絶対守護者の学園生活記
ロリコン襲来
夏休みが始まり、一週間が経った。クーもすっかり我が家に馴染み、今は嫁達と遊んでいる。なんやかんやでしっかりお姉さんしているカレン達、ニコニコ嬉しそうなクーを見ているとすごく和む。
研究所での出来事からしばらくは何もなくまったりと過ごすことが出来ていた俺達。何もないということの幸せを噛みしめていた。
しかし今日はとあるイベントがある。
ロリコンが我が家に攻めてくる。
ああ違う。ロリコンが許嫁さんを連れて我が家に遊びにくる。ついでに一泊するらしい。
最初にマルクに俺が屋敷に引っ越し、そこでカレン達と一緒に住むことを伝えた時はたしか「ついに愛の巣まで作りやがって! この非モテの敵め!」とか言っていた気がする。お前も許嫁いるし非モテじゃないだろ。
しかしマルクも平民なだけあって大きな屋敷というのには興味があるらしいので、今度許嫁さん連れて遊びに来いと誘っておいたのだ。
そんなわけでホールで待ってるわけなんだが。
「パパ~、誰か来るの~?」
クーが俺の服の裾を引っ張りながらそう聞いてくる。この子の説明どうすっかなぁ……
研究所の存在は話すことは出来ないだろうし、ソフィ先輩との子ですっていうのもクーの予想年齢である四歳から考えると無理がある。なら孤児院から引き取ったというのはどうだ? でもなぜ急にそんなことを? ってなるよな。
そうして必死に説明を考えてる間に、無情にも来客を知らせるチャイムが鳴り響く。
扉を開けると、そこにはマルクとリリィよりも小さい女の子が手を繋いで立っていた。
ん? 女の子の目が開いてないようだが……
「おっすレオン」
「こらマー君。しっかり挨拶しないと」
軽い挨拶をするマルクを諫める女の子。うん、今のやりとりで普段の二人がどんな感じか分かったわ。
でも本当にこの子がマルクが浮気したら心中するって言ってた子か? すごく良い子に見えるんだが。
「すまんすまん。お邪魔させてもらうぞレオン」
「失礼します」
そして二人を招き入れ、カレン達が待つリビングまで案内する。マルクは物珍しさからか、キョロキョロしているが。
そしてリビングに着き、皆でソファーに座って自己紹介を始めた。許嫁さんの名前はシェリーというらしい。
「なあレオンよ。少し質問良いか?」
「いいぞ。大体どんなのかは分かってるが」
全員の自己紹介を終えると、すぐさまマルクが聞いてくる。むしろよくここまで聞かずに耐えたものだなと感心してしまう。
「なんでソフィ先輩がここにいんだよ! それにその子はなんなんだよ! いったい誰の子なのよ!」
最もな質問を投げかけてくるマルク。でも最後のはなんか違くない? まるで浮気された妻みたいなセリフになってないか?
「ソフィ先輩は俺の婚約者になったからだ。クーは……」
「私とレオンが裏路地で倒れていたその子を助けた。どうやら身寄りもいないらしく、その時にいた私とレオンのことを親だと思っている」
「そ、そういうことだ」
ソフィ先輩のナイスアシストによってどうにか事なきを得た。頼りになるなぁ。
「しかし、綺麗所ばっかりだよなあ。羨ましい」
マルクがカレン達を見渡してそういう。しかし俺達は恐怖に怯えていた。
「マー君? 何言ってるのかな?」
マルクの隣に座っていたシェリーちゃんから、阿修羅のスタ○ドが出ていた。あちらには阿修羅が住んでいましたか……。目が開いていたらきっと笑っていないだろう。これがヤンデレですか……。
「ひっ! お、俺はシェリーさえいればそれでいいから!」
十歳の女の子に怯える大の男。物凄くシュールである。
こんな光景を見ていると、なんでシェリーちゃんはマルクの事を好きになったんだろうか。そう思わずにはいられない。
「ねぇシェリー。どうしてその男の許嫁になったの?」
同じ疑問が浮かんでいたのか、カレンがシェリーちゃんに問いかける。
流石に答えないのは失礼なので、マルクへ詰め寄るのはやめてこちらを向く。隣ではマルクが心底安心したかのような表情をしている。
「実は私、目が見えないんです。その分魔力の流れを読み取るのに長けていて、それで人を判別することは出来るんです。ですが日常生活を送るには不便なことは変わらず、常に部屋に籠っていました。ある日、部屋に籠ってばかりでは体に悪いと母が私を外へと連れて行ってくれました。母は手を繋いでくれていましたが、街中には余りにも人が溢れていて、私ははぐれてしまったんです。母を探そうにも、人が多すぎて無理でした。途方に暮れて、私はその場で泣いてしまいました。その時――」
まるで花が咲いたかのような笑みをし
「大丈夫か? ってマー君が声をかけてくれたんです。」
そう言った。
「その後、私の事情を聞いたマー君は一緒に母を探してくれました。その後も目の不自由な私のために、家に何回も遊びに来てくれて、いろんな話をしてくれて。私はいつしかマー君のことが好きになっていました。だから言ったんです。私はあなたのことが好きですって」
ほぅ……。そりゃ惚れるわな。マルクさん中々イケメンじゃないですか。
「最初は小さい子供がパパのお嫁さんになるーって言ってるみたいな、そう言った感じの憧れからの告白かと思って了承しちまったんだよなぁ」
……なんか聞こえたが無視だ、無視。
シェリーちゃんはマルクの腕に抱き着き。
「だから、マー君は私だけのマー君なんです。どこにも行かせませんからね、マー君?」
さっきと同じ笑顔を浮かべるシェリーちゃん。しかし目はまたしても笑ってはいなかった。
マルクさん、多分その花、かなりの猛毒持ってますよ。
研究所での出来事からしばらくは何もなくまったりと過ごすことが出来ていた俺達。何もないということの幸せを噛みしめていた。
しかし今日はとあるイベントがある。
ロリコンが我が家に攻めてくる。
ああ違う。ロリコンが許嫁さんを連れて我が家に遊びにくる。ついでに一泊するらしい。
最初にマルクに俺が屋敷に引っ越し、そこでカレン達と一緒に住むことを伝えた時はたしか「ついに愛の巣まで作りやがって! この非モテの敵め!」とか言っていた気がする。お前も許嫁いるし非モテじゃないだろ。
しかしマルクも平民なだけあって大きな屋敷というのには興味があるらしいので、今度許嫁さん連れて遊びに来いと誘っておいたのだ。
そんなわけでホールで待ってるわけなんだが。
「パパ~、誰か来るの~?」
クーが俺の服の裾を引っ張りながらそう聞いてくる。この子の説明どうすっかなぁ……
研究所の存在は話すことは出来ないだろうし、ソフィ先輩との子ですっていうのもクーの予想年齢である四歳から考えると無理がある。なら孤児院から引き取ったというのはどうだ? でもなぜ急にそんなことを? ってなるよな。
そうして必死に説明を考えてる間に、無情にも来客を知らせるチャイムが鳴り響く。
扉を開けると、そこにはマルクとリリィよりも小さい女の子が手を繋いで立っていた。
ん? 女の子の目が開いてないようだが……
「おっすレオン」
「こらマー君。しっかり挨拶しないと」
軽い挨拶をするマルクを諫める女の子。うん、今のやりとりで普段の二人がどんな感じか分かったわ。
でも本当にこの子がマルクが浮気したら心中するって言ってた子か? すごく良い子に見えるんだが。
「すまんすまん。お邪魔させてもらうぞレオン」
「失礼します」
そして二人を招き入れ、カレン達が待つリビングまで案内する。マルクは物珍しさからか、キョロキョロしているが。
そしてリビングに着き、皆でソファーに座って自己紹介を始めた。許嫁さんの名前はシェリーというらしい。
「なあレオンよ。少し質問良いか?」
「いいぞ。大体どんなのかは分かってるが」
全員の自己紹介を終えると、すぐさまマルクが聞いてくる。むしろよくここまで聞かずに耐えたものだなと感心してしまう。
「なんでソフィ先輩がここにいんだよ! それにその子はなんなんだよ! いったい誰の子なのよ!」
最もな質問を投げかけてくるマルク。でも最後のはなんか違くない? まるで浮気された妻みたいなセリフになってないか?
「ソフィ先輩は俺の婚約者になったからだ。クーは……」
「私とレオンが裏路地で倒れていたその子を助けた。どうやら身寄りもいないらしく、その時にいた私とレオンのことを親だと思っている」
「そ、そういうことだ」
ソフィ先輩のナイスアシストによってどうにか事なきを得た。頼りになるなぁ。
「しかし、綺麗所ばっかりだよなあ。羨ましい」
マルクがカレン達を見渡してそういう。しかし俺達は恐怖に怯えていた。
「マー君? 何言ってるのかな?」
マルクの隣に座っていたシェリーちゃんから、阿修羅のスタ○ドが出ていた。あちらには阿修羅が住んでいましたか……。目が開いていたらきっと笑っていないだろう。これがヤンデレですか……。
「ひっ! お、俺はシェリーさえいればそれでいいから!」
十歳の女の子に怯える大の男。物凄くシュールである。
こんな光景を見ていると、なんでシェリーちゃんはマルクの事を好きになったんだろうか。そう思わずにはいられない。
「ねぇシェリー。どうしてその男の許嫁になったの?」
同じ疑問が浮かんでいたのか、カレンがシェリーちゃんに問いかける。
流石に答えないのは失礼なので、マルクへ詰め寄るのはやめてこちらを向く。隣ではマルクが心底安心したかのような表情をしている。
「実は私、目が見えないんです。その分魔力の流れを読み取るのに長けていて、それで人を判別することは出来るんです。ですが日常生活を送るには不便なことは変わらず、常に部屋に籠っていました。ある日、部屋に籠ってばかりでは体に悪いと母が私を外へと連れて行ってくれました。母は手を繋いでくれていましたが、街中には余りにも人が溢れていて、私ははぐれてしまったんです。母を探そうにも、人が多すぎて無理でした。途方に暮れて、私はその場で泣いてしまいました。その時――」
まるで花が咲いたかのような笑みをし
「大丈夫か? ってマー君が声をかけてくれたんです。」
そう言った。
「その後、私の事情を聞いたマー君は一緒に母を探してくれました。その後も目の不自由な私のために、家に何回も遊びに来てくれて、いろんな話をしてくれて。私はいつしかマー君のことが好きになっていました。だから言ったんです。私はあなたのことが好きですって」
ほぅ……。そりゃ惚れるわな。マルクさん中々イケメンじゃないですか。
「最初は小さい子供がパパのお嫁さんになるーって言ってるみたいな、そう言った感じの憧れからの告白かと思って了承しちまったんだよなぁ」
……なんか聞こえたが無視だ、無視。
シェリーちゃんはマルクの腕に抱き着き。
「だから、マー君は私だけのマー君なんです。どこにも行かせませんからね、マー君?」
さっきと同じ笑顔を浮かべるシェリーちゃん。しかし目はまたしても笑ってはいなかった。
マルクさん、多分その花、かなりの猛毒持ってますよ。
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