女神の加護を持つ死神

つうばく

聖女と妖精族 9

屋敷の中にキラリ達が入り、ナスタニアによって精霊神がいるという部屋に案内された。
そこは他の部屋のドアとは違い、木製のドアの部屋だった。

ナスタニアに「どうぞ、おはいりください」とドアを開け言われたので、キラリを先頭に中へ入って行った。

中は大きな広場の様になっており、端のほうにはずらりと武装をした人やメイド服を着た人たちが並んでいた。

キラリ達から見てまっすぐの一番奥は階段状になっておりその上に大きな椅子が置かれてあった。

椅子の上には少女が乗っていた。
遠目でもわかる程のさらさらとした綺麗なエメラルド色の髪を持ち、パッチリとした大きな瞳をもっている少女。

座っている場所や恰好などからもわかるが、あれが精霊神なのだろうとキラりは思う。

その少女が椅子から立ち上がった。

「よく来た聖女よ。それに神々様方もよくいらしてくださった」

あれ? 意外としっかりしてる?
それがキラリがもった印象だった。

キラリが思っていたのは、椅子の上でふんぞり返り、

「よくきたな! おまえたち!」

と無礼すぎる態度で接してくる駄目ロリ妖精というものだった。


しっかりとした言葉使いを使っていて驚いてたのが顔に出ていたのか

『失礼ですよ』

とソラに注意をされてしまった。

アルやヘーニルにも言われたせいか「そこまで顔の出てた?」とキラリは不安気な気持ちになった。


だが精霊神はそんなことを知ることはないので、そのまま話を続けた。

わらわは生の精霊神デメテルだ。現在ここを支配しているものだ」

デメテルが挨拶してきたと思うと、後ろからナスタニアがキラリ達に前へ出て下さいと言った。

『自分たちも挨拶をしてください、という意味です』
『そーいうことね』

理解をしたキラリはデメテルの前まで歩いて行った。
アルたちも一緒に横並びに歩いて行った。

「俺は横井キラリ。一応神な」
「私はアルなのじゃ。キラリと同じく神じゃ」
「我はヘーニルというものだ。よろしく頼む」
「キラリ様の従者のソラという者です。デメテル様よろしくおねがいします」

とりあえず順番に言っていった。
デメテルはキラリ達の名を聞くと家臣やメイド達に向かって言う。

「皆の者。少し席を外してくれ」

すると一瞬にして家臣やメイド達は消えた。

キラリは一応「俺たちも外した方がいいか」と聞いておいた。
デメテルはキラリの問いに「大丈夫である。これはキラリ殿達に聞いてもらいたいことなのだ」と答える。

だが、イリスはナスタニアと一緒に外へと出ていった。
キラリが理由を聞いたが、とにかくナスタニアがはぐらかしてくるので、ついには諦めた。

ナスタニアなら、悪いことはしないだろと思い、任せておく。

キラリとアル、ヘーニルとソラだけがこの場に残った。

そしてキラリたちがいる所まで階段を下りてきた。

「ナスタニアに聞いたのだが、キラリ殿たちは冒険者なのだそうだな」
「まぁ、一応。最近なったばっかだけどな」
「それでも良い。実力があることは神という肩書からもわかる」

デメテルは続けて言う。

「少し依頼を頼んでもいいか?」

キラリはまたこのパターンと少し面を食らうのだった。

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