を、羽月は好んで涼羽に着てもらっている。



今涼羽が、その華奢な身体を包んでいる衣類は、カジュアルなデザインのライトグリーンのパーカー。

少しだぼっとしており、その袖が涼羽の手の半分まで隠しているため、その可愛らしさを強調するものとなっている。

そして、ピンクとホワイトのチェックのデザインの、フレアが入ったミニスカート。

今回羽月が涼羽に指定したスカートは、よほど涼羽の脚線美を強調したかったのか、丈がかなり攻めたものとなっている。

涼羽の長い脚を、太ももの半分しか覆っていない為、かなり露出度の高いものとなっている。

膝丈のホワイトのソックスを履いてはいるものの、その脚がしっかりと露になっており、外に出れば誰もが、涼羽のその脚に視線を奪われることが、容易に想像できてしまう。



その手入れがしっかりと施されている長い髪は、ピンクのシュシュで左右両方でゆるく分けて結ばれており、いつものことではあるものの、やはりどこからどう見てもとびっきりの可愛らしい美少女にしか見えない状態となっている。



スカートの丈が今まで履いたことのあるものの中で、今回が最も短いこともあり、元々肌を露にすることそのものに非常に抵抗感を感じてしまう涼羽からすれば、下に何も身につけていないかのような感覚を覚えてしまい、その露になっている脚を少しでも隠そうと、床にぺたんとお尻をつけて、両足を開いて女の子座りの状態で俯いて、ひたすら恥らっている。



「お兄ちゃん、ほんとに脚綺麗~…こんなにミニスカート似合うんだから、自信持って♪」

「そ、そんなことに自信持ちたくないよ…俺、男なのに…」



兄の綺麗すぎる脚に文字通り、その目を奪われている羽月。

ぺたんと床に女の子座りになって恥ずかしがる姿の愛らしさもあって、もうこれでもかと言うほどに羽月は涼羽のことをじろじろととろけるような嬉しそうな笑顔を浮かべながら見つめている。



「そ、それに下着まで…だから…余計に恥ずかしい…」



しかもこの日は、妹に手渡された女性用の下着まで指定に入っており、それに身を包むことに対する抵抗感に必死に抗いながら、どうにか着ることができた、という状態になってしまっている。



いつの間に入手したのか分からない、なぜか涼羽のサイズにぴったりとあっている下着を、実の妹である羽月から手渡された時の涼羽の絶望感たるや…

まさに、この世に救いなんてないと本気で思ってしまいそうになるほど。



加えて、その下着がちょっとしたことで見えてしまいそうなほどに短いスカートを履いているため、そのスカートの中を何が何でも見られたくない、という思いが働いて、涼羽はその女の子座りの状態から身動きをとることすらできなくなってしまっている。



手渡された下着は上下お揃いの、純白でレースの入ったシルク地のもの。

清純な雰囲気に満ち溢れている涼羽によく似合うだろうと思って、羽月がこっそりと購入しておいたものなのだが、その見立てが正しいことを証明するかのように、涼羽の身体にその下着は違和感なくフィットしている。

しかも、胸の方に詰め物をしており、またしても涼羽の胸は妹、羽月と同じくらいの膨らみが出ている。



「も、もういいでしょ?羽月…もう着替えさせて…」

「だあめ♪こんなにも可愛いお兄ちゃん、もっと見たいの♪」

「や、やだ…見ないで…」

「やだ♪可愛いお兄ちゃん、だあい好き♪」



もうとにかく恥ずかしがって、困っている今の涼羽が可愛すぎて可愛すぎてたまらなくなり…

羽月はとうとう我慢ができなくなって、誰からも好意を寄せられるであろうほどの美少女になっている兄、涼羽の身体にべったりと抱きついて、涼羽の露になっている左頬にすりすりと、自分の頬を擦りつけてしまう。



そして、もはや見るだけでは収まらなくなってしまったのか、涼羽の露になっている脚に手を伸ばして、その絹のようにすべすべとした手触りを堪能し始める。



「!!ひゃあっ!!…は、羽月…触らないで…」

「えへへ♪すべすべですっごく綺麗~♪お兄ちゃんの脚、ほんとに綺麗すぎ~♪」

「は…恥ずかしい…俺、男なのに…」

「お兄ちゃん、だあい好き♪」



いきなり自分の太ももをなぞるように触られて、涼羽はその身体を大きくびくつかせてしまう。

まるで宝物に触れるように繊細な手つきで、羽月が触れてくる度に、その身体が震えてしまう。



脚を触られてより恥ずかしがってしまう涼羽がますます可愛らしくて、羽月はその抑え切れない思いをぶつけるかのように、涼羽の頬に自らの唇を落としてしまう。

一度で足りるはずなど、あるはずもなく、羽月は何度も何度も涼羽の頬にキスをして、この可愛すぎる兄は自分だけのものなんだと自己主張するかのように、その身体をぎゅうっと抱きしめて離さない。



「ねえ…お兄ちゃん♪」

「な、なあに?羽月?…」

「どうせなら、お兄ちゃんが女の子の下着つけてるところも、見たいな~♪」

「!!や、やだやだ!!な、何言ってるの羽月!!そんなの絶対だめ!!」



当然ながら、着替えは一人で済ませたため、涼羽の下着姿を羽月は見ることはできていない。

それは涼羽からすれば当然のことで、そもそも本来なら着ることなどない女性ものの衣類に身を包んでるだけでおかしいと言えるほどなのだから。

加えて下着まで身につけることになっており、涼羽としては今の状態でもはや拷問と言えるほどなのだから、女性ものの下着姿まで見せて欲しいなど、全力で拒否するのは無理もないこと。



男が女性ものの下着を身につけている姿など見て、何が面白いんだと言わんばかりに、涼羽は激しい抵抗を繰り返す。



「いいから、見せて♪ん~…」

「!!ん、んんっ!!…」



だが、羽月が涼羽のそんな抵抗に屈するはずもなく、涼羽に抱きついたまま涼羽を押し倒すと、その唇を強引に奪って、その口腔内を味わうように、羽月の舌が暴れ回る。

いつもそんな感じで主導権を握られ、どうすることもできなくなってなし崩しになっている涼羽は、この時も同じように、羽月の舌が与えてくる感覚にその意識をとろけさせられ、すぐに抵抗らしい抵抗すらできない状態に、されてしまう。



「や…やだ…やめて…」

「えへへ~…お兄ちゃんの下着~…」



すでに身体に力が入らない状態となっているが、せめてもの抵抗をその声でする涼羽。

しかし、それで羽月が止まってくれるはずなどなく、自分の下でとろとろになっている涼羽のパーカーのジッパーを開けて、その上半身を露にしてしまう。

いつも羽月が見ている、涼羽のその華奢な上半身が露になり、普段なら絶対に見ることのないはずのレースの入った純白のフルカップブラが涼羽の胸を覆っているのが、羽月の目に入ってくる。



男の子の胸なのに、まるで違和感のない涼羽のブラ姿に、羽月はまたしてもその顔をとろけさせてしまう。

傍から見れば、美少女が美少女を襲っているようにしか見えないその光景。



男である自分がブラを身につけている姿を妹である羽月に見られ、涼羽はあまりの恥ずかしさにその顔をふいと逸らすことしかできなくなってしまう。

身体もろくに動かない状態で、両手でその身体を覆い隠すこともできないため、ただただ、羽月の視線から逃れるように顔を逸らしている。



「わあ~、お兄ちゃんにおっぱいがあって…ブラしてて…ほんとにお兄ちゃんが女の子になったみたい~♪」

「うう…は…恥ずかしすぎるよ…」



もう恥ずかしすぎて、涙目になってしまっている涼羽の胸を、じろじろと覗き込むように見つめては、その顔をとろとろにしてしまっている羽月。

そして、その胸に顔を埋めて、いつものように思いっきり甘えてしまう。



涼羽ももはや脊髄反射で、そんな羽月を力の入らない両腕で優しく包み込んでしまう。



涼羽のスカートの中まで見せてもらおうという、涼羽からすればまさに拷問なことまで考えていた羽月だが、一度こうなるととことんまで甘えて甘えて、甘え倒してしまう羽月なだけに、ただひたすら涼羽の胸に顔を埋めて、涼羽に抱きしめられることを堪能するモードに入ってしまう。



そうして、涼羽は無意識のまま、妹にスカートの中を覗かれるという羞恥プレイを、回避することができたので、あった。

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