Creation World Online
第52話
「よ!シュウ!遊びに来たぜ!」
「お邪魔します。あ、これつまらない物ですが…」
玄関の扉を開けばそこには、カラカラと笑うキョウジとキッチリとお辞儀をして菓子折りまで持って来ているユノの姿があった。
というより、なんでこいつら俺の家を知っているんだ?
キョウジに尋ねてみると、
「え?ナクちゃんが教えてくれたぜ?」
「はい、ナクさんから遊びに来て良いと言われました。…ご迷惑でしたか?」
あー、こいつか…
ナクを見ればそっぽを向いて2階へと逃げ出そうとしていた。
逃がすか!
「エンリベル!」
『ハッ!【バインドシャドウ】』
実体を持ったエンリベルの影が、駆け出そうとしていたナクの足に絡みつき、転けさせる。
プラーン、とそのまま宙吊りになったナクの元へゆっくりと歩を進める。
さて、話を聞こうじゃないか。
「ナク、何か言い訳はあるか?」
「…私は悪くな_みぎゃっぎゃっ!」
まったく、こいつは…
新しく覚えた雷系魔法の【ショック】を使用すると、軽い電流が流れナクはふにゃふにゃっとなってしまう。
「もうするなよ」
「ん…シュウ。今のまたやって、気持ち良かった」
そう言ってハァハァ息を荒くする変態。
ユノが汚物でも見るような目で見てるぞ。
「なるほど、電力が足りないらしいな」
「…ごめん、嘘だからやめて」
まったく、最近忘れてたけどこいつ変態なんだよな。
ナクへのお仕置きを終えた俺は、キョウジ達を促して応接間へと向かう。
☆
応接間に着くと、キョウジとユノに座るように促して、その正面のソファに腰掛ける。
ああ、フカフカだ。それなりにお高かっただけはある。
ソファの座り心地に満足しているとエンリベルがティーカップを4つ持ってくる。
『どうぞ、お客人』
「ああ、ありがとな」
「えっ、これ結構高いやつじゃないですか。良いんですか?」
『お客人は、主様の大切なご友人ですので、最高のおもてなしをしなければ主様に叱られます』
いや、叱らないけどな。
そんなことよりいつの間にかティーセットやら茶葉やらが揃っていることに驚いているんだが。
後で聞いてみると、すべてエンリベルのポケットマネーらしい。
代金を払おうとすると
『我がしたくてやったことです。お気になさらず』
と言われてしまった。
今度何か返すことにしよう。
「で、お前らは何しに来たんだ?用があるんだよな?」
「遊びに来ただけだぜ!」
キョウジがそう言うと、ユノがキョウジの頭を叩く。
「兄さんはバカですか。バカでしたね」
「おい!自己完結すんな!俺はバカじゃねえ!」
中々ユノは口が悪いな。まあ、キョウジがバカという点には同意するけど。
「で、用事はなんなんだ?」
「そうでした。このバ…兄さんのせいですっかり忘れてました」
今バカって言おうとしたな。キョウジは気づいてないみたいだけど。
「今回お伺いしたのは手伝っていただきたいことがあるからです」
「何を手伝って欲しいんだ?」
そう言うとユノは居住まいを正してこう言った。
「あるクエストを手伝って欲しいんです」
☆
クエスト【始まりの一歩】このクエストは、ギルドと呼ばれるプレイヤーの集まりを作るために必要なクエストで、これをクリアすることで初めてギルドを作ることができる。
ギルドを作ればプレイヤー間の情報交換、安全なレベル上げ、そしてギルドスキルと呼ばれる特殊なスキルの使用が可能となる。
しかし、クエストの参加条件が1つある。
「4人以上のパーティーで挑む、ね」
そう呟いた俺の目の前には大きな神殿が建っていた。
「はい、そうなんです。ですので、手伝っていただけてとても助かります」
「ああ、助かるぜー」
ユノとキョウジはそう言って笑う。
あ、笑顔はなんとなく似てるな。
「とりあえず、早く行こ」
「あ!おい!待て!」
俺の制止も空しく、ナクはさっさと神殿の中へ入ってしまった。
「ははっ!ナクちゃんは元気だな!」
「はあ…元気なんじゃなくて何も考えてないだけだと思うぞ」
入口で騒いでいても迷惑なだけなので俺達も中に入ることにする。          
「お邪魔します。あ、これつまらない物ですが…」
玄関の扉を開けばそこには、カラカラと笑うキョウジとキッチリとお辞儀をして菓子折りまで持って来ているユノの姿があった。
というより、なんでこいつら俺の家を知っているんだ?
キョウジに尋ねてみると、
「え?ナクちゃんが教えてくれたぜ?」
「はい、ナクさんから遊びに来て良いと言われました。…ご迷惑でしたか?」
あー、こいつか…
ナクを見ればそっぽを向いて2階へと逃げ出そうとしていた。
逃がすか!
「エンリベル!」
『ハッ!【バインドシャドウ】』
実体を持ったエンリベルの影が、駆け出そうとしていたナクの足に絡みつき、転けさせる。
プラーン、とそのまま宙吊りになったナクの元へゆっくりと歩を進める。
さて、話を聞こうじゃないか。
「ナク、何か言い訳はあるか?」
「…私は悪くな_みぎゃっぎゃっ!」
まったく、こいつは…
新しく覚えた雷系魔法の【ショック】を使用すると、軽い電流が流れナクはふにゃふにゃっとなってしまう。
「もうするなよ」
「ん…シュウ。今のまたやって、気持ち良かった」
そう言ってハァハァ息を荒くする変態。
ユノが汚物でも見るような目で見てるぞ。
「なるほど、電力が足りないらしいな」
「…ごめん、嘘だからやめて」
まったく、最近忘れてたけどこいつ変態なんだよな。
ナクへのお仕置きを終えた俺は、キョウジ達を促して応接間へと向かう。
☆
応接間に着くと、キョウジとユノに座るように促して、その正面のソファに腰掛ける。
ああ、フカフカだ。それなりにお高かっただけはある。
ソファの座り心地に満足しているとエンリベルがティーカップを4つ持ってくる。
『どうぞ、お客人』
「ああ、ありがとな」
「えっ、これ結構高いやつじゃないですか。良いんですか?」
『お客人は、主様の大切なご友人ですので、最高のおもてなしをしなければ主様に叱られます』
いや、叱らないけどな。
そんなことよりいつの間にかティーセットやら茶葉やらが揃っていることに驚いているんだが。
後で聞いてみると、すべてエンリベルのポケットマネーらしい。
代金を払おうとすると
『我がしたくてやったことです。お気になさらず』
と言われてしまった。
今度何か返すことにしよう。
「で、お前らは何しに来たんだ?用があるんだよな?」
「遊びに来ただけだぜ!」
キョウジがそう言うと、ユノがキョウジの頭を叩く。
「兄さんはバカですか。バカでしたね」
「おい!自己完結すんな!俺はバカじゃねえ!」
中々ユノは口が悪いな。まあ、キョウジがバカという点には同意するけど。
「で、用事はなんなんだ?」
「そうでした。このバ…兄さんのせいですっかり忘れてました」
今バカって言おうとしたな。キョウジは気づいてないみたいだけど。
「今回お伺いしたのは手伝っていただきたいことがあるからです」
「何を手伝って欲しいんだ?」
そう言うとユノは居住まいを正してこう言った。
「あるクエストを手伝って欲しいんです」
☆
クエスト【始まりの一歩】このクエストは、ギルドと呼ばれるプレイヤーの集まりを作るために必要なクエストで、これをクリアすることで初めてギルドを作ることができる。
ギルドを作ればプレイヤー間の情報交換、安全なレベル上げ、そしてギルドスキルと呼ばれる特殊なスキルの使用が可能となる。
しかし、クエストの参加条件が1つある。
「4人以上のパーティーで挑む、ね」
そう呟いた俺の目の前には大きな神殿が建っていた。
「はい、そうなんです。ですので、手伝っていただけてとても助かります」
「ああ、助かるぜー」
ユノとキョウジはそう言って笑う。
あ、笑顔はなんとなく似てるな。
「とりあえず、早く行こ」
「あ!おい!待て!」
俺の制止も空しく、ナクはさっさと神殿の中へ入ってしまった。
「ははっ!ナクちゃんは元気だな!」
「はあ…元気なんじゃなくて何も考えてないだけだと思うぞ」
入口で騒いでいても迷惑なだけなので俺達も中に入ることにする。          
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