女神の加護を持つ死神
聖女と妖精族12
妖精族が住む大陸。
その中に誰にも知られてこなかった里がある。
そしてその里から真逆に近い位置にはある大軍がいた。
いや、そこだけではない。
里を囲むようにして、等間隔で何個もの大軍がいる。
そのなかでも四つ、人数は少ないが大きな力を持った軍があった。
それが四天王と呼ばれる者達の軍であった。
◇◆◇◆◇◆
「あれがルニウスか……」
「そのようじゃの。……確かにあれは強いようじゃ」
「四天王の中でも頭一つ抜けているという辺りだろうな」
「そうですね。汚物が四天王の中で一番強いようです。魔王に次ぐ実力だとか」
ソラが言った言葉を俺は少し考えた。
そして思う。
あれ? ソラさん怒ってらっしゃる?
俺はその結論に至ると無意識の内に身震いをしていた。
いつもの怒り方で無いところが逆に不安を覚えてしまう。
いつもならば、それはもーぉ、超笑顔で詰めよってきたりするのに、今回はただ罵倒しただけ。
もしかして……ガチ怒なんじゃ。
自然と俺の額には汗が流れる。
「どうされましたか? キラリ様?」
「い、いや。なんでもないです」
ソラはわけわからず首を傾げる。
助けを求める為に隣を見てみると同じ様な状況下の方二名。
この付き合いからか考えることは同じなよう。
「皆さん、配置はどうしますか?」
ソラが俺達に向かって言ってきた。
「……あ、あぁそうだな。配置考えぇとな」
「…….ま、まずはそうじゃな。早く考えようなのじゃ」
「そ、そうだな。配置を考える事は大切な事だ」
ソラの一声によって俺達は正気を取り戻した。
……ソラはまだ???というようなものを、また頭に浮かべているが、まぁ良いだろう。
「皆さんがまだ決められていないのでしたら私の意見でもよろしいでしょうか?」
「……まぁ、別に俺はいいぞ。ソラの事だし任せられるだろ」
「じゃな。私もソラなら文句は言わないのじゃ」
「我も問題はない」
「では」
ソラはそう言うと、俺達の前にARのマップを出してきた。
……律儀な事に敵の位置が表示されている。
敵さんに同情をしてしまうのだが。
「……? どうかされましたか?」
「いや、なんでもない」
「なら、構いませんが……?」
どうやら顔に出ていたようだ。
次からは注意しなきゃな。
……というか敵にこんな気持ちをさせないように少しはあちら側も頑張ってもらいたいものだ。
いや、出来たらしてるか。
「……オホン!」
「いや、どこのおっさんだよ!」
「……このマップを見てもらいたいのですがーー」
「人の話を聞いてくれるかな!?」
「敵はいくつかに別れて里を囲むように待機しています。あの感じからすると今夜にも奇襲を掛けてくるというような勢いです」
「……うん、もう完全無視だね」
これは俺の事いない存在としてるね。
ソラさん本当に俺のこと無視するんだけど。
……一応俺が主だよね? これなくなってる訳じゃないよね?
完全に立場関係なくなってる気がするんだけど。
「なくなって無いですから大丈夫ですよ」
「あ、はい」
「では、話を戻しますが、この軍は大抵の所が沢山の魔物や魔族で構成されています。しかし四つだけ少なく、尚且つ魔物だけで固められている敵がいています。それを纏めているのが四天王達です」
確認というような雰囲気でソラは言った。
「この四天王達はあの中でも格別に強いですので、二人で担当としましょう。雑魚どもも二人というようにします」
まだ怒ってらっしゃった。
多分これ中々直らないな。
駄目なルートに入ってらっしゃる。
「このような配置にするとして……」
あれ? 俺が可笑しいのかな?
これ配置とかじゃない気が……
「キラリ様。何か不満でも?」
「いえ! 全くもってありません!!」
「そうですか」
(おい。ソラがなんか怒ってるのじゃぞ!)
(やめておけ! 我等まて巻き込まれるぞ!)
「おい、お前ら! 小声で喋ってても聞こえてるからな!!」
俺のスキルなめんじゃねーぞ!
大抵の事は全部聞こえてるからな!
……なんかたまに聞こえないときあるけど。
「はいはい。キラリ様のスキルはラノベ主人公特性のせいですよ。一生物なので気にしないでください」
「ホントに扱い酷くない!?」
「気にするな、なのじゃキラリ」
「そうだ。もう全員知っているのだからな」
いや、お前らまでもかよ!
……本当なんなんだよ。
俺がラノベ主人公って……なんの冗談だよ。
「「「冗談ではない」」」
「……………………えっ、まじ?」
皆様「うん」と言う表情をされている。
……え? 本当に言ってるの。
「とりあえずキラリ様は置いといて、誰がどこ担当するか決めましょうか?」
「じゃな。私は強い奴と戦いたいのじゃあー!」
「では我は多い数の敵を倒すことで良いぞ」
俺の意見は無しなのかなー?
きーてーほーしーなー!
「はいはい。どこ行きたいのですか?」
本当に従者関係とはなんなのだろう?
俺の中のイメージ覆りまくってるんだけど。
「で、どこに行きたいのですか?」
「もちろん四天王で」
そう俺が言うと皆さん揃いも揃って同じ顔をされている。
こんな個性豊かな人達が同じ事してるって中々ないね。
「キラリ様」
「キラリ」
「主人」
「………なんでしょうか?」
すると三人は大声で叫んだ。
ーー自分達も行きたい、と
「おい! そんな大声出したら気づかれるって!!」
「大丈夫です。音漏れしないようしっかりと結界を張っておりますので」
「いつの間に!?」
……まぁ、そんなことはどうでもよいとして。
そうだよな。
全員四天王……いや、エルを襲ったルニウスを倒したいんだよな。
「そうですよ。考えてくださいね」
「……はい」
「そうじゃよ。私もぶっ殺してやりたいのじゃよ」
「……はい」
「我も殺してやりたいのだからな」
「……はい」
「「「なんではいしか言わない!!」」」
「お前らがそんな雰囲気出したんじゃん!?」
なんだよこいつら……。
自分達で「はい」しか言えないような雰囲気出しといてキレるとか!
マジでおかしいんじゃねーの!?
「とりあえずです。皆様キラリ様と同じ気持ちなのです。分かりましたか?」
「おけ。充分分かった」
「そうですか。では、もう決め方は一つですよね?」
「だな。お前らもそれで良いか?」
「私はそれで良いのじゃ。それが平等じゃろうしな」
「我も構わぬぞ」
そうか。
そう一言だけ俺は告げると、前に手を出した。
アル、ソラ、ヘーニルも同じように手を出した。
「じゃあいくぞ……!!」
俺の掛け声と共に全員が手を引いた。
そして前へと出す。
「「「「じゃんけん……ポン!! 」」」」
その中に誰にも知られてこなかった里がある。
そしてその里から真逆に近い位置にはある大軍がいた。
いや、そこだけではない。
里を囲むようにして、等間隔で何個もの大軍がいる。
そのなかでも四つ、人数は少ないが大きな力を持った軍があった。
それが四天王と呼ばれる者達の軍であった。
◇◆◇◆◇◆
「あれがルニウスか……」
「そのようじゃの。……確かにあれは強いようじゃ」
「四天王の中でも頭一つ抜けているという辺りだろうな」
「そうですね。汚物が四天王の中で一番強いようです。魔王に次ぐ実力だとか」
ソラが言った言葉を俺は少し考えた。
そして思う。
あれ? ソラさん怒ってらっしゃる?
俺はその結論に至ると無意識の内に身震いをしていた。
いつもの怒り方で無いところが逆に不安を覚えてしまう。
いつもならば、それはもーぉ、超笑顔で詰めよってきたりするのに、今回はただ罵倒しただけ。
もしかして……ガチ怒なんじゃ。
自然と俺の額には汗が流れる。
「どうされましたか? キラリ様?」
「い、いや。なんでもないです」
ソラはわけわからず首を傾げる。
助けを求める為に隣を見てみると同じ様な状況下の方二名。
この付き合いからか考えることは同じなよう。
「皆さん、配置はどうしますか?」
ソラが俺達に向かって言ってきた。
「……あ、あぁそうだな。配置考えぇとな」
「…….ま、まずはそうじゃな。早く考えようなのじゃ」
「そ、そうだな。配置を考える事は大切な事だ」
ソラの一声によって俺達は正気を取り戻した。
……ソラはまだ???というようなものを、また頭に浮かべているが、まぁ良いだろう。
「皆さんがまだ決められていないのでしたら私の意見でもよろしいでしょうか?」
「……まぁ、別に俺はいいぞ。ソラの事だし任せられるだろ」
「じゃな。私もソラなら文句は言わないのじゃ」
「我も問題はない」
「では」
ソラはそう言うと、俺達の前にARのマップを出してきた。
……律儀な事に敵の位置が表示されている。
敵さんに同情をしてしまうのだが。
「……? どうかされましたか?」
「いや、なんでもない」
「なら、構いませんが……?」
どうやら顔に出ていたようだ。
次からは注意しなきゃな。
……というか敵にこんな気持ちをさせないように少しはあちら側も頑張ってもらいたいものだ。
いや、出来たらしてるか。
「……オホン!」
「いや、どこのおっさんだよ!」
「……このマップを見てもらいたいのですがーー」
「人の話を聞いてくれるかな!?」
「敵はいくつかに別れて里を囲むように待機しています。あの感じからすると今夜にも奇襲を掛けてくるというような勢いです」
「……うん、もう完全無視だね」
これは俺の事いない存在としてるね。
ソラさん本当に俺のこと無視するんだけど。
……一応俺が主だよね? これなくなってる訳じゃないよね?
完全に立場関係なくなってる気がするんだけど。
「なくなって無いですから大丈夫ですよ」
「あ、はい」
「では、話を戻しますが、この軍は大抵の所が沢山の魔物や魔族で構成されています。しかし四つだけ少なく、尚且つ魔物だけで固められている敵がいています。それを纏めているのが四天王達です」
確認というような雰囲気でソラは言った。
「この四天王達はあの中でも格別に強いですので、二人で担当としましょう。雑魚どもも二人というようにします」
まだ怒ってらっしゃった。
多分これ中々直らないな。
駄目なルートに入ってらっしゃる。
「このような配置にするとして……」
あれ? 俺が可笑しいのかな?
これ配置とかじゃない気が……
「キラリ様。何か不満でも?」
「いえ! 全くもってありません!!」
「そうですか」
(おい。ソラがなんか怒ってるのじゃぞ!)
(やめておけ! 我等まて巻き込まれるぞ!)
「おい、お前ら! 小声で喋ってても聞こえてるからな!!」
俺のスキルなめんじゃねーぞ!
大抵の事は全部聞こえてるからな!
……なんかたまに聞こえないときあるけど。
「はいはい。キラリ様のスキルはラノベ主人公特性のせいですよ。一生物なので気にしないでください」
「ホントに扱い酷くない!?」
「気にするな、なのじゃキラリ」
「そうだ。もう全員知っているのだからな」
いや、お前らまでもかよ!
……本当なんなんだよ。
俺がラノベ主人公って……なんの冗談だよ。
「「「冗談ではない」」」
「……………………えっ、まじ?」
皆様「うん」と言う表情をされている。
……え? 本当に言ってるの。
「とりあえずキラリ様は置いといて、誰がどこ担当するか決めましょうか?」
「じゃな。私は強い奴と戦いたいのじゃあー!」
「では我は多い数の敵を倒すことで良いぞ」
俺の意見は無しなのかなー?
きーてーほーしーなー!
「はいはい。どこ行きたいのですか?」
本当に従者関係とはなんなのだろう?
俺の中のイメージ覆りまくってるんだけど。
「で、どこに行きたいのですか?」
「もちろん四天王で」
そう俺が言うと皆さん揃いも揃って同じ顔をされている。
こんな個性豊かな人達が同じ事してるって中々ないね。
「キラリ様」
「キラリ」
「主人」
「………なんでしょうか?」
すると三人は大声で叫んだ。
ーー自分達も行きたい、と
「おい! そんな大声出したら気づかれるって!!」
「大丈夫です。音漏れしないようしっかりと結界を張っておりますので」
「いつの間に!?」
……まぁ、そんなことはどうでもよいとして。
そうだよな。
全員四天王……いや、エルを襲ったルニウスを倒したいんだよな。
「そうですよ。考えてくださいね」
「……はい」
「そうじゃよ。私もぶっ殺してやりたいのじゃよ」
「……はい」
「我も殺してやりたいのだからな」
「……はい」
「「「なんではいしか言わない!!」」」
「お前らがそんな雰囲気出したんじゃん!?」
なんだよこいつら……。
自分達で「はい」しか言えないような雰囲気出しといてキレるとか!
マジでおかしいんじゃねーの!?
「とりあえずです。皆様キラリ様と同じ気持ちなのです。分かりましたか?」
「おけ。充分分かった」
「そうですか。では、もう決め方は一つですよね?」
「だな。お前らもそれで良いか?」
「私はそれで良いのじゃ。それが平等じゃろうしな」
「我も構わぬぞ」
そうか。
そう一言だけ俺は告げると、前に手を出した。
アル、ソラ、ヘーニルも同じように手を出した。
「じゃあいくぞ……!!」
俺の掛け声と共に全員が手を引いた。
そして前へと出す。
「「「「じゃんけん……ポン!! 」」」」
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コメント
ノベルバユーザー367919
村のゴブリン退治まで読んだんだが・・・。
キラリは恋人の流奈に自分から会いに行くこともせず、流奈も迷宮の試練からさっぱり会いに行かず、
そもそも何のために流奈はクラス数人だけでなく学校生徒全員を異世界に送ったのか、
それに何か意味があるのかと思いきや送ってすぐに半数死亡してもなんとも思わずにいる流奈のほうがよほど死神っぽい。
キラリは流奈に熱愛してるかと思いきや普通に浮気癖っぽいし、流奈もキラリを熱愛してそうで浮気を容認しそうで、
キラリも流奈もサイコパスかと思った。
町ではなくゴブリンを恐れるただのしょぼい村なのに立派な温泉宿泊があり、食糧危機なのに買い食い巡りができる程食料は豊富で、
村なのに最上級の性能が付いているアクセサリー屋があり、冒険者ギルドのゲームでは金額六十億を考えると敗者の数が多すぎて大都市のような
村を超えた立地の施設で、貴族がいるわけでもない村なのにドレスも売ってて、ゴブリン程度で食料危機になるしょぼい村にしては違和感がある。
ノベルバユーザー298556
創れれたではなく創られたですよー
ゼロ
絶望したよwなんでここで終わりなんだよ〜今からいいとこじゃんw更新お願いします!!!!!
ノベルバユーザー217987
面白かったです!
次の更新を楽しみにしています
たく
更新いつできますか