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かずみ

第50話

「ナク!そっちに行ったぞ!」
「任せて【アクアウィップ】」


 ナクの杖から放たれた水の鞭が、ナク目掛けて動き出していたヒルのようなモブを切り裂いて、絶命させる。


「ふう、お疲れ。休憩するか?」
「うん、休憩しよ」


 俺達は、手頃な岩に腰掛けるとアイテムポーチから取り出した飲み物で喉を潤す。
 すると、俺の影から音も無くエンリベルが姿を表す。


『主様、時間にゴザいマす』
「ああ、ありがとな。ナク、行くぞ」
「ん…わかった」


 トテトテと、ナクが駆け寄ってきて俺の腕に抱きつく。
 ギュッと、大きな2つの柔らかな感触が俺の腕に伝わる。
 いや、嬉しいんだが歩きにくいな…


『小娘、主様が迷惑そうナ顔をしてイルだロウ。離レろ』
「嫌、無理、骨に何か言われる筋合いはない」
『良かロウ、小娘。杖を構えヨ、消し炭にシてくれルワ!』
「ふん、ボスでなくなった骨に何ができる。返り討ちにする」


 そう言ってバチバチと火花を散らす2人。
 喧嘩すんなよ!大人しくしろよ!


「はあ…2人ともいい加減にしてくれ…やめないならパーティー解散な」
「むぅ…骨、命拾いした」
『ソレハ、我のセリフだぞ小娘』


 無言でまた杖を取り出す2人。
 だからやめろっての!
 結局、街に戻るまでナクとエンリベルは喧嘩を続けたのであった。
 まあ、不幸中の幸いというか、直接攻撃での喧嘩は一回しかなかったってことかな。          

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