絶対守護者の学園生活記
世界
泣き疲れたのか、はたまた安心した影響かは分からないが、俺はリーゼさんに抱きしめられたまま眠ってしまったらしい。
目を開いたときに目の前に胸があったときは変な声を上げてしまった。
それはともかく、次の相手はシャルだ。シャルは生徒会の会長を務めていて、集合場所はその拠点でもある生徒会室だ。
呪いによって無力になったがために少しでも立派な王女になろうとして生徒会長になったんだよな。それで三年生になっても続けられてるんだからそれだけ信頼されているのだろう。
そんなわけでやってきました生徒会室。早速扉を開くと、四角い長テーブルにそれを囲うようにして椅子が置かれている。そして一番奥の席には腕を組み、さらには足を組んだシャルが座っていた。なぜにそんな姿勢。
「随分他の皆と仲良くしてたみたいですね?」
完璧とも思える笑顔。なのに俺は冷や汗が止まらない。シャルさん圧が!なんか威圧みたいなのがすごい出てますよ!
「まあレオンくんのことなので、それは今更だとして。リーゼはどうでしたか? 楽しんでいましたか?」
「……似た者同士だな。リーゼさんはちゃんと楽しんでたよ。一緒に劇も見たぞ」
「最初の方が聞こえませんでしたが……楽しめてましたか、そうですか……」
胸をなでおろすシャル。
例え自分が苦しんでいても大切な相手のことを思いやっている。なんか素敵だな、こんな関係って。シャルはリーゼさんの事を、リーゼさんはシャルの事をどれだけ大切に思っているかが二人の様子からよく分かる。
「それでお姫様? 貴方は私に何をお望みで?」
「ここで二人でのんびりしましょう。最近は落ち着かない時間が続いてましたし。どうせならここでシます? 貴重な経験になりますよ?」
「しねぇよ……」
流石に学園でするのはご免だ。興味がないわけではないが、俺達の今の立場を考えてほしい。王女と守護者だ。そんな二人がここでしているのがバレたら周りになんと言われるか。
「まあどちらもお年頃の少年少女だしな、少し位羽目を外したくなったんだろう。そんな感じではないですかね?」
「心の中を読むのはやめような? てかそんなんじゃ済まないだろ絶対」
「下手だなあの男、それに小さいし。でしょうかね?」
「やめて! 男相手にそれは禁句だから!」
「でも実際にレオンくんは下手でしたし……」
「え、マジ?」
「…………」
死にたい……
落ち込む俺が面白かったのか、ぷっと吹き出して笑い始めるシャル。
「ふふふ、嘘ですよ。ちゃんと私も気持ちよかったですから」
「……ならいいんだが。それよりこんな話をするような場所じゃないと思うんだがな」
「生徒会長権限で誰も来ないようにしてますから、聞かれる心配はないですよ?」
「権力怖い……」
「レオンくんと二人きりになれる機会なんて早々無いですからね」
それからは二人で様々な話をした。
アリスがまだ幼かった頃だったり、俺が村にいた頃の話だったり、俺がいない時に屋敷の皆がどんな話をしているかだったり。
そして、転生する前の俺のことについても。
「魔法がない世界ですか……想像もつきません」
「魔法が存在しない分、科学が発達してたからな。母さん達、元気にしてるかなあ……」
「……レオンくんは後悔してないんですか? 親を、そして友人をその世界に置いてきてしまったことを」
「後悔は……してないな」
確かに負い目がないわけではない。急に親しかった人が死んだとなれば誰だって落ち込むだろう。でも俺は一人の女の子、優ちゃんの命を救うことが出来たんだ。知り合いなどには悪いと思ってはいるが、死んだことに後悔はない。
それに
「この世界に来て、皆に会えたんだ。村ではカレンとリリィとアリスに、王都ではミーナにソフィにリーゼさん。そしてシャルにな」
そっとシャルの手を握る。するとシャルも握り返してくる。
「こんなしょうもない奴が、こんなにも沢山の大切な人に囲まれて、どんだけ幸せ者なんだって話だ」
「そうですね、こんなにも超絶美少女な私と付き合ってるんですし」
「それ自分で言う? とにかく、後悔はしていない。あ、でも俺が元の世界に帰りたくならないように繋ぎ止めてくれよ、超絶美少女さん?」
「任されました」
微笑みを返してくれたシャル。それは見惚れてしまうようなとても綺麗な笑みだった。
するとシャルは繋いでいた俺の手を引き、そのまま自身の胸に押し当てた。俺の手のひらに伝わるのは極上の感触。
「なんか良い話で終わりそうだったんだけど、なにしてんの君」
「最初に言ったじゃないですか。ここでシますかって」
「冗談じゃなかったのか?」
「私、冗談だって言いましたっけ?」
急いで今までの流れを振り返る。
……言ってないな。
「というわけで始めましょう。朝にソフィとしたのに私とは出来ないなんて言いませんよね?」
「なぜ知ってるんだ」
「女の情報網は凄いんですよ? 提供者は可愛いお犬さんです」
ミーナ、お前かああああああああ!!!
そうして、俺はほぼ襲われるかたちでシャルと繋がったのだった。
いや、興味はあったから途中から俺もノリノリだったんだけどね?
とにかく、俺はこの世界に来れて良かったと思っている。だからこそ、俺が果たすべき役割をしっかりとこなさなければいけない。
目を開いたときに目の前に胸があったときは変な声を上げてしまった。
それはともかく、次の相手はシャルだ。シャルは生徒会の会長を務めていて、集合場所はその拠点でもある生徒会室だ。
呪いによって無力になったがために少しでも立派な王女になろうとして生徒会長になったんだよな。それで三年生になっても続けられてるんだからそれだけ信頼されているのだろう。
そんなわけでやってきました生徒会室。早速扉を開くと、四角い長テーブルにそれを囲うようにして椅子が置かれている。そして一番奥の席には腕を組み、さらには足を組んだシャルが座っていた。なぜにそんな姿勢。
「随分他の皆と仲良くしてたみたいですね?」
完璧とも思える笑顔。なのに俺は冷や汗が止まらない。シャルさん圧が!なんか威圧みたいなのがすごい出てますよ!
「まあレオンくんのことなので、それは今更だとして。リーゼはどうでしたか? 楽しんでいましたか?」
「……似た者同士だな。リーゼさんはちゃんと楽しんでたよ。一緒に劇も見たぞ」
「最初の方が聞こえませんでしたが……楽しめてましたか、そうですか……」
胸をなでおろすシャル。
例え自分が苦しんでいても大切な相手のことを思いやっている。なんか素敵だな、こんな関係って。シャルはリーゼさんの事を、リーゼさんはシャルの事をどれだけ大切に思っているかが二人の様子からよく分かる。
「それでお姫様? 貴方は私に何をお望みで?」
「ここで二人でのんびりしましょう。最近は落ち着かない時間が続いてましたし。どうせならここでシます? 貴重な経験になりますよ?」
「しねぇよ……」
流石に学園でするのはご免だ。興味がないわけではないが、俺達の今の立場を考えてほしい。王女と守護者だ。そんな二人がここでしているのがバレたら周りになんと言われるか。
「まあどちらもお年頃の少年少女だしな、少し位羽目を外したくなったんだろう。そんな感じではないですかね?」
「心の中を読むのはやめような? てかそんなんじゃ済まないだろ絶対」
「下手だなあの男、それに小さいし。でしょうかね?」
「やめて! 男相手にそれは禁句だから!」
「でも実際にレオンくんは下手でしたし……」
「え、マジ?」
「…………」
死にたい……
落ち込む俺が面白かったのか、ぷっと吹き出して笑い始めるシャル。
「ふふふ、嘘ですよ。ちゃんと私も気持ちよかったですから」
「……ならいいんだが。それよりこんな話をするような場所じゃないと思うんだがな」
「生徒会長権限で誰も来ないようにしてますから、聞かれる心配はないですよ?」
「権力怖い……」
「レオンくんと二人きりになれる機会なんて早々無いですからね」
それからは二人で様々な話をした。
アリスがまだ幼かった頃だったり、俺が村にいた頃の話だったり、俺がいない時に屋敷の皆がどんな話をしているかだったり。
そして、転生する前の俺のことについても。
「魔法がない世界ですか……想像もつきません」
「魔法が存在しない分、科学が発達してたからな。母さん達、元気にしてるかなあ……」
「……レオンくんは後悔してないんですか? 親を、そして友人をその世界に置いてきてしまったことを」
「後悔は……してないな」
確かに負い目がないわけではない。急に親しかった人が死んだとなれば誰だって落ち込むだろう。でも俺は一人の女の子、優ちゃんの命を救うことが出来たんだ。知り合いなどには悪いと思ってはいるが、死んだことに後悔はない。
それに
「この世界に来て、皆に会えたんだ。村ではカレンとリリィとアリスに、王都ではミーナにソフィにリーゼさん。そしてシャルにな」
そっとシャルの手を握る。するとシャルも握り返してくる。
「こんなしょうもない奴が、こんなにも沢山の大切な人に囲まれて、どんだけ幸せ者なんだって話だ」
「そうですね、こんなにも超絶美少女な私と付き合ってるんですし」
「それ自分で言う? とにかく、後悔はしていない。あ、でも俺が元の世界に帰りたくならないように繋ぎ止めてくれよ、超絶美少女さん?」
「任されました」
微笑みを返してくれたシャル。それは見惚れてしまうようなとても綺麗な笑みだった。
するとシャルは繋いでいた俺の手を引き、そのまま自身の胸に押し当てた。俺の手のひらに伝わるのは極上の感触。
「なんか良い話で終わりそうだったんだけど、なにしてんの君」
「最初に言ったじゃないですか。ここでシますかって」
「冗談じゃなかったのか?」
「私、冗談だって言いましたっけ?」
急いで今までの流れを振り返る。
……言ってないな。
「というわけで始めましょう。朝にソフィとしたのに私とは出来ないなんて言いませんよね?」
「なぜ知ってるんだ」
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