女神の加護を持つ死神
聖女と妖精族 6
波に乗りながら揺れる船から、よいしょ、と言う声をあげながらキラリは船を降りた。
アル達、それにイリスはキラリよりも先に降りている。
一番最後に降りたキラリは想像を絶する光景を前にして、息を飲んだ。
「凄いな」
無意識の内にそんな声が出ていた。
それには、アル達も同感という様子でキラリの言葉に応えた。
「そうじゃな。ここまで豊かな自然がこの世界にもあるのじゃな」
「だな。我もここまで豊かな自然を見たのは久し振りだ。確かグリーンライル以来じゃろうか」
「グリーンライルですか。ルナ様から聞いた事があります。一度は行って見たいと思ったものです」
なんとも近寄れない次元の話をされている方達には、付いていけないと感じるキラリ。
イリスも同様だったよう。
「凄い会話ですね」
「そうだな。流石にあれに入ることは俺でも無理」
やっぱり神と人間(一応神)には差があるんだな、と良く分からない感服をしているキラリを置いて起き、船は大陸を離れていく。
それもそうだろう。
キラリ達は普通にこの大陸に入っているが、実はこの大陸には強い結界が張ってあるのだ。
結界は妖精族に、いや妖精族の中でも最上級であり、この世界には三人しかいないと言われている精霊神にしか使えない結界が張ってある。
本当に強い結界で、生身の人間であれば結界に触れた時点で消滅するまでの威力を持っている。
……本当に、本当に強い結界なのだ。
……ただ、相性が悪かった。
アルは結界など無いかのように普通に結界の中に入り、ヘーニルは結界に課せられている定義を書き換え自分だけが結界を無視するようにし、ソラは結界を操り自分が入れるぐらいの穴を開けて入った。
イリスは聖なるパワー(?)で結界の中に入った。
キラリに至っては入る前に「邪魔だ」とか言いながら殴って結界をぶっ壊した。
その時にソラさんは、精霊神のつくった結界を張る魔法を取得しました、と言っていたそうな。
ーーいや、そこまでしなくてもいいからね!?
などというキラリの声はソラさんは勿論のごとく無視をされていた。
と言うことで、取得した魔法でさっきよりも強力な結界を張って置いたキラリ。
軽々と古代から伝わってきて、ずっと破られてこなかった結界を超える結界を張るキラリにソラ以外は気付いてもいなかった。
ソラは気付きはしたが、特に何も注意しないそう。
ソラ曰く、これぐらいでは注意するには入らないのだと。
……どのレベルまでいけば注意するんだと言う話ではある。
話は戻るが、そんなこんなで船に乗っている者達はこの大陸にはこれ以上近寄れない為、そして結界の能力でこれ以上いると身体に害が及ぶ可能性がある為、早急に帰って行ったのだ。
キラリはそんな船を見るのを止めると、言う。
「これからどうするんだ?」
それもそうだ。
キラリ達はイリスの護衛という依頼で来たが、内容については一切と言ってもいい程に伝えられていない。
知ってる事など、妖精族の安否の確認をしに来たという大まかな内容だけだ。
イリスはキラリの問いに応えた。
というか、イリス以外は知らないので応えられないのだが。
「昔に来た時に案内された里に行こうと思います」
「妖精族が住む里とか?」
「はい。この大陸に住む妖精族というのは、そこの里に全員が集まっています。人間の様に国と国で別れるという考えは無く、そもそも喧嘩とかそういう概念もありませんので、皆が皆優しく楽しく過ごしていますよ」
「へぇ〜。なんか想像していた通りって感じだな」
ゲームとかなら、それが裏目になって良く騙されたりしてるけどな。
『それが実際に起こった所為で、人間族が住む大陸にも妖精族が出没していったのですけどね』
『マジで騙されてた!?』
『そう言えばですが、精霊神の魔法を使える様になった事で、キラリ様も騙されやすくなりましたよ』
『嘘だろっ!?』
『はい、冗談ですよ』
ーーそこまで冷静に返されると言う言葉がない
キラリはそう思ってしまうのだった。
そして、ここまでソラに簡単に騙されてるんだし、今の話もマジでなのかなぁ? という疑問を抱いた。
まぁ、そんな訳無いのだが。
話を切り替えるかの様にキラリは「じゃあ」という言葉を放ち、その後の言葉を述べた。
「行こっか。その里に」
アル達は、それぞれのタイミングで頷くのであった。
アル達、それにイリスはキラリよりも先に降りている。
一番最後に降りたキラリは想像を絶する光景を前にして、息を飲んだ。
「凄いな」
無意識の内にそんな声が出ていた。
それには、アル達も同感という様子でキラリの言葉に応えた。
「そうじゃな。ここまで豊かな自然がこの世界にもあるのじゃな」
「だな。我もここまで豊かな自然を見たのは久し振りだ。確かグリーンライル以来じゃろうか」
「グリーンライルですか。ルナ様から聞いた事があります。一度は行って見たいと思ったものです」
なんとも近寄れない次元の話をされている方達には、付いていけないと感じるキラリ。
イリスも同様だったよう。
「凄い会話ですね」
「そうだな。流石にあれに入ることは俺でも無理」
やっぱり神と人間(一応神)には差があるんだな、と良く分からない感服をしているキラリを置いて起き、船は大陸を離れていく。
それもそうだろう。
キラリ達は普通にこの大陸に入っているが、実はこの大陸には強い結界が張ってあるのだ。
結界は妖精族に、いや妖精族の中でも最上級であり、この世界には三人しかいないと言われている精霊神にしか使えない結界が張ってある。
本当に強い結界で、生身の人間であれば結界に触れた時点で消滅するまでの威力を持っている。
……本当に、本当に強い結界なのだ。
……ただ、相性が悪かった。
アルは結界など無いかのように普通に結界の中に入り、ヘーニルは結界に課せられている定義を書き換え自分だけが結界を無視するようにし、ソラは結界を操り自分が入れるぐらいの穴を開けて入った。
イリスは聖なるパワー(?)で結界の中に入った。
キラリに至っては入る前に「邪魔だ」とか言いながら殴って結界をぶっ壊した。
その時にソラさんは、精霊神のつくった結界を張る魔法を取得しました、と言っていたそうな。
ーーいや、そこまでしなくてもいいからね!?
などというキラリの声はソラさんは勿論のごとく無視をされていた。
と言うことで、取得した魔法でさっきよりも強力な結界を張って置いたキラリ。
軽々と古代から伝わってきて、ずっと破られてこなかった結界を超える結界を張るキラリにソラ以外は気付いてもいなかった。
ソラは気付きはしたが、特に何も注意しないそう。
ソラ曰く、これぐらいでは注意するには入らないのだと。
……どのレベルまでいけば注意するんだと言う話ではある。
話は戻るが、そんなこんなで船に乗っている者達はこの大陸にはこれ以上近寄れない為、そして結界の能力でこれ以上いると身体に害が及ぶ可能性がある為、早急に帰って行ったのだ。
キラリはそんな船を見るのを止めると、言う。
「これからどうするんだ?」
それもそうだ。
キラリ達はイリスの護衛という依頼で来たが、内容については一切と言ってもいい程に伝えられていない。
知ってる事など、妖精族の安否の確認をしに来たという大まかな内容だけだ。
イリスはキラリの問いに応えた。
というか、イリス以外は知らないので応えられないのだが。
「昔に来た時に案内された里に行こうと思います」
「妖精族が住む里とか?」
「はい。この大陸に住む妖精族というのは、そこの里に全員が集まっています。人間の様に国と国で別れるという考えは無く、そもそも喧嘩とかそういう概念もありませんので、皆が皆優しく楽しく過ごしていますよ」
「へぇ〜。なんか想像していた通りって感じだな」
ゲームとかなら、それが裏目になって良く騙されたりしてるけどな。
『それが実際に起こった所為で、人間族が住む大陸にも妖精族が出没していったのですけどね』
『マジで騙されてた!?』
『そう言えばですが、精霊神の魔法を使える様になった事で、キラリ様も騙されやすくなりましたよ』
『嘘だろっ!?』
『はい、冗談ですよ』
ーーそこまで冷静に返されると言う言葉がない
キラリはそう思ってしまうのだった。
そして、ここまでソラに簡単に騙されてるんだし、今の話もマジでなのかなぁ? という疑問を抱いた。
まぁ、そんな訳無いのだが。
話を切り替えるかの様にキラリは「じゃあ」という言葉を放ち、その後の言葉を述べた。
「行こっか。その里に」
アル達は、それぞれのタイミングで頷くのであった。
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